苦楽園オフロード雑記帳

兵庫・京都・鳥取・岡山の自然と林道をSHERCO TY125、 TRRS XTRACKで楽しんでいます。乗れない時などはスノーシュー、クロカンスキー、たまに料理ネタも入ります。

Happy go Lucky!

但馬を歩く・秘境オッパセ浜と古道小城越 4/28

GWに突入しましたね。
まあ僕はそれほど恩恵を受けないのであまり関係はないのですが、ほんの3日前にも訪れた兵庫県北部の香美町香住にやって来ました。
香住から東の海岸線には三田浜〜鎧漁港〜余部と並んでいるのですが、その三田浜と鎧漁港の間にはショート林道がありよく走っています。
ところがその林道にはしばしば普通車が入って来て、途中の支線分岐のところに駐車されているのです。
そしてその支線途中で時々カメラを持った人と出会うことがあり、一体何を撮りにどこへ行っているのかすごく不思議でした。
それがひょんなことから理由が分かったのですが、その支線の先に国指定天然記念物『鎧の袖』という岬があって、それが人気の撮影スポットだということ。
さらにその手前には人跡未踏?絶海の?・・ではないですが、手漕ぎカヤックくらいでしか上陸できない美しい浜が広がっているようなのです!
それを知ったのは1ヶ月ほど前のことですが、もう行きたくて居ても立ってもいられないくらい・・



というわけで、よく晴れた日曜日にいざ実行に移します。
三田浜から歩いても行ける距離ですが、浜に車を停めて片道2.5kmほどの林道はバイクで走ります。
怠け者の言い訳ではありませんが、林道って走るのは面白いですが、歩くのって退屈なんですよね。
いつもならば身を守るオフロードブーツがお約束ですが、このバイクに乗るのにお気に入りのKEENターギー・トレッキングシューズを履いたのは初めてでした。




やはり今日も3台ほど車が停められているのを横目で見ながら、林道終点まで到着します。
前回来た時に確認しましたが、バイクの前の土が盛り上がった向こう側に、崖を下る踏み跡があります。



傾斜はかなり急ですが、思っていたほど距離はなく、あっという間に海岸が近づいてきました。
この数年、近所の六甲山系マイナー登山道を歩いていたので、それに比べればら〜くらくです。
(ただし山歩きに慣れていない方は真似しないでください、トレッキングシューズは絶対に必要です)



到着!バイクを離れてからほんの15分くらいでした。
波に削られた丸い石に覆われた素晴らしいゴロタ浜です♪



先日に比べるとまるで波が無い鏡のようなベタ凪なので、水の透明度が際立ちます。



こちらが東方向で、この岬の向こう側が三田浜。
そこにはシーカヤックのクラブがあるので、岬を回って来るツアーもあるそうです。



こちらが西側端にある景勝地『鎧の袖』。
高さ約70メートル、幅200メートル、傾斜角70度の切り立った崖で、崖のほとんど全部が柱状節理の著しく発達した流紋岩からできており、火成岩の構造としてはとても珍しいものだそうです。
柱状節理と板状節理が交わり、鎧の縅(おどし)のようにみえるために鎧の袖の名が生まれたとのこと。



美しい浜ですが、どうしても漁具やプラスティックゴミの漂着物は目に付きます。
これも韓国から流れて来たのでしょうか。



浜を歩いていると上の方から音がするなと思っていたら、大きな岩が落ちて来ました!
危ねー!鹿か何か動物が落としたのか?それともハイカーさんか?



水の中に生き物はいないかと見ていたのですが、見つけたのはこのフグくらい。
そりゃこれだけ凪だったら、大型魚に小さい生き物は見つけられやすくなってきて危険なので出てこないでしょう。
フグはそういった天敵がいないから呑気なもんです。



崖の間から水音がするなと思っていたらミニ滝がありました。
ごく稀に海に直接注ぐ滝もあるそうですが、これほど波打ち際に近い滝も珍しいのでは。



歩いて鎧の袖まで行ってみたいと思っていたのですが、手前からそそり立った岩壁が続き、ロープが架かっているものの、それは頼りないほど細く、しかも垂直にかけられています。
せめて横(並行に)ロープ架けてよと思いながら、ボルダリングをやったこともないので、ここはリスクを避けて諦めます。




でも長さ1kmほどの、この絶景の浜を独占できて満足でした🎵




沖では漁師さんが小舟で何かの漁をしていました。
長い竿を使って海底を探っていたので、サザエかアワビかな?



冬の山陰日本海は暗い日が多く波も高いですが、春から秋にかけては本当に穏やかなのです。



浜のすぐ近くには大好きなタニウツギが満開でした。



さて、それではお隣の鎧漁港に移動します。
その理由は・・・



この2週間ほど飾られている鯉のぼりです。
最近、各地でこういったことが行われていますが、少子化のために各家庭で飾らなくなったからなのでしょうね。
こういうの、何か呼び方ってあるのでしょうか?
「鯉のぼりの連団?」



これが今日のベストショット♪(バイクを入れた)



普段はひっそりとしている小さな漁港も、今日は多くの人が訪れていました。
おかげで細い道では車のすれ違いができずに往生しています。
やっぱりバイクで来て良かったな。





香住に早めに戻り、先日は残念ながら臨時休業だった店に滑り込みました。
特別に頼んで、炙り海鮮丼のネタで刺身定食を作ってもらいましたが、白イカやノドグロの炙りも3切れ(普通の刺身は1切れ)入ってお値段1850円!
バイ貝や鯵の南蛮漬け、それに小鉢が2つも付いてですから超リーズナブル。
それにしてもこの日の他のお客さんは、みんなオンロード系のライダーばかりでした。
そろそろこの店も知られてきてしまったのかなー。



食後はいつもの浜で豆を挽いてコーヒータイム。
車で来ると、これができるのが最高🎵



午後はそこから神鍋渓谷に移動しました。
理由はこれまでに3回チャレンジしながらも失敗に終わった古道・小城越の再リサーチです。
以前は小城側から半分以上進みながらも、その先の状態がとても不安だったため、最強のメンバーで臨みながらも途中で引き返しました。
またその後も麓側の稲葉(いなんば)集落から登る試みるも、これまた傾斜が強すぎて失敗。
それでもどうしても諦め切れない(シツコイ!)僕は、リサーチを重ね、最後に徒歩で登る手段を選びました。


車を停めて歩いていると、反対方向からWRに乗ったオフローダー4人組が!
その前にX(ツイッター)で見ていたのですが、お友達のMondoさんグループとバッタリ遭遇です。
会えたら良いなと思っていたらその通りになりました。



公園となっている神鍋渓谷の堰き止められてできた池で何やら波紋があり、よく見れば蛇がのんびり泳いでいます。
じっと見ていたら、途中で止まってポカ〜んと浮いていました。
気持ちイイんかい?



再調査した古道としてのルートは二の滝がある東家の横から入ります。



すると確かにそれらしき道があります。



進んで行くとまた別な堰があり、同じくらいの池があります。



こちらには大きな紅白の錦鯉が泳いでいます。
付かず離れず仲良く寄り添っていましたが、誰かが持ち込んだものでしょう。
きっと環境が良いのでここまで育ったのでしょうね。



ここにはだいぶ前に来たことがあったのですが、その先で沢が道を分断していて諦めましたが、今見るとなんとか越えられそうです。(僕の感覚がマヒしてきたのか?)



地理院地図やGoogle mapで見ても、この辺りはまだ実線で描かれているくらいで、車でもすれ違いができるほどの幅員で渓流に沿って伸びています。



その渓流は上流に進むにつれて美しさを増していきます。



ミニ滝も次々と現れてきます🎵



平べったい岩の渓床も多くあり



滝、そしてまた滝



もうこの頃になってくると、このルートをバイクで征服するなど、どうでも良くなってきました。




どっちにせよ、ここまで進んで来るのに何本もの倒木を処理しなければなりませんし、キャンバーも強く、深く積もった落ち葉の下はジュクジュクになっているところも多々あります。
それはトライアル車では最も苦手なコンディションですし、エンデューロタイヤで掘り返すのも避けなければなりません。



まだまだ滝は続き・・



巨木は凛としてその存在を誇っています。



青もみじは美しく・・



青かえでも負けじと輝きます。



山深い但馬の中でも一級品の森です!



何度も渡渉しなければならないのですが、滝はまだまだ続きます。



そして全行程の半分くらいのところで現れた滝で、道はさらに厳しくなりました。
矢印がそれですが、ここはトライアルのトニー・ボウか、ハードエンデューロのジャービスクラスでないと無理でしょう。
ここで満足しながら諦めがついて引き返しましたが、すぐ先に支尾根が見えていたので、以前一番奥まで進んで引き返した地点はもう目と鼻の先だっただろうと推測します。
ここに入山したのは昼過ぎだったので、またいつか朝から出直してこの自然を満喫するのも良いかもしれません。





兎にも角にも、美しい但馬の海と山と川に、この日は酔いしれました🎵



山藤がいたるところで咲き



赤もみじノムラモミジも、その美しさのピーク半年も前からすでに準備万端。



ついでにですが、この古道は先ほどの谷間ルートと、もうひとつ支尾根を伝うルートがあり、その麓側出入り口も確かめましたが、こちらはその入りっぱなから到底無理なことが判明して、99%?諦めがつきました。
そう分かると、以前に下りで強行突破しようとせずに引き返して本当に良かったと思います。
あのまま進んでいたら地獄を味わっていたかもしれません。


(レーサー組の皆さんへ業務連絡:ここはNTT専用道入口の左から入る作業道の入り口、さらに左から沢を渉るルートで、よく見るとハイカーさんが残した目印があります)




しかし本当に楽しかったなあ🎵
そして自然の美しさに感動しまくりの一日となって、こんなコンディションの良い日に、バイクにほとんど乗らなかったことに一滴の後悔もありません。



僕の大好きはシャガの花も今が見頃となっていました。
さて、次の探索企画に向けて新たなリサーチを始めましょう。



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