苦楽園オフロード雑記帳

兵庫・京都・鳥取・岡山の自然と林道をSHERCO TY125、 TRRS XTRACKで楽しんでいます。乗れない時などはスノーシュー、クロカンスキー、たまに料理ネタも入ります。

Happy go Lucky!

続・沢川森林鉄道跡探訪記 6/19 (前編) 因幡

今回のブログはあくまで自分自身の備忘録として書きます。
それは長年思い描いていたひとつの夢が叶った記念として、この良き日の思い出をこれからずっと残して置きたいからです。
林道を走るブログを期待している方にとっては退屈なものになるかもしれません。  


使われなくなった道、廃道のことを英語ではobsolete roadというそうです。
その廃道を好んで探索する人はオブローダー(ob-roader)と呼ばれるそうなので、廃林道を好む僕はオブ・オフローダーといったところでしょうか?


また一口に廃道と言っても、細分化をすれば道路でも古道、酷道、未成道などがあり、それ以外には廃線や廃隧道(トンネル)があって、それぞれディープなマニアもおられるようです。


林道探索をしていると意外な場所で意外なものを見つけることがよくあります。
例えば今はもう絶対に誰も通らないだろうといった小さな峠の頂上にお地蔵さんがあったり。
それは何を意味しているのか?いろんな想像が湧いてきて、往時の様子を勝手にいろいろ思い描いたりします。

林道内ではそれ以外にも、山奥の斜面に突然古い石垣が現れたりすることも多々あります。
あるいはまるで山城でも存在していたような不自然な空間や、小さな坑道にもたまに出逢います。 


でもなんと言っても僕がイチバン心踊るのは、かつて日本中で活躍した森林鉄道の跡です。
今、自分がこうして山で過ごすことが多くなり、山での仕事の大変さも少しだけ理解できるようになると、その先人たちの苦労の程は如何ほどだったのかと思わずにはいられません。
またその反面、山々が活気に溢れ輝いていた頃はどんなだったのだろうかと。


もっとも当時のそうした林業従事者の収入は相当高かったそうで、しばらく山中に篭って仕事に励み、報酬を手にして休暇に下山すると、近くの街で派手に芸者遊びにうつつを抜かしていたそうですから、それも微笑ましいことです。
そもそもこの辺りにしても、地方の小さな街に芸者置屋があっただなんて、今からは想像もつきません。


さて前回はソロで発見の足掛かりを付けた、兵庫と鳥取の県境にある沢川森林鉄道の探索第二弾をいつものメンバーを誘って行ってきました。
煮過大隊長はこのところしばらく事情でご一緒できませんでしたが、今回は久しぶりの参加です。



クリックしてね ⤵️



ネットで検索をすれば、数人のハイカーさんが麓の諸鹿からは歩いて全容をレポートされていますが、我らがバイブルもバイクでは入ったような画像は全くありません。


前回はこの崩落地点でバイクを置いて、その先は歩いて探索をしました。

今回は久しぶりにバイクに乗れる喜びからか、大隊長自らが先頭を切ります。


行きの下りはそれほど難易度は高くはありません。


このルートはハイカーさんからのレポートを見ても、麓の終点と集落の間は傾斜が急で索道で切った材木を運んでいたそうで、完抜けできるとは99%考えていなかったので、帰りの事もイメージしておかなければなりません。
そうなると、ここを逆に登るためにはこの丸太2本とヌタチュルの路面が難関です。


とりあえずひとつ目の関門はクリアして奥へと進みます。
すると・・・

「あったぁ〜!」
前回は道路の端に退けられたレールしか発見できませんでしたが、こうしたV字の地形の区間だと、そのまましっかりと敷かれたまま残っています。


しかしこのスケールだと貨車の幅は、せいぜい2mも無かったのではないでしょうか。

こちらは数年前に訪れたことのある、この近くの波賀の森林鉄道の画像です。
おそらく同じような機関車や貨車が使われていたことでしょう。


区間によってはV字の底に水が溜まり、イモリたちの楽園となっていました。
平和で過ごしていたであろうに、バイクで荒らしてごめんね。

それを過ぎると道幅の広い区間になってもレールは当時のまま、しっかりと残っています。

ただ長い年月が過ぎたせいか、枕木は風化してしまったようで見当たりません。
レールの間を走っていれば楽ですが、レールを跨がなければならないと、当然ながらひどく滑ります。


目を細めて瞑想すると、時空を超えて機関車が森の奥から現れてくるような気がします。



ふと横を見れば、そこには美しいエメラルドグリーンのトンボが木の葉に止まっていました。


さらに奥へと進んで行くと・・・・


ありました!
この森林鉄道の見どころのひとつである石垣のカーブです。

 線路の間には大きな木がしっかりと根を張っています。

バイブルの画像にもありますが、10数年前からほとんど変わってはいないようです。

ここは下が石垣の為か、枕木もしっかりと残っています。
さらに奥に進めば、より急カーブのポイントもあるそうですが、そちらは橋になって下が空間なため、上に乗ることは危険な状態でもあるそうです。


軌道は緩やかにアップダウンを繰り返しながらも麓へと続いています。


ハイカーさんの記事によると作業道と交わったりする箇所もあるそうですが、それはまるで見当たりませんでした。


そこから先は線路上に生えたり、横から覆うように木が伸びているので、バイクで進むのには支障があります。

邪魔になるのは切れば良いという訳でもなく、これからもこの遺構を観に来る人たちのためにも、この状態を荒らしてしまうようなことは慎むべきだと思い、この辺りで撤退することに決めました。


今度はふと足元に目をやれば、そこには観たことのない植物が・・
グーグル先生によれば『ギンリョウソウ=銀竜草:別名ユウレイタケ』というものらしいのですが、さてそれで正解なのでしょうか?

引き返す時もくれぐれも慎重に・・
もしもこれを読んで行ってみようと思っても、最低3人以上のグループでないと危険です。


僕は次回(未定ですが)は麓の集落から歩いて全貌を探ることにします。
その時は必ず熊除けの鈴が要るでしょうね。

途中の広場まで戻ると、明るい日差しがふんだんに降り注いでいました。

かつてはここも切り出した木材を集積していた場所かもしれません。



そこから作業道の支線もあったので探ってみましたが・・

残念ながら、こちらはすぐに行き止まりでした。
でも目的はほぼ達成できて大満足です!


この日はこれが午前の部、さらに午後には全く別のふたつの大きな成果が・・!?


その続きは後編で・・・




圧巻の完抜けルート! Developed by Eddie&K 6/12 但馬

今年の梅雨入りは遅いですね!
まあ昨年が早すぎたので、その反動かもしれません。
『自然はプラスマイナスを繰り返しイーブンになる』は僕の持論です。
ともあれ、まるで秋風のような爽やかな1日の朝でした。


この日もいつもの探索メンバーでふたつのルートの新規探索と復活した人気林道、ひとつの発見済み極秘?ルートに案内されて行ってきました。


今日のリーダー役えでーさんから集合場所に指定されたのは音水湖畔の公園、ここは気持ちが良い場所です。



まず最初に探索したのは天滝の南側にある佐治見川林道。
中距離のフラットピストンとして知られており、僕も何度か来た事がありますが、えでーさんがこの西側にある若杉の不動滝の奥と繋がっているのではないかとの仮説を立てたのです。
先週僕ひとりでその不動滝から途中まで入ってみたのですが、想像以上に奥まで道が伸びており、これはもしかすれば・・と思っていました。

この道は入り口から終点までず〜っと渓流沿いに緩やかに登る道です。



長い間伐採なども行われた様子も無く、路面は極めてフラット。


今も釣り人(現在は休止中ですが)のサガとして、こんな美しい渓流があれば魚影を探してしまいます。

杉やヒノキの落ち葉が積もった道もいいもんですね。


がしかし、それも地図上の終点まで。
そこから先はアトラクションの連続です。

沢ガレ、倒木、ザレなどなどをクリアしつつ・・


ワクワクしながら進んでいくと、無情にも呆気なく、スッパリと行き止まり!
その先は急斜面の崖でどうしようもありません。

地図にある破線道はどうやらココ?のようで、これも歯が立ちません。


仕方なくここは撤退。

こんな場合も想定して、帰りのガレ場ルートも十分に頭に入れておかないとエライ目に遭いますよ。
勢いだけでエイヤっと進んでしまうと後で泣きを見ます。


外来種『ジキタリス』がそろそろ咲き始めていました。
鹿も食べない毒花だそうなので、どんどん繁殖エリアが広がっているのが気にかかります。
この花にはどうも違和感があって、日本の里山には不釣り合いの植物に感じるのは僕だけではないはずです。

足元にはちょっと変わった色のコガネムシ(カナブン?)。
これは外来種ではないはず・・。

そこから少しワープして、先週走った不動滝の奥の林道。

ここにこれまで一度も入ったことがなかったなんて、すごくもったいなかったなと感じています。


メインの道は新しく、極めてフラットで絶景ポイントもアリ。


しかしこちらも先週より少し先に進んだところでジ・エンド・・


途中2本あった支線を探ってみると、こちらの方がかなり古い様子でしっとりとした良き雰囲気です。

良いな〜この道🎵
いったいいつごろ作られたのか?
そしてどれくらい長い間、誰も訪れていないのでしょう?そんな道が大好きです。




これがどこかに抜けていれば、そりゃあもう大発見なのですが・・

ここも奥に進むにつれてイロイロと。


仕方なくこのふたつの林道が結ばれているかもしれない、ということは諦めざるを得ませんでした。

しかし新旧の道が奥へと伸びる楽しいゾーンです!
それが分かっただけでも収穫と言えるでしょう。


次は若杉峠を越えて、久しぶりに『志倉道谷林道』(別名:樅木沼谷)へ入ります。
ここは2018年台風21号(だったと記憶しています)で大きな被害を受け、道は大きく崩落して復旧は難しいのでは?と言われていたところです。


ここがその崩落を修復した場所。

ここもまた美しい渓流沿いに約12km伸びる人気の林道なので、開通を待ち侘びていた人もかなり多いようです。
周辺の林道を組み合わせるにも、ここをメインとするのが良いでしょう。
僕も久しぶりに走りましたが、とても楽しく一気に駆け抜けたので画像は少なめです。


さて、そしてこの日のふたつ目の新規探索は、志倉道谷と阿舎利を結ぶ(かもしれない)ルート探索です。
途中の分岐にはこんな案内板もありました。
かつてはこの山道を越えて学校に通う子供達もいたそうです。

ここもまた、途中までは目を疑うような絶品フラットでした。


えでーさんのリサーチ力はいつも感心するのですが、このところそれがさらに際立っているようです。


とあるハイカーさんのブログにもあったという、藤無山の見える絶景ポイント。


ここも悪くない、いやそれどころか期待値が右肩上がりの素晴らしい道だったのですが・・


途中で大崩落?それとも途中で道を造るのをやめたのか、その先は消滅してしまいました。

う〜ん、今日は上手くいきませんね。
いやでもこれまで何度も言ってきたように、全く新たに知られていない林道/作業道をこの時代に見つけるのは容易なことではありません。


でも次の、そしてこの日最後の林道は、えでーさん&Kちゃんが自信たっぷりドヤ顔で『見つけたよ!』とアピールしてきた、阿舎利から別れたその奥にある万ヶ谷〜引原のスーパールートです!


ここも来るのは何年振りでしょう?
まだCRFに乗り始め、オフロードにどっぷりと浸かる前に一人で来て迷いかけましたっけ。


このエリアの画像はほとんどありません。
なにせ発見者のえでーさんですらミスコースをしてしまうほど、とにかく複雑なゾーンです。


そして最後の大きな難関は、この斜面を登り、木立の中を出口に向かうことです。

それで終わりかと思ったら、まだオマケがありました・

ビビったなあ・・でも完抜け達成です!
これは本当にスゴイ!!脱帽です!!
ふたりのリサーチ力と実行力にはいつも感心させられていましたが、このルートを見つけ出したことは文化勲章受賞レベル?でしょう。


このルートは文章や口頭ではとてもとても説明はできません。
慣れない方がむやみに入ると、それこそ迷って出られなくなり遭難してもおかしくないレベルです。
僕自信ソロでもう一度行けと言われても、やっぱり迷ってしまいそうな、そんなルートではありますが、楽しさのレベルは超弩級!!
よほどの手練れでない限りは真似をしようとは思わないでくださいネ。


さていつもタイトル画像は自分で撮ったものを使うのですが、今回のこのラストの写真はとても気に入ったので使ってみます。
Kちゃん、ありがとね!


帰路の途中の水田の稲もすでにだいぶ育ってきました。
日本の農地は本当に美しいですね。


幻の林鉄跡を遂に発見!そして魅惑の稜線を歩く2DAYS 6/3・4

僕は廃村、廃校、廃坑など古く歴史ある遺構などが大好きで、しかもそれが山奥の林道の先にあったりするとシビレるほど感動してしまいます。
但馬には有名な明延鉱山、生野銀山や神子畑選鋼場などありますが、あまりにも観光地化されたところには興味が湧きません。
なので過去に熱田の廃村廃校を自分で見つけた時には、無我夢中になって資料を調べ直してブログ記事にしたものでした。


しかし以前からバイブルにも載っている、別なある遺構を見つけることはどうしてもできないまま時が過ぎていました。


そうこうしているうちに、最近トレーニングも兼ねて興味が増してきたトレッキングその方面のSNSを見ていると、ある記事に出会いました。
それにはしっかりとその存在が記されていて、林道との合流点も示されていたのです。
その記事に沿って麓からトレッキングルートを辿れば発見は容易なようですが、ここはオフローダーの意地で林道側から見つけてやるぞと意気込んでいました。


そしてここは兵庫と鳥取の県境にある古い林道。
趣があって大好きな林道のひとつですが、区間によっては毎年少しずつ荒れてきています。


南側から進むとしばらくしてからロックセクションが現れます。



難易度はさほどではありませんが、このポイントは遠景が見渡せる場所だけに少し惜しい感があります。


注意すべきは崩れている岩が鋭利な断面になっているので、最悪バーストの可能性があることです。


それを過ぎるとマディーな区間が現れます。
このエリアは元々水捌けが悪く、通年ヌチャヌチャした場所が数カ所あります。
さほど深くはないですが、万が一コケたりして泥だらけになったりするとかなり悲惨なことになります。


昨年は倒木が多くて手こずりましたが、今年は致命的なものはありませんでした。

ここも左から簡単にクリアできます。
ただ細い倒木や枝が垂れ下がっているケースが他にも多いので、走りながら身を屈めてかわすのは結構厄介でした。


崩落もこの程度です。
ここも左から抜けられました。


そんなアトラクションを挟んで、この林道には見どころもイッパイなんです!


特に南側の区間はブナなどの紅葉樹が多く、美しい自然林が広がっています。


道のすぐ脇にもこんなブナの大樹がいくつも・・♫


こんな道をどうして速く走り抜けられるでしょうか?
木漏れ日を浴びながら、トコトコ走る気持ちの良さは格別です。
そのせいかヤマドリやリス、それにウサギの姿を見ることもできました♪



さあ、そうするうちに今日のメインターゲットである林鉄(森林鉄道)跡と交差するポイントに近づいてきました。
4年ほど前から何度も何度も探しても見つからず、なかば諦めてきたその遺構を今日こそは見つけたい!


できるならばあくまで現場では自分の眼と感性を重んじたかったのですが、今回はスマホアプリを駆使して、ついにその本命らしき入り口を見つけました。
なんと、今まで幾度となく素通りしていたこの場所だったのか・・。
それまではもう少し先にある大きな分岐の奥であろうと、すっかり勘違いで思い込んでいました。

森林鉄道は明治の終わり頃から1970年代にかけて、全国で盛んだった林業の主役であり近代産業史の1ページを飾ると言っても過言ではないでしょう。
この沢川森林鉄道は昭和26年頃に開設されて全長は8.6km、昭和41年に廃止となったらしく割と短命です。
 今日までその後少なくとも50年以上は、ほとんど忘れかけられていたことになりますね。


さらに興味のある方はこちらをご覧ください。


歴史ロマンに胸を躍らせてその中に入ってみると・・・


なんとすぐに、呆気なくそれは見つかり、思わず大きな声で『あったぁー!!』と叫んでしまいました。


しかしその先、数百メートル進んだところで・・


この作業道が沢で寸断されています。
よく観察すればなんとかなりそうで、確率的には90%大丈夫そうなのですが、10%のリスクを考えてここは自重しました。
なんといってもこの日は平日だし、こんなところに走りに来たりする他の人は皆無で、ヘルプやレスキューは全く期待できません。
仕方なく、いやそれもまたじっくりと観察できるので良いのですが、そこから先は歩き始めます。



するとあるわあるわ、外された古いレールがそこらじゅうに散らばっています。


レールを外された道はこうして見ると素晴らしい作業道群として残っています。


俗に言うナローゲージ規格だったのでしょう、一般的なレールに比べると細く華奢です。


枕木は当然朽ちてしまったのでしょうか?


ハイカーさんのブログによると、このさらに先の方にはまだ道に敷かれたレールも沢山あるそうで、石垣や橋も残っているそうです。


こちらはSNSより、とあるハイカーさん撮影画像を拝借
鉄道としてはすごいヘアピンのアールですね!

しかしこれ以上オフロードブーツで歩くのは大変だし、雰囲気的に熊の気配もありありで、
かといって熊避けの鈴も付けていないので、大声でイーグルスのDesperadoを歌いながら引き返しました。


麓の集落手前からは索道で木材を降ろしたらしく、その区間は道は無く激坂のようなので完抜けは期待できませんが、他に支線もあってたっぷりと楽しめることは間違いないでしょう。


とにかく秘境感は最高の素晴らしい作業道が広がる空間がそこにはありました!
次回はメンバーを揃えて完全解明したいと考えています。
意地は貫いたので、秋の紅葉シーズンに麓からじっくりと歩いて探るのも良いかな。


本線に戻って北側の出入り口を目指して走ります。
この区間は幅員もたっぷりとあり、フラットで明るい素晴らしいダートが続いています。


全体がこんなコンディションだったら良いのになあ・・とも思えますが、これはこれで変化があるからこそ楽しいのかもしれません。


出入り口まであと1kmほどのところから、ちょっと外れて森の中のルートを探索。


う〜む、これはまた素晴らしい♪
また新たな可能性も見えてきた気がします。


北側まで突き当たってから、今日はそのまま来た道を戻ります。
なぜなら今日はこの後、トランポでの移動を考えていたからなのです。


さて、その次はというと・・・



これは先日探索した時に、時間も体力も尽きてしまってやり残した若杉エリア。
僕自身も以前からギモンだったのですが、メンバーのえでーさんも強い興味を示していました。
ただ僕としては一体どこからアプローチをすれば良いのか判断できなかったのですが、えでーさんが大胆な仮説を立ててくれたのです。


本当ならばえでーさんの説を尊重するために一緒に来たかったのですが、どうしてもたまらずに抜け駆けで偵察です、ハイあくまで斥候偵察ですよ。
すると入ってビックリ!奥の方では伐採作業が行われているらしく、幅員たっぷりのスーパーフラットが延びているではないですか!


バラス少なめほぼ土質ドライで轍も皆無!!


氷ノ山の南側の勇姿もすぐそこに見えています。


4kmほど入ったところで分岐があり、その先片方で伐採と作業道造りが行われていました。
もう片方の支線ではやや幅員が狭まりますが、こちらも先日のような倒木や崩落はありません。


いやいや、これならば仮説上あの林道と繋がって完抜けできる可能性はとても高くなってきました。
昔の記事を見直してみると、繋がるかもしれない林道の先はこんな具合でした。

この時はまだ未熟な面も多くてビビって引き返しましたが、今こうして見ると、このままの状態であったなら楽勝で越せそうです。
そのまま独りで手柄を得るのは本意ではないので、ここもまた後日のお楽しみに♫
こんな発見はみんなと共有した方が楽しいもんですが、えでーさん&Kちゃんコンビは待ってくれているでしょうか?


引き返して、またもう一度トランポにバイクを積み直しますが、それにしても眺めも素晴らしい林道です。


そしてずっと南下して、この日の最後は千町ヶ峰の稜線に出るルートに挑みます。


こちらは完全にえでーさんとKちゃんコンビの努力による発見。
僕にピッタリな絶景ポイントがあると教えてくれたので、そのチャンスを伺っていました。
『挑む』と言ってもそれほどハードではなく、ややガレた区間と稜線に出る直前の倒木帯さえ抜ければ・・



イェ〜イ! 本当だ、これは素晴らしい!!


この辺りは熟知しているつもりだったのですが、さすがに宍粟のスペシャリストの名コンビ。
なんでも先日は、あのマンガ谷から引原に抜けるルートも開発したそうですから、今度またそちらも教えてもらおうと思っています。


なかなかタイトなスケジュールの1日だったけれど、ここも来て良かったな〜♫


実は下山する時に迷いかけましたけどね・・・


でもそれも無事にクリアして、トランポに積む前にちょうど良い川があったので、泥落としも兼ねてリバーライド。
このところやや不完全燃焼の日が続いていましたが、この日は目的をほぼ全て達成して大満足 ♫



そして翌日はかねてからリクエストをしていた、宍粟にある県内で2番目に高い三室山登山です。
メンバーはKちゃんとそのお師匠さんである八木さん。
そしてKちゃんの親友まっちゃんとその息子さんの5人です。


いつもの六甲山系や丹波山系とは雰囲気がまるで違い、その魅力にグイグイと惹きこまれてしまいます。
アプローチは無理でしょうが、途中にはオフロードバイクにもピッタリな、ヨダレが溢れてきそうな区間やエリアもあって、Kちゃんと『ここもイケルね ♪』と話しながら登ります。

斜度はそれほどキツくはなく順調に進んでいましたが、頂上手前では急坂もありクサリ場をよじ登ることも。

そして噂に聞く360°パノラマの頂上とは・・


県内No.2とはいえ、それほど大した標高ではありませんが、この日は天気に恵まれて瀬戸内海や大山まで見渡せました!
これ以上になると暑過ぎる気温と日差の強さでしたが、それも爽やかな梅雨直前の空気を心から味わうことができました。

ここで昼食を摂った後は大通峠に向けて稜線を歩いて行きます。
実はここ、ハイカーさんの記事を見てぜひ歩いてみたいと思っていた場所なんです。
林道の場合は本来の役割で木材を運び出すためだからか、山腹を稜線のすぐ下を平行に延びていることが多いのです。
いつもバイクで走りながら、稜線を走れたならば良いのになあ・・と思っていたのですが、登山道の場合はこんな素晴らしいルートが珍しくはないのですよね。


遠目から眺めていると草原かと思っていたエリアは笹やシダの広がる空間でした。
それでも気持ちの良さはなんら変わりません。


これ何の木だったかな?
宍粟50名山のガイドでもある、ベテラン八木さんから教えてもらいながら歩きますが、なかなか覚えられないボケ頭です。


う〜ん、それにしてもサイコー🎵


稜線から降る区間に入っても、これまたブナ林の雰囲気は素晴らしくてウットリとしてしまいます。


一旦舗装林道と交差してから、また近道となる古道を使って駐車場まで降りました。
昔の商人や参拝などに、多くの人たちが通っていたのであろうこの道もとても趣がありました。


そんな二日間、梅雨前に取った有休を含めてとても有意義で楽しい日々でした。
最後は脚もヒクヒクするほど疲れていましたが、バイクもトレッキングもすぐまた行きたいくらい。
梅雨よ、平日だけ降ってくれ!(平日休みの人、ゴメンナサイ)
お願いだから週末は晴れてー!!


ふたつのピストン林道よ、繋がれ! 5/29 但馬

ちょうど今から4年前、但馬地域の須留ヶ峰周辺に点在林する道数本を選んで、僕の主観と独断を元に『ピストン林道コンテスト』なんてタイトルを付けた記事をアップしました。



林道は時と場合によって、完全に廃道になってしまうケースと、また新たに生き返ることがあります。
あの時崩落や倒木で進めなかったあの道も4年経ち、もしかすると整備修復されてもっと奥へと入れるのではないか?
そして気心の知れた心強い仲間たちとならば、スキルも経験も多少は身についた今、更なる未踏の区間に足を踏み入れられるのでは?と思い再び訪れてみました。


若手ホープのRYOTAくんはバイクの修理が間に合わず泣く泣く不参加ですが、まこっちゃんは体調万全とはならずともなんとか復活です。

倉床のいぼ地蔵横から入るこの林道はこのエリアでは唯一と言って良い完抜け林道なのですが、5年ほど前から崩落でそれができなくなっていました。

これは我らがバイブルに載っている20年以上も昔の画像。
前回はここで引き返したのですが・・


う〜む、この先でまだ崩落がそのまま残っていて進むことができません。


仕方なく迂回して他の支線を探してみるものの・・




どれもこれも行き止まりや倒木に阻まれて・・



どうにもこうにも答えが見つかりません。


倒木処理やくぐり抜けに疲れて休んでいると、このエリアの名物『ヤマビル』が現れたので慌てて退散!
なんでもハイカーさんの間ではヤマビルの巣窟として悪名高いそうです。


そこからしばし北上し明延鉱山を過ぎて旭山キャンプ場の横から、前回ナンバーワンに選んだ『田淵林道』に入ります。
ここは計画では須留ヶ峰林道(舗装)と繋がると聞いていたので、その期待も込めての再訪です。


ここは以前と変わらず本当に素晴らしい路面状態で爽やかフラットの見本のような林道です。
ビギナーの方ならば半日くらい、ここでずっと往復して腕を磨けば上達も早いでしょう。


ここ日の天気予報は最高30度くらいで快晴ですが、さほどまだ湿度が高くなく僕にとってはベストコンディションに近い天候です。


途中にある作業小屋を過ぎて少し行くと、沢からの崩落があり、それを境にガラッと変わります。
前回一人の時はここで引き返しました。

<Kちゃん撮影>


今でも一人だと躊躇しそうな場所ですが、仲間がいれば難所越えも楽しみに変わる?


そして複数本の倒木➕崩落!
その先を歩いて確認して処理したのですが、それでもまださらにその先で道が消えていて、苦労は泡と消えました。
まあ誰でも経験する林道あるあるです。


そうそう、ここにはヤマビルはいませんでしたが、天敵のトゲトゲ(ジャケツイバラ)の群生があるので奥に進む場合はお気をつけください。

そしてまた、諦めきれずに支線の作業道探索に入りますが・・



ここがとにかく予想以上に深かった!

ソロだと迷って脱出できなくなるくらいですが、そこもまたグループの強みで大胆に進みます。

しかしここでもまた目論見は外れて撤退。
木陰で休憩をしながら頂いた、Kちゃん差し入れの凍らせたスポーツジェルの美味しかったこと♫


県道に戻り、さらに北上する途中に登山道入り口があり、そこにはこんな案内板がありました。
なるほど、須留ヶ峰林道が開通したという情報はカカナベ峠までで、そこからこちら側はまだまだ長い時間がかかりそうだということですね。


さて、さらに北上して大屋の野球場の向かい側から『市場奥山林道』に入ります。
ここは前回は入って間も無く崩落で引き返した道です。


その時の崩落は跡形もなく、心地よい路面で徐々に高度を上げていきます。
この日の最大の目的はこの林道とその西側の蔵垣下奥山林道が繋がっていれば素晴らしいルートができるはず!それが僕らで発見できれば・・そんな思いを抱いていました。


良い感じでーす♫
こんな時は子供のようにドキドキワクワクしてしまう気持ち、オフローダーならば分かってもらえることでしょう。


さらになお高度を上げて行くと・・


右下に見えるのが入り口近くにあった野球場です。

またさらに進むとその先には・・・

谷間を挟んだ向かい側の山に、いつもよく走っている『天谷加保坂林道』が見えています!
この4年の間にあちら側は何十回と走ったのに、こちら側は初めてというのが自分でも不思議な思いです。


そろそろ位置的には西側の林道に繋がっても良さそうな頃になると、また道が狭まり荒れ始めてしまいました。


何度も何度も倒木処理やくぐり抜けを繰り返しているうちに、えでーさんのシェルパがマシントラブル。

リアブレーキキャリパーのバンジョーボルト部が転倒の時に岩がヒットしたらしく緩んでしまい、ブレーキを踏んでもスカスカの状態になってしまいました。
応急処理を施したにもかかわらず修復できませんでしたが、なんとか脱出して遅めの昼食の場所へ。


えでーさんおすすめの天滝レストハウスで鹿肉料理をいただきましたが美味しかったです。
(画像撮り忘れ)


お腹は満たされて、ほっと一息。
ここは駐車場の青紅葉・赤紅葉がとても美しかった。

これはニセアカシアかな?

アオモミジってブナの若葉と並ぶくらい大好きです♪



木陰でくつろぎ気持ちも落ち着いて、えでーさんが再度シェルパの修理に取り掛かると、流石の我らがチーフメカニック、見事にトラブルは治りました!


リタイア宣言を撤回して『蔵垣下奥山林道』に進みます。


ここも明るくて、とても良い林道なのですよ!

 

以前来た時も、同じこの場所で写真を撮っていました。


しかしここもまた他と同様、奥に進むにつれてアトラクションが次々と現れてきます。

道が消えてはUターンを繰り返し・・

倒木、崩落を数えられないくらい攻略しますが・・

結局どこからも昼食前に入った林道と結びつけることはできませんでした・・


あ〜残念!
希望的観測と野望は実を結ぶことなく、今回も大きな収穫を得ることはできませんでした。
まあ林道探索なんてたいていはこんなもんです。
だからこそ成功した時には大きな喜びがあるんです!!(←ちょっと強がり)


でもいつも走っているエリアのすぐ近くで、こんな新鮮な気分でたっぷりと楽しむことができたことには大満足でした!


ふたつの林道を結ぶルート開発を今回は一旦諦めましたが、まだ可能性はゼロになったわけではなく、いつかこの課題もクリアできる日が来るかもしれないと、心の中の炎は絶やしません。


<えでーさん作成の走行ログ>


やっぱりねえ、もうちょっとだったのに‼️


解散してから農道を走っていると、こんな美しい麦畑が夕日を浴びて輝いていました。


こんな風景をもっと見たいし、国産小麦を食べることが増えればなあと思います。



役割を果たした道に光を当てれば 5/22 但馬

今年の5月は昨年に較べれば格段に晴れの日が多い気がします。
五月晴れとくれば、僕の大好きな絶景ポイント巡りがピッタリと当てはまるワケですが、その反面この時期は雪でススキが潰れ、まだ他の草の成長も少ないので絶好の探索日和でもあります。
体力的にもこれ以上気温や湿度が上がると厳しいですが、今が絶好のチャンスとも言えるでしょう。


ということで、今日も但馬で気になる3箇所をリサーチすることにしました。


その前に軽くウォーミングアップで廃スキー場を駆け抜けます。
ここは昨冬にスノーシューで登りましたが、やっぱり雪景色も新緑も素晴らしい!


そしてリサーチ⓵は高丸山の麓に広がる扇状の谷。
昨年TOM'Sの吉川さんとご一緒した時に『あれは何?』って聞かれて、初めてそこに道があったのかもと気付かせてもらったのです。
それにしてもどうです、この若葉のトンネルの美しさたるや!

僕の"OJIRO SKY"はこれまでもたびたび繰り返し画像をアップしていますが、何度見てもこの景色に飽きることはありません。


正面が高丸山、左が鉢伏山。

今日の探索メンバーは、諸事情が重なり僕とKちゃんとえでーさんのトリオ。


ここは昨年秋に下見に来た時にはものすごい草で跳ね返されてしまいましたが、今回は何とか先に進めます。

しかしこの道はおそらく相当長い間誰も通っていないような状態で、こんな感じで低木に覆われてしまっています。
1本を切るのには時間も労力もさほどかかりませんが、これだけの本数になると3人ではうんざりしてしまいます。

ここでは下見のためにかなりの距離を歩きました。
結論はルートとして麓から伸びてきて2方向に分かれて、こちら側の林道2箇所につながっていることが確認できましたが、バイクでは3人では厳しいので諦めました。

ヒートアップした体を冷ませるために稜線に出ます。


ここでは本当に心地よい風が吹いていて、『ああ、オフロードバイクに乗っていて良かったな〜♫』と思わせてくれる瞬間です。



その麓側には公園があり、ややピークを過ぎたシャクナゲ(合ってますよね?)が咲いていました。




なぜか1本だけある白樺の木が、いかにも今、高原にいることを再認識させてくれます。


そして風格のあるブナの老木。


最近僕もちょっとだけトレッキングの体力ができてきたので、Kちゃんの歩くペースにも付いていけるようになってきました。
それゆえ、ふたりで歩いて探っていると、どこまでも深く深く行ってしまい、気がつけばバイクと残ったえでーさんとは大きく離れてしまいがちです。
ともあれ、こちら麓側の出入り口も確認ができました。
あとはまた体制が整った時に、あらためてアタックしてみる?ことにします。


そこから大きく移動して、リサーチ⓶の前に栄養補給。
今日は田舎料理と打ち出された、うみがみ元気村の但馬牛丼です。
ここ、失礼ながら店構えからは想像ができないくらい味が良いんです!
地産地消の牛肉は上質のしゃぶしゃぶ肉に匹敵するくらいで、お値段は700円。
それにオバチャンとの会話が楽しくアットホームなお店ですよ。


食後は以前からずっと来てみたかった『ふるさと資料館』。

廃校になった中学の校舎を利用しているので、ノスタルジックな良き雰囲気です。

そしてここにあった資料で、これまでいくらググっても分からなかったいくつかの事柄がスッキリと解明できたのに少しコーフンしてしまいました。
その古道の名の由来は、むかし鳥取のある殿様が通っていたことがあるからで、今のその道を見れば信じられないくらいの山道ですが、そんな道は各地にそこそこ残っていますね。


さあ、それでは午後の部のスタートはその古道の一部でもあり、麓から放牧のために山に往復していた牛飼いの道でもあったというその道です。


入ってから数十メートルだけは穏やかでしたが・・

そこから先は難所の連続。

えでーさん、怖そうな顔をしてKちゃんにやらせているみたいですが、いえいえKちゃんが自ら進んでゴムボーイ(ノコギリ)を振るっているのです。


その先は急キャンバーからのつづら折りとなりデンジャラスだということで諦めました。
やはり3人ではもしも崖落でもやってしまった時にはリカバーできないという危険性が拭えません。


でもこのままでは諦めきれずに、この道が確かに今でも繋がっているという確証を得るために反対側の出入り口からも探ってみました。

以前にもここは来たことがありますが、その時は紅葉も終わった晩秋だったので、このV字のルートも深い落ち葉に覆われていました。

その時も美しかったのですが、やはり新緑の美しさはまた格別です。


休憩をしている時、ふと上を見れば・・・
どれだけこの素晴らしさが分かってもらえるか僕には計りかねますが、この場にいればいつまでもずっとこうしていたい、そんな気分に包まれるのは誰にでもきっと当てはまるだろうと思います。


結局は、まず間違いなくこのルートであろうということは確認できました。
しかしここでもまた無理は侵さず、いつかまた体制を整えて再チャレンジをしようと決めました。



草原界を抜けて麓に下ります。


ここはもう何も苦労せずに、のんびりと雰囲気を楽しめる道。

気持ちも身体もリセットして・・


最後のリサーチ⓷で待っていたのは、次々に現れる倒木でした。
しかも硬くて切るのにはひと苦労もふた苦労もするシロモノだらけ。

ここは9号線沿いの千原から坂本林道に繋がっているであろう道で、数年前から狙っているのですが、本格的に探索したのは今回が初めてです。


幅員は今日の中では広い部類で、路面もさほど荒れてはいませんが、何せ倒木が次から次へと現れてきてタイムアップ。
ルートの半分近くは開拓したと思いますが、これまた次回持ち越しとなりました。


ということで、今回は完抜けゼロという結末でしたが、大いにやりきった感があり気分は爽快でした!
本当によく歩いたのでトレック&ライドと言っても良いくらいです。
それも昨冬からKちゃんの協力もあり、山歩きを多く取り入れてきたおかげだと言えるでしょう。
本当はライディングテクニックも上げて、難所もスイスイ乗れるようになれれば良いのですが、そちらの方がよほど練習不足かな?


トランポに戻り、着替えと積み込みが終わると誰からともなく『来週どうする?』『どこ行く?』という話になりました。
気心の知れた仲間というのは本当にイイもんです♫