ようやく太平洋で育った高気圧からの熱風に代わって、大陸育ちの高気圧から吹いてくるカラッとした空気に変わりましたね。
身体は楽になるけれど、夏大好きな僕にとっては少し寂しい季節でもあります。
さて本題に入る前にひとつ。
以前にもこのブログで書いたことがありますが、兵庫県中部から北部にかけての林道・管理道はそのほとんど全ては『公道』です。
基本的に林業優先ですが、工事や伐採中以外、ルールさえ守れば誰でも通行することができます。
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それにもかかわらず今でもSNS上などで発信をする際に『◯谷林道』などと伏字を使う人がチラホラと。
このおかしな習慣は、以前のオフロードブームの際にルールを守らない新参ライダーが急増して、それまで走れた場所が走れなくなったために古株達が不文律として決めたものです。(オメーら、林道名を出すなよ!と)
しかし僕はそんな利己主義、排他主義、閉鎖的な習慣は大嫌いで、このブログでも使いません。
今でも使っている方はそれが常識であり、一人前のオフローダーかのように思っているのかもしれませんが果たしてどうでしょうか?
関西でいえば北摂や洛北などであるならばまだ分からなくはないのですが、但馬は他のエリアよりも林道がはるかにオープンになっていて、それが僕の但馬を愛する大きな理由でもあります。
(それらの所有権の所在は分かりませんが、少なくとも但馬に於いて林道と正式に名の付くものは全て行政の管理下にあるものと理解しています)
僕自身のオフローダーとしてのキャリアは決して長くはないですが、これからこの世界に興味を持って入ってくる人達に、できるだけ情報をオープンにし、林道を走る時のルールや心構えを、少しでも伝えていけたらと常に思っています。
ただ正直を言えば聖人君子のように楽しませてもらっているだけではなく、時には自己判断もありますが、そこは自己責任との表裏一体です。
まあ、またこんなことを書くとまた嫌われてしまうかもしれませんが、それはどうぞご自由にブロックでもなんでもしてください。
反論があればコメント欄からどうぞ、議論を交わすのは歓迎です。
さて本題に入ります。
今回は出合という地区にトランポを停めて一旦轟集落から相地轟林道(舗装)を東に走ります。
その間、南側に並行している天谷加保坂林道との間にある新設の作業道をチェックしたかったからです。
しかしこちら側から入れる入れるルートはいくつかありながらも、特に有効なものはありませんでした。
ミズバショウ公園を過ぎてから天谷加保坂林道に入り、東から西に向かって走ります。
この数年、伐採作業が活発に行われていて入れない時期もありましたが、今はすっかりと終わり落ち着きを取り戻しました。
その伐採に使われた新設作業道をまだ走っていなかったので入ってみると、これが思っていたよりも幅員も広く落ち着いた道です。
それほどゴチャゴチャもしていなく、オープンな雰囲気がとても好感が持てます。
ただ期待を持ってあちこち進むと、その多くの支線はプッツリと終わるか倒木、崩落で終わっています。
地形的にも穏やかで、迷ったとしても南北どちらか短い距離で脱出できて気軽です。
結局、1本のルートがループで走れましたが、もしかすればまだ他にもあるのかも。
本線に戻って西に進みます。
林道周囲の木も広範囲に伐採されたので、以前よりも見晴らしが良くなっているのは好ましいことです。
谷間に見えるのは大屋地区。
かつては蚕(カイコ)飼育が盛んで、それ以外で炭などいろんな物資の交流の場としても栄えていたそうです。
天谷加保坂林道はその90%が爽やかフラットでビッグオフでも楽しいですが、一部だけこれくらい荒れている区間があります。
終点は先ほどの相地轟林道と合流して、そのまま西進すると四つ辻があり、正面が梅ケ久保林道です。
フラットダートの峠を登ると作業小屋がある三つ辻があります。
今回は左の奥にある森に進みます。
丁寧な表示の標識は割れてしまって草に隠れています。
森に突き当たると僕の好きな側は左の奥です。
ここは左右で植生が変わり、こちらはコナラが多いのかな?
最奥は深い谷ですから、行き過ぎると戻れなくなりますよ。
来た道を戻りますが、森を右手に進み時計回りでこの道に戻ることもできます。
ただこの時期、初めてでは見極めることはほぼ不可能でしょう。
先ほどの三つ辻を杉ケ沢高原方向に進みますが、僕はこのトイレの前からまた森に入ります。
以前は無かった倒木が入り口を塞いでいて、とても分かりにくくなっています。
そのまま進むとススキ野原に出て、また標識があります。
ここもおそらく慣れた人でないと分からない、微かな踏み跡を頼りに進みますが、ススキの穂は背丈くらいあります。
まあここは踏み跡を外してもトラップは無いので安心ですが。
先週行ったハチ高原と比べると、ススキの見頃はまだまだでした。
ここから眺める氷ノ山も好きなのですが、山頂は雲に隠れて今日はイマイチ。
杉ケ沢高原から轟安井林道に抜ける道は、おそらく僕以外誰も分からないでしょう。
もし探り当てたら表彰状ものです。
地表に視線を落とすと栗やキノコが至る所に落ちていて、ここでも秋の訪れを感じさせます。
野生のキノコに関しては全く知識が無いので手は出しません。
我が家の庭にも、時々ナンジャコリャ的な奴が現れるんですけどね。
その先の誰も知らないはずの正解ルートにあった倒木が、どなたかの手によって動かされていました。
表彰状を作っておきますので名乗り出てください。
轟安井林道に合流して西進します。
前回の台風で一ヶ所だけあったアトラクションのすぐ近くまでユンボが来ていたので、それも近日中に綺麗に修復されるのでしょう。
こうした動きはいつもとても早いので、行政には感謝ですね。
標高が上がるにつれて、先ほど眺めていた雲に突入するので辺りが暗くなり、なんとなくテンションも下がり気味。
気温も下がって、ウインドブレーカーでも欲しくなる程。
この林道西の終点は瀞川氷ノ山林道とぶつかります。
右に進めばハチ高原、左に進めば国道29号線に出ます。
この日は左に進み、最初に現れる支線「横行林道」を下ります。
途中にあるミニ滝はいつも美しい♪
ここは耕作放棄地なのでしょう。
猫じゃらしではなく、チカラシバにすっかり覆われてしまっています。
横行の支線「岸谷林道」はピストンですが大好きな雰囲気。
養父市の林道はたいてい入り口に立派な標柱があって期待してしまうのですが、その多くがピストンです。
走りを楽しみのメインにされている人には分からないかもしれませんが、景色や雰囲気を楽しむことを優先にしている僕にとって、ここは外せない道になりました。
まだまだ緑の葉が美しいですが・・
足元を見れば栃の実がいっぱい!
見上げればまだ枝に残った実もありました。
今も昔も大切な食料なのは、地元の人間や動物達にとっても同様で、場所によっては採取禁止の看板が出ているエリアもあります。
その奥に進むと大きな倒木がありますが、よく見れば左側ギリギリ通れます。
しかしシダで路面は覆われて、その下に尖った石がゴロゴロあるのでこれ以上ソロでは進む気になれず。
一応終点は自分の目で確かめたいのですが・・。
大屋地区を経由してPeaks cafeへと。
今回は地元産、Peaks cafe自家製のハラペーニョのピクルスをトッピングで注文すると、これが最高に爽やかな辛さでとてもマッチしています!
やっぱり但馬に来たら香住の海鮮と、この関宮のバーガーのどちらかを食べたい🎵
あ、それと蕎麦も旨いですよ。
そのためならば、たとえ日頃の食費をセーブしても良いのです。
昼頃はすっかり曇ってしまっていたのが、徐々に青空が広がってきました。
小代地区に進んで稲荷尾林道に入ります。
南の入り口に重機があって、砂利の山が築かれていたので入れなくなったのか?と思いましたが大丈夫でした。
南側区間はそれほど変化がなかったですが、北側のスキー場近くはヘビーウエットで流木もありビギナークラスの方にはちょっと手強いかもしれません。
小代スキー場の展望東屋はオフローダーに人気のスポットですが、この2、3年はすっかりとオフシーズンはキャンプ場として人気上昇中で、ゲレンデの至る所でテントが張られています。
今はまだバイク乗り入れ禁止には至っていませんが、あちらはお金を払ってキャンプをしているので、団体で騒がしくするのは控えたほうが良いでしょう。
これだけは言っておきます!
この場所を『但馬のチロル』と名付けたのはこの私です!!
だからと言って命名権などありませんケド。
さて、この日の最後となったのは崩落があって通れなくなっているとの情報をキャッチした仏ノ尾林道の調査です。
問題の場所を写真では見ていましたが、どうしてもこの目で確かめたかったのです。
ここは但馬林道の中でも僕自身にとっては3本の指に入るお気に入りの林道です。
距離も確か12km弱ほどあって、これからの紅葉の風景はとても美しいのです。
スキー場側から入って、ほぼ中間にある石碑まではほとんど何事もありませんでしたが・・
それを数100m過ぎたところに現れたのがこの現場・・・
長さ30mほどにわたって路面が完全に崩壊しています。
2本の沢が集まっているので、おそらく鉄砲水が出て全てを押し流してしまったのでしょう。
一見、右の山側からギリギリいける(青の矢印)のでは?と思われる、アタマをちょっと2ストの排ガスで冒されている人もあるかもしれませんが、その間には2本の沢筋(赤のV)があって通れません!
谷側からクリアするのも、トライアルIAクラスでないと無理でしょう。
しいて言えば山側の木を広範囲に伐採してキャンバーを通り抜けられるかどうか?
この青いホースは水を逃すためのもので、行政はすでに把握していると思います。
ただ修復工事が早く始まったとしても、ここは半年近く雪に覆われる豪雪地帯なので、工事が完了するのはかなりの期間が必要かと思います。
もう少し西側だったら、支線で迂回できたのに・・
ただこの先の西側出口まで、ここ以外にも被害が出ているかもしれませんが・・。
いろんな思い出が詰まったこの林道ですが、またいつか思い切り楽しめる日が訪れることを願って止みません。