12月20日だというのに、但馬北部豊岡の天気予報は最高気温20度!
本来であれば周辺のスキー場開きの日だったのですが、いずれも延期となりました。
最後にもう一度バイクに乗るのもアリだなとは思いましたが、来シーズンに向けて仲間の皆んなと楽しむべく準備、リサーチのために城崎温泉の東、津居山周辺に徒歩でリサーチをしてきました。
スタートは小さな漁港、田結(たい)地区からです。
その奥には湿地帯が広がり、沢沿いの道を三原集落方向に南東に進んでいきます。
少し歩くと植林帯に入りました。
雨がポツポツ降ってきて、少し蒸し暑い4月頃のようです。
木製の橋を渡りさらに奥へと進むと、予想よりもはるかに良い雰囲気で期待感が膨らんできます。
路面は少し荒れてきましたが、これくらいの方が秘境感があってむしろ良いくらい。
谷間の奥にはいくつかの耕作放棄地があり、また頃合いの良いアトラクションも。
道は左側に伸びています。
倒木、倒竹が多くなりますが、これも右から何とかクリアできそう。
その先で前方から『バキッ!』と音がしました。
以前同じような音を神鍋の山中でも聞いたことがあり、その時は熊の気配を感じただけで姿は見えませんでした。
しかしその後いろいろ調べていると、それはやはり熊が相手を威嚇する時にわざと枝を踏んだりして鳴らすということを知りました。
これまで鹿なら何百頭と出会っていますが聞いたことはありません。(猪も然り)
目を凝らすと50mほど先の斜面に親子の熊が2頭動いていて、母熊はこちらを見つめ、小熊は少しオロオロしているようです。
何とか画像に収めましたが、これは小熊で、母熊はかなりデカかったです。
しかしこの10年で5回目の遭遇ってどうなんでしょう?
僕らが熊たちの領域に入っているので、それはある意味当然かもしれません。
ただこれまではバイクで走っている時だったので、見つけた時には向こうから逃げてくれていましたが、今回は歩きなので流石に背筋が少し寒くなりました。
写真なんか撮っているヒマがあれば、さっさと逃げろよ!って思うかもしれませんが、正直言うと個人的には熊のコロコロして短足な身体つきと、ちょっとユーモラスな動きが大好きなんです。
危害さえ加えられなければ、パンダにも劣らない魅力があると思うんですけどね。
場所はこの赤い線の先端です。
刺激をしないようにその場を離脱して、来た道を引き返しましたが、何度も後ろを振り返り、追ってこないかと警戒しました。
専門家の方曰く、熊の走るスピードは時速40kmにもなるそうで、その気になれば50mくらいあっという間に追いついてこられてしまうそうです。
ただ今回はこの田結の海岸でも夏に目撃情報があり、その専門家の方からもこのエリアはもともと多いと聞いていたので、かなり慎重に注意しながら歩いていたのが幸いしたのかもしれません。
ちなみに念の為に警察に通報しておきましたが、翌日のネットニュースに出ていました。
仕方なくプランを変更して、以前も仲間たちと来たことのある古道へと向かいます。
途中の道標には『右みなと、左山みち』とあります。
比較的新しいものかと思いますが、良いですよねこんな表示って、胸キュンです。
今年はどこも柿が大豊作でした。
植物が実(種、花粉なども)をたくさん付けるのは生存の危機を感じ取り、その自己防衛本能だというケースがあるそうですが、このところの夏の猛暑が影響したのでしょうか?
しばらくすると短いながらも険しい峠道になってきます。
前回はヘルプを受けながら何とかクリアできましたが、そもそも歩いてもかなりしんどいところです。
この峠は小さな二つの漁村を結ぶ道で、おそらく生活道だったのでしょうが、もしかすると但馬の沿岸沿いを因幡や丹後と繋げる重要な道であり、巡礼の道だったのかもしれません。
この辺りはそうした道がいくつか残されています。
難所を過ぎると空が近づいてきました。
峠のてっぺんに到着しました。
古道の峠の頂点は、たいていこうしたUの字状となっていて、それを堀切りと呼んで良いのか不明ですが、いつもなぜか萌えてしまうんですよね。
それは古道廃道マニアにとって共通の想いかもしれません。
その先には久美浜湾がチラッと見えます。
このまま降っていくと蒲井という美しい砂浜がある小さな漁村に出ます。
今年の4月に撮影
しかし今回はここから南北にある尾根筋を調べます。
最近少しずつ読図ができるようになり、これくらいだったらバイクでも走れそうだということが経験上からもだいぶ分かるようになってきました。
今の地点は田結峠で、③の矢印で南に向かってみることにします。
もしそのまま行くことができれば、①のルートや青い矢印のルートと繋ぐことができることになり、このエリアの可能性はグンと広がります。
特にピンクの矢印ルートは、所々に日本海を眺められる絶景ポイントが多くありそうです。
北側にも尾根が同じように続いていますが(④の矢印)、それはまた後で行くことに。
最初の探索ルートとの位置関係はこんな具合です。
所々に倒木はありますが、下草などは無いので歩きやすい尾根です。
左の方角には久美浜湾が時々見えます。
ここも期待感が増してきたのですが・・
この尾根は緩やかにアップダウンを繰り返して行くのですが、ずっと1本の獣道が続いていて、何かの足跡が傾斜の強い所にいくつも残されています。
しかしよく観察してもスリップさせているのでそれが何なのか特定できません。
幅(10〜15cm)から判断すればやはり・・?
悩んでいるうちにその先で大きな糞の塊を見つけて、これは間違いなく熊のものだろうと思い、そこで撤退したのですが、後から専門家の方のアドバイスではそれはタヌキではないかとのことでした。
でも先ほどの遭遇地点からもそう遠くはないので、やはり危険だったことに変わりはないかなと思っています。
あらためてもう一度地図を載せます。
田結峠に戻り④の矢印から緑の矢印のルートで蒲井に向かい、旭からピンクの矢印でぐるっと引き返すルートの確認です。
こちらの尾根も先ほどにも増してとても良い感じです。
その先には日本海も見えてきました。
いくつもの沼田場がありました。
(ぬた場とは、イノシシやシカなどの動物が、体表に付いているダニなどの寄生虫や汚れを落とすために泥を浴びるぬた打ち、を行う場所のこと)〜wikiより
あるいは『ヤチ』なんて言い方もありますね。
森を歩くと奇妙な姿の木々によく出逢います。
その先、蒲井に向かうはずのルートは読図ではわからないほどの急傾斜で、歩いてならば行けますが、バイクでは無理そうなので引き返します。
エラそうに言いましたが、やっぱりまだまだ読図のレベルも、ルートファインディングも素人ってことですかね。
その先の旭からの道もやはり同じような傾斜度なので諦めます。
しかし僕にはバイクでは無理そうでも、ダークサイドのヒトタチならば可能かもしれません。
機会があれば僕なしでも行ってみてください、このエリアは神鍋や氷ノ山周辺よりずっと雪が少ないのでシーズンは長いです。
もしどなたか行ったならば、その時はどうだったか教えてね。
もうひとつ、田結峠よりも東にある点線の谷筋(④の左)は何とか行けそうでした。
古道の途中にブルーのテープを付けてきたので見つけてください。
本当は最後に⑤の堂山を越えて田結に向かいたかったのですが、時間が押してきたので②のルートで田結に戻ります。
そこから海岸線に残っているイカリ林道で少し遊んできました。
この林道はもともと灯台手前までのピストンですが、とあるハイカーさんは④の先から海岸に降りて、海岸に沿って灯台を過ぎ林道終点と結んだと記録を残していました。
それがバイクでもできたらさぞや素晴らしいのですが・・
今日は穏やかな日本海が広がっています。
林道はさらに荒れてきて、歩くのも大変になってきます。
岬の先まで行きたかったのですが、昼食を食べたいあの店の営業時間終了が迫ってきました。
蟹の漁で賑わう津居山港を眺めながら、田結に停めた車に引き返します。
2時過ぎに『おけしょう鮮魚の海中苑』に到着しましたが、あたり一帯はものすごい人出で、店もひと組待ちでしたが5分もかからず入店。
今日のおすすめ単品の中から『アオリイカの刺身』を注文。
白イカも大好物ですが、アオリイカの味もやはり遜色ありません。
今年はこの店にとてもお世話になりましたが、私的ランキングを付けると、1位メバルの煮付け、2位あんこうの唐揚げ、3位このアオリイカの刺身になります。
店員さんにも顔を覚えてもらって嬉しくなりましたが、この店は味や値段だけでなく接客サービスも素晴らしいので大好きです。
(ちなみにどれも定食ご飯味噌汁付きで注文して千円台です)
一階の鮮魚店ではこんな珍しい魚を売っていました。
体長は60cmほどでした。
100mほど付近の海底に住むナマズのような、あるいはオオサンショウウオのような外観ですが、その味は非常に美味しいそうです。
しかしまれに蟹の底引網にかかる程度だそうで、その数は希少で、地元でしかほとんど流通していません。
頼めば2階のお店で食べさせてくれますが、その場合は料理賃が加算され、鮮魚はこの値段の2倍となるそうで・・
僕もまだ食べたことはなく、一度食べてみたいと思っていますが、流石にひとりではね。
横から撮った画像、ぼうずコンニャク市場魚介類図鑑から拝借
この季節はもうカニ!かに!蟹!と活気に溢れています。
今シーズン初セリの最高額は、柴山ゴールド一杯315万8千円でした!
脚だけで計算すれば1本30万オーバーですって、ハハハ。
(柴山とは城崎の少し東にある漁港名で、香住や間人(たいざ)などと並び、日本一とも言われるブランド蟹です)
今年最後の城崎の海鮮料理にとても満たされましたが、まだ帰るには少し早いのでもうひとつ気になっているところを車で訪れました。
狙いの通り、入り口には画像右上に道(?)が伸びていました。
地図では青の矢印で南側から峠を越えてみたいのですが、この日は出口側の矢印の先のポイントから様子を探りました。
ここは山中にかつて集落があったそうですが、集団離村して今はそれにつながる廃道が残っていて①とも繋げられるらしいのです。
その古道は久美浜湾に繋がっていたようですが、今は新しくできた道に分断され、その脇には立派な石碑がありました。
こうした離村のケースは但馬には多いのですが、たとえどんなに苦労があっても望郷の想いは強いのでしょうね。
青い矢印の方から①に向かう様子の画像で、明らかに『道』があります。
かつてはどんな人たちが、何のために、どんな思いをしながらここを通っていたのでしょうか?
そんなことを肌で感じ取り、想像を膨らませるのが愉しみになってきたお年頃です。
それでは読者の皆さん、今年も拙ブログをお読みいただきありがとうございました。
まさに波瀾万丈の一年で、本当に悲しい出来事もありました。
それでも但馬の自然や文化、歴史、人々の素晴らしさ、オフロードバイクの愉しさをお伝えできたならば幸いです。
どうぞ良き新年をお迎えください。