苦楽園オフロード雑記帳

兵庫・京都・鳥取・岡山の自然と林道をSHERCO TY125、 TRRS XTRACKで楽しんでいます。乗れない時などはスノーシュー、クロカンスキー、たまに料理ネタも入ります。

Happy go Lucky!

我がオフローダー人生4度目のクマと遭遇 6/29


梅雨晴れとなった土曜日、いつもの兵庫県北部の神鍋高原に着くと、後からオフローダー仲間のT橋さんとK川さんにばったり遭遇!
この日は次回のグループツーリングの下見をしておこうと思っていたので、連絡は取っていませんでしたが絶対に会うだろうとの確信はありました。
こんな貴重な晴れ間を逃すのはあまりにも惜しいですよね。



しばし話し込んでから別々にスタートして、その道の駅から程近い三原水口林道を走っていると、ブラインドコーナーを回った先で、クマさんがこちらの音に驚き背中を向けて逃げていく姿が見えました。
スピードを落としゆっくり進むとその姿は消えていたので、谷に降りたか斜面を登って行ったのでしょう。
1度目は中辻肥前畑線、2度目は鳥取の山志谷、3度目は新温泉町の春木に続いて遭遇したのは4度目です。
僕はGoproなどの動画撮影はしていないので画像は無しですが、小熊ではなく成獣でした。
このところ全国ニュースでも良く取り上げられたり、2人の知人が氷ノ山周辺でも遭遇しているので、なんだか今日もばったりと遭いそうな予感がありました。
この辺りに生息する熊は北海道のヒグマとは違うので、凶暴性は多少低いと思いますし、バイクで走っている時は、ほとんどクマが怯えて逃げるので被害はまずありません。
(走っている側面から体当たりされ転倒し、鎖骨を折ったという例はありますが・・)
それでもやはり単独の時はそれなりの対策と装備(スプレーなど)は用意せねばなりませんね。
もしも睨み合いになった場合、慌てずにゆっくりと後退り(これはスズメバチも同じ)するのが良いと聞きますが、果たしてその場において冷静になれる人はどれほど?




三原集落に抜けてから、廃校に抜けるルートではなく、以前から気になっていた川南谷(かなんだに)集落に入ってみました。
ここは入り口付近に牛舎があり、侵入禁止のような立て札がありますが、その奥には数軒の小さな集落があります。
兵庫県の中でも、現在これほど山奥の不便な場所に現存する集落は稀に見るほどですし、それが今回行ってみて分かったのことですが、そこには廃屋や耕作放棄地が無く、とても美しくに保たれていることに驚きました。




農道はキラキラとした野芝に覆われ・・



奥の小さな滝から用水路が引かれていて、清らかな水が流れています。
こんな環境でできる米は、さぞや美味しいことでしょうね。


ここに訪れてみようと思ったのは、廃校に抜けるルートと、もしかしてリンクしていないかというリサーチだったのですが、それは予想とは異なり無理なことでした。
それでもこんな風景を見ることができて本当に良かった🎵




さて、それではこの日のメインテーマである新規探索ルートですが、昼食はどうしても香住で食べたかった(それにこの辺りはコンビニやスーパーが皆無)ので、行きつ戻りつとなってしまい、説明がややこしいので上記地図を添付します。
まずは①の坊岡地区から本見塚に抜けるルート調査です。



このルートは反対側の本見塚側から調べたことがありましたが、その時はルートがまるで分からずに放置していました。
しかしこちら側から入ってみると・・




なかなか素晴らしい雰囲気のダートがありました♪



緑のトンネルもホントに素敵です!



が、しかしそれは2kmほどで終了。
あ〜あ、と思っていましたが、ジオグラフィカ(地図アプリ)を見ると破線からズレていることに気がつきました。
おかしいなと思いながら少し引き返してみると、道端に小さな『火の用心』の立て看板があり、その脇に踏み跡を発見しました。



もしやと思いそこに入ってみると、広めのシングルトラックが奥へと続いており、ジオグラフィカで再確認するとやはりこれがオンルートでした!



ただそれもボヤッとしていると道が消えてしまいます。
(この脇の木の皮が剥がれているのは鹿のせいでしょうね、ね?)



再び現れた立て看板のあった地点に戻り目を凝らすと、ちゃんと別方向に踏み跡が続いていました。
実はこれ、送電線保守のための巡回路のようで、この立て看板にも番号が振られているので、これを辿っていけば目的の本見塚に抜けられそうです。



しかも、この雰囲気は最近の僕が最も好むような道です🎵



バイクを降りてしばらく歩いてみましたが途中で戻ります。
本番当日まで答えはわざと保留しておきますが、とても楽しみな素材が見つかった気がします。



続けて反対側のリサーチなどもやっておきたかったのですが、先にも述べたようにこの辺りは店が全くありません。
昼食はこのところあまり行けていなかった香住の店で、どうしても海鮮が食べたかったので、178号線を西に進みます。
その途中には土生川沿いに美しい水田があったので、思わず道を逸れてパシャリ!
貴重な晴れ間と、青々しい水田は初夏を感じて、子供の頃の夏休みを想起させます。



このルートを走れば、絶対に外すことのできないこのポイントでもパシャリ!



悩んだ末に選んだ店は、WではなくHでした。
旬の白イカとノドグロの炙りは、脳ミソからつま先まで全身が幸福感に満たされる味です。



食後の一服は三田浜が最近の定番。



磯の潮溜まりには、稚魚の姿がチラホラ。
さてこの画像の中に何匹見えますか?



そろそろ日差しも強いので木陰でコーヒーブレイク。
海開きはまだなので、泳いでいる人の姿はありませんでした。



梅雨といえばやはりこの花。
ちょっと盛りは過ぎていましたが、海をバックになんて珍しいでしょ。



国道178号線で東に戻る前に、以前から気になっているJR花見トンネルの上にある花見峠を探ってみましたが、ここはどうしても解明できません。



佐古トンネル脇にある道にも入ってみましたが、これも鹿の楽園広場があるだけでした。



さあ、そして午後の本格スタートは本見塚(地図②)廃村から、先ほどの坊岡に続く道を調べてみます。



ここは以前に一度訪れていましたが、その時は解明できずそのままでした。



ジオグラフィカでチェックしながら進むと・・



前回はここで撤退した崩落がまだ残っていて、今回その先には歩いて進みました。
わずかに補修の手が加えられていて、無理をすれば幅20cm長さ3mくらいでこのセクションは越えることはできます。
ハイカーさんのブログでは、右側の支尾根に登ってクリアしたとありましたが、バイクではちょっと無理っぽい。



そこから100mも進まないところからとても分かりにくい分岐がありましたが、ここにも色褪せた『火の用心』の立て看板があって何とか気がつきました。
赤の矢印こそが、坊岡方面から続いている道でしょう。
そして黄色の矢印は、その先のカヤノという集落に向かう道だと思います。



まずは坊岡に続く道。
坊岡側から入ってみた道そのものの様子です。
途中のピークも標高は350mくらいなので、まず間違いなく完抜けができそうです🎵




もうひとつの分岐の先、地図③のカヤノに向かう道は幅は広いのですが、雑草が多めでやや不明瞭。



もしもカヤノに抜けられなかったら、坊岡に戻るか、この崩落をクリアして本見塚に抜けることになるワケですが、さて・・・。



一旦ここはまた撤退して、地図④の土生川沿のダートに進み、林道若山線の出口を探します。



地図ではこのように途中から破線となっているのですが・・




どう調べてみても、この川の中を下って来るとしか考えられません、道らしき道は無いのです。




おそらくいくつかの倒木や川の落差を越えることができれば、なんとか高低差のあるダートへ(バイクのある場所まで)の脱出することはできそうですが、そんなテクニックありませんよワタシ。



モヤモヤしながら、また先ほどのルートの反対側にある3軒の廃屋(たぶん)が残るカヤノに行くと、カーブの途中からやや幅が広めの作業道がありました。



出だしは良い雰囲気なのですが・・



すぐにガレガレ、しかも・・



こーんな橋が現れました。
大型免許試験での一本橋通過は得意でしたが、これは嫌だなあ。
でもここでもジオグラフィカをチェックしてみると、やはりルートから逸れています。




おかしいなあと思いつつ、コンクリートブロックで仕切られている、家と家の間の狭い道に入ってみると、その奥にテニスコートほどのシダに覆われた広場があり・・



再度確認するとこちらが正解のようでした!



さらにその奥には道が!!道だよね!?



間違いありません、ハイカーさんが残していったピンクリボンもあります。



こんな橋の残骸も残っていましたが、これは先ほどの反対岸の道に繋がる方向なので影響なし。
問題はハイカーさんのブログ記事に書かれている橋桁のみが残った沢越えのセクションが、この先に3つあるということ。
さあどうなるでしょう、当日はどんなドラマが待っているのでしょうか?



そして本番当日のメインとして考えていたのが、その奥に平家落人の旧跡が複数残る林道若山線⑤。
『平家落人の旧跡』なんて言葉があるとシビレませんか?
但馬にはそんな場所が多く残り、少し鳥取側に入ったところの峠には、その15軒が全て『平家』の苗字を名乗る集落もあります。



ここも以前に一度来たことがありましたが、その時は倒木の嵐に遭遇し、夕方時間切れとなり諦めていました。
昨年から一緒に走るようになったレーサー組の皆さんとならば、当時とは違い踏破力に格段の差ができたので、再チャレンジしてみたくなったのです。



ただ問題は昨年にこの地域を直撃した台風の爪痕です。
地元自治体の公開資料を調べてみると、やはりこの林道にも復旧予算が付いていたので、すでに工事が始まっていて入れるのかどうか不安がありました。



しかし入り口には何ら工事を示す看板も無く、入ってみるとすぐのところで小さな区間の補修跡があり、なんだその程度だったのかとルンルン気分だったのです。



自分の進む道と谷を挟んだ対岸に大きな崩落が現れてきました。
あ〜あこりゃ酷い、でもこちらには関係ないよねー、と思っていたのですが・・



なんと!その先で道は180度ヘアピンになっていて、進むべき道がその崩落に飲みこまれているではありませんかかかかかぁ〜!!!


ただこのブログを書く前にFacebookに画像を上げていたのですが、お仲間からは『う〜ん何とかイケるんじゃない?』というご意見が・・
ま、そこまで仰るのならば現地で見てもらってから判断してもらいましょうか。
もしもダメでも先ほどのルートや、みんなの知らない隠し球もあるので、それで楽しんでもらえるでしょう。



同じような場所を行ったり来たりしたので、トランポ置き場に戻るのも、最初にクマに遭遇した三原水口林道を、懲りもせずにまた使います。




本線は幅員も広くフラットで走りやすいのですが、この道はこれといった決め手の撮影ポイントはありません。
なのでこちらは支線に入り、少し進んだところでパシャリ!



5時頃にトランポに戻ると、T橋さんとK川さんはまだ戻っていませんでした。
あとで聞くと6時半頃まで、この近くで開拓に勤しんでいたそうです。
お疲れ様でした、それもまた楽しみですね♪



翌日の日曜日は雨。
しかも台風チックな強風の中でしたが、東京ドーム2個分?のT橋邸の広大な庭にいつものオフローダーが集結してピッツァパーティー。



メンバーのひとりであるダマさんが僕と同じピッツァ釜を持っていて、使い方&作り方のアドバイスが欲しいとのことだったので一緒に作ってみると、メキメキと腕を上げて、上質で焼くのが難しいタイプのピッツァも見事に仕上げて好評でした。
たまにはのんびりとしたこんな週末を過ごすのも良いですね🎵
普段は全身泥まみれの汗だくになっているヒトタチの、珍しく穏やかな様子です。



林道真空地帯・クライマックス編 6/15


今シーズン、あらためてその良さを見直し、走れて楽しめる場所を探し求め続けている兵庫北東の但東と、京都北西部京丹後エリア。
先週は歩いて下見をした区間を、今回はグループで走ってきました。
下見で得られた情報をベースに、今シーズン前半の最大の楽しみとなって、この日が来るのが待ち遠しくて仕方がありませんでした。


今回は以前から接点はあったものの、なかなかご一緒できることが無かったダマさん。
さらにT橋さんと海外ラリーで知り合ったK村さんが、わざわざ山口県から5時間をかけて参加してくれました。
ありがたいことに僕の企画のツーリングに、この道の大ベテランや普段はレースやラリー主体に走っておられる方が興味を持ってくださり、その内容に喜んでもらえると、僕自身やってきたことに間違いは無かったのかなあ、なーんてちょっと嬉しくなります。


もうすぐ梅雨に入ろうかという貴重な晴れの日。
前日は周辺の地域で35度にも達したとのことでしたが、思っていたよりは過ごしやすい朝になり、総勢9人で、さあスタートです!



まずは前回とは反対側の唐川地区から、あの日本地図を最初に作った伊能忠敬も歩いたという、但馬と京丹後を結ぶ古道・円城寺峠の踏破を試みます。(伊能図と呼ばれる原図にこの峠の名も記載されています)


かつては人の往き来だけでなく、生活物資や特産品も運ばれていたと想像できる古道ですが、沢沿いの道の宿命で、誰も通らなくなると台風などによる風水害で荒れ放題となってしまい、ここも例外ではありません。



平坦区間は車も走れるくらいの幅員で穏やかに進めますが・・



その道幅は次第に狭くなってきます。



3箇所ほどの倒木を処理してひと休み。
先頭のK川さん、S川さん、T橋さんトリオは、今日もサクサクと素早い作業をこなしルートを切り開いてくれるのでとても助かります。



さらに話には聞いていたものの、遠方から参加のK村さんの突破力はハンパではありません。



マシンのパワー➕マンパワー➕テクニックでガンガン進む!



しかし残念ながら結果としては、あともう少しというところで道が消滅し、峠の頂上には到達することができませんでした。



赤い矢印がバイクで進んだ到達地点で、GPSでは峠まで直線距離で残り200mくらいのところでした。
しかし100m進むのに1時間くらいかかるような場所でもあり、リスクも考えて撤退です。



その戻ろうとした時にアクシデント発生です!
先頭からUターンしてきたS川さんが崖落ち寸前となる転倒の際に、置いてあったダマさんのヘルメットを後輪でヒットしてしまい、谷に転げ落ちて沢にチャッポン!
幸いそのままどんぶらこっこと流されずには済み、回収できてやれやれでした。



それにしても昔の人の健脚ぶりにはいつも感嘆させられるような険しい道です。



どうしてこんなルートを選んだのかと不思議に思うことがしばしばありますが、最短距離を優先するということだったとしか考えられないほどです。




でもそんな往時の様子を思い描きながら、現代の馬で走る楽しさは、味わったことのない人には酔狂としか映らないでしょうね。




林道真空地帯は飲食店真空地帯でもあって、店があれば地元の人も集中します。
今回もまた昼飯難民になりそうでしたが、とある蕎麦屋に滑り込みセーフ。
近くには出石そばで有名な出石町もあって、そこまで行けば皿そばの店が立ち並んでいますが、この店は定食に必ず付いているイワシの甘露煮が美味でした。



午後からの1本目はガラッと変わって、メジャー林道のひとつ床尾林道です。
林道真空地帯と言っても、この林道だけは古くから存在して、知る人も多いでしょう。
梅雨前の乾きで俗に言うカチパンのコンディションで、最後尾を走っていると土煙で堪らず(そもそも遅いし)、途中で止まってパシャリ。



何も説明はしていなかったですが、その先の景色の良い広場で他のみんなは待っていてくれました。



さらにその先のダート終点である峠の頂上では、鳥取のトライアルライダーTORUさんと待ち合わせ。
この画像も、この後の縦撮りの画像もTORUさん撮影です。



先週のブログでは隠していましたが、この床尾林道にある石碑が正解でした。



今回も何かとトラブルやハプニングは付きもので、この林道の途中からダマさんのバイクにパンク発生。



パンク修理には各自それぞれの流派があるようで、外野からなんやかんやとツッコミが入ります。
パッチを貼り終わり、最終チェックでパンクの神様の囁きを聞くのがGEKIさんの流儀だそうです。



修理も無事に終わり、午後の2本目は床尾林道舗装区間を糸井の大カツラまで降り、その反対側にある作業道に入ります。
目的はその最深部から尾根に登り、その尾根筋を鉄鈷山に向かって縦走することが午後の最大のテーマでした。



ここは数年前に走ったことがありますが、全長5kmほどのループです。
その時には無かった倒木や崩落ができていて、ここはその倒木が数本重なり厄介なアトラクションとなっています。
乗ったままでは越えるのは無理と判断して、数人がかりでクリアします。



しかしホント、みなさん献身的にヘルプしてくれるおかげで、最年長の僕は写真班として楽をさせてもらっています。
もうこのメンバー無しでの探索アタックツーリングなど考えられません。



とあるハイカーさんのブログによれば、この作業道最深部のこの場所から、斜面を登って尾根に出られたとのことでしたが、斜度は許容範囲でも、路面状況は悪く、しかも伐採した木がたくさん放置してありバイクでは登れません。
K村さんだけは行けそうだという判断でしたが、それでも全員が行けなければ意味がないという大人の意見でここも残念ながら諦めました。
K村さん、外見はやんちゃっぽい(失礼!)ところもありながらも、中身はイイヒトだー。




と言うわけで来た道を引き返すのですが・・




その先にはどうしても避けられないあのセクションを、今度は登らなければなりません。



みんなは人力で越えましたが、TORUさんは流石にトライアル IBの技を発揮して見事にクリア!(画像なしで本当にゴメンナサイ)
K村さんもそれに続き、やはり自力で越えましたが、そこで転倒して5点。
それでも僕なんぞ、チャレンジしてみようかなどという気にはならないような難易度なので、越えるだけでも拍手喝采です。




さて、その後は一旦先ほどの石碑がある場所に戻り、いわゆる極楽尾根道を走って鉄鈷山に向かいます。




東側の伐採地と天然林の間の細尾根ルートで登頂開始🎵




路面状況は程良く、見た目ほどは難しくはありませんでした。



ここはなんとか僕も含めて全員が登頂成功!
この辺りはかつて鉱山として栄え、近くには鋳物師という集落もあります。
この山の頂上には、その上で剣を叩いて鍛えたという平たい巨岩もあって、この山の由来『かなとこ』となったそうです。




気を付けなければならないのは鹿避けネットが破けて散乱しているので、それを踏むとタイヤで巻き上げてしまい絡みつきます。
そういう僕もTORUさんもそのトラップにハマりました。



今回は路面コンディションが良くラッキーでしたが、これがもしウエットだったら難しくなっていたでしょう。
この日これまでアンラッキーもありましたが、これで帳消しとしよう。



さあ、登ったら降らなければならないのはこれまた自然の摂理。
先ほどの床尾林道と、この前発見した林道(このブログでは勝手に天谷峠林道とします)は南北に並行に伸びており、その林道に繋ぐにはふたつのルートがあることが下見で解りました。
ここはそのひとつでM野さん、K川さん、T橋さんが谷間を降って行きます。
こんなビビるような状況の中で、T橋さんの楽しそうな笑い声が響き渡るって、どんな脳内なんでしょうか?



僕も含めた残りのメンバーは、もうひとつのルートで降ります。
そのなかで懸念していた区間はさらに斜度が強いのですが、距離が短いのでバイクを降りてなんとかなりました。



僕がこちらを選んだ理由には、この景色をカメラで撮るのもそのひとつ。



林道との接続も無事?に成功して・・



徒歩では行けなかったその林道を奥まで走ってみましたが、やはりここは悪い予想が当たり行き止まりでした。
鉄鈷山の麓を過ぎた地点でスパッと終わっています。



集合場所で車を停めてある場所は、この林道出入口のすぐそば。
景色も良く走って楽しい天谷峠林道は、ピストンであっても価値の高いものでした。


冒頭にも書きましたが、普通ならばこんな体力的にもハードな趣味を持ち、そんな世界での気の合う仲間は減ってくるのが当たり前の年頃のワタシですが、このオフロードバイクとブログを始めてからは、紆余曲折を経ていながらも、ここに来て本当に仲間に恵まれていることを実感しています。
正直なところあと何年できるか、いやもしかすればあと何回こんなことができるか分かりませんが、ひとつ確実に言えることは『オフロードバイクは本当に楽しい🎵』っていうことです。
さーて少しひと息ついたら、次はどんなプランで行こうかな。


林道真空地帯・絶景の尾根ルート編 6/8

このところ通い続けている但東、京丹後エリア。
その道中にある峠道の脇に林道の入り口があり、久々に僕の林道レーダーが激しく反応しました。
車を停めて中を確認するとなかなか良い雰囲気。
家に帰ってからGoogleマップの衛星画像で見てみると、その先にある山の麓に向かって伸びています。
そこでその山の名前からハイカーさんなどのブログをチェックしていくと、やはりそれは間違いなくあり、またなかなか良さそうで、しかもバイクでも走れそうなルートかもしれないということが分かってきました。
そこで今回は、まず歩いてリサーチをしてみることに。
このところほとんど歩いていなかったので、体力の維持にもちょうど良いでしょう。



ここは林道入り口にスペースがあるので、直で車を停めて歩き始めます。



入り口は木が覆い茂っていましたが、すぐに開けた場所に出ます。



道は沢沿いに緩やかに登っています。
かなり長い間、車はもちろんバイクの走った痕跡は見当たりません。



さらに進むと広い谷筋が3方向に分かれている場所に出ました。
ここは左の沢沿いの道を進みます。


伐採を行なってからも、相当長い時間が経っているのでしょう。
下草が伸びて殺伐さはなく、とても美しい谷間です。



ここまでは完全フラットと言えるコンディションでしたが、小さな沢から流れ出した水と土石流によって100mほど荒れた区間があります。



それを過ぎるとまた穏やかなフラット。



左、右と巻きながら高度を上げていきます。



一部、路肩が崩れている箇所もありますが、大した問題ではありません。



木々の間から、東には大江山が見えています。





振り返ってみた風景です。




小さな崩落と倒木がありますが、これも無問題。




この谷を下ることができれば、先ほどの谷の合流地点に出られるのでしょう。
画像では分かりにくいですが、傾斜はかなりあります。



三つ目のヘアピンを過ぎると・・



右側に露出した二つの岩があるところから稜線に出るルートがあります。




稜線は林道と並行して伸びていますが、雰囲気はもちろんこちらの方が段違いに美しい🎵



下草が無いのでとても走りやすい状態です。



このあたりから、兵庫県豊岡市と京都府福知山市の境界を示す白杭が現れてきます。



これは地籍調査の杭で、同じラインに打たれているので、森の中を進んでも迷う心配がありません。



倒木も最小限で、こんなに至れり尽くせりでいいの?



小ピークに出たあたりから、鹿避けネットが植林と天然林を仕切っています。



林道は少し高低差を置きながら、まだ並行しています。



結論から言うと、この日の中で唯一倒木処理をしなければならないだろうなと思ったのはコレだけ。



あとはこんなパラダイスのような稜線が続いているのですよ🎵



しかも所々では開けた場所からこんな風景も楽しめます。



県道を挟んだ向かいの斜面には気になる道も見えていますが、これは単なる伐採地の跡でしょう。
しかし、この近くには僕の大好きな廃スキー場ゲレンデもあるということが、これも事後調査で分かりました。



何度か小さな高みを過ぎていくと・・



その先には目的地のひとつである山頂が見えてきます。



ここからは郷路岳や鍋塚が見えます。




さてここまでは出来過ぎなくらい順調でしたが、ここにきてルートが茂みによって途切れてしまいました。
正面は登り激坂、左右に回ってみてもキャンバーが強く、バイクではかなり難しそう。



とりあえず地図に従って正面を強行突破し、木につかまりながら激坂を登ると、白杭がまたあり、ルート的には間違いがないことが分かりました。
しかしここはバイクでは助走をつけることが不可能です、さてどうしよう?



さらに少し進むと平坦な場所に出て、ここで兵庫県朝来市を加えた三つの市の境界ポイントに出ます。
この画像では右手に向かっていけば、先ほどの山の頂上に登るルートですが、ここは逆方向に進みます。



つまり尾根も三方向に伸びている訳で、こちらも歩きやすい(走りやすい)ホレボレするようなルートが続いています。



小さな高みには名前もあり、360度ではありませんが遠くの風景も広がっています。



この日は北寄りの風がとても強く、森の中にも風が抜け、汗もすぐに乾いてくれます。
あまりの快適さにちょっと油断したか・・



尾根ルートはここから緩やかに降っていきます。



今日も三脚プラスセルフシャッターです。
Apple Watchだとカメラのファインダー&シャッター代わりになるので、とても便利で手放せません。



分岐からは1kmほどですが、さらに傾斜を増しながら降っていくと、目的の場所が見えてきました。



イェ〜イ、抜けられたぞー!
これくらいの難易度ならば余程のウエットでない限り、コンディションに関係なくバイクでも走り抜けられるでしょう。



そしてここは但東では唯一かと思われていた、あの林道と合流します。



自分で立てた仮説が証明できた時の喜びは、本人しか分からないことでしょう。
人によってはどうでも良いことでも、ムチャクチャ嬉しいモンなんです🎵



ルートとしてはここからまた別の選択肢、可能性もあったのですが、ここはひとまずきた道を戻り、先ほどの山頂を目指します。



西の方角には来日岳や法択山が見えています。



遠目から感じていたよりかは緩やか?に、斜面を登っていくと・・



山頂に出ました。
もったいぶるようですが、その名はグループで訪れるまではヒ・ミ・ツ



山頂からその先、南に向けても尾根ルートが続いています。
机上のリサーチによれば、先ほどの林道入り口のところから南下する(尾根道と並行して)と作業道があり、その奥からこの先とで合流できる可能性も浮かび上がってきたのです。



しかしこのあたりから脚に疲労と違和感が・・・
久しぶりの山歩きと、涼しかったのであまり水分補給をしなかったツケが回ってきたようです。



尾根ルートはアップダウンを繰り返しながらも順調に続いていますが、帰りの体力を考えると、作業道との合流地点は確認できないまま引き返すことにします。



山は白い花の季節。
これはエゴノキでしょうかね。



何度も独りで叫んでしまうほど、ここは本当に素晴らしいルートです!



激坂を降り(バイクで大丈夫かな?)最初の林道に出て、まだ歩いていなかった奥への区間へ進んでみます。



この辺りは落石も、崩落も、そして倒木も全く無い爽やかな道です。



野芝に覆われた美しい180°ヘアピン!



そのアウト側にあるスペースでしばし行き倒れ・・
今日はワクワク感がずっと続いていて、休憩をほとんど取らなかったのですっかりとバテてきました。



それでも、行けども行けどもこの林道は終わりが見えてきません。
このまま、その先の麓の集落に抜けることができれば大収穫ですが、それはちょっと無理かなあ・・?



ふと先ほどの山頂方向を見上げると、なんとかバイクでも登り降りができそうなポイントがありました。
ここを使うことができれば、あの激坂をエスケープできて可能性が広がってきます。



林道はさらに奥に・・



もう限界、行き止まりか完抜けかを確認したかったですが、それはバイクで来た時のお楽しみに残しておきましょう。



本番ではどの順番、どの方向で走るのが一番楽しいか、この林道を考えながら歩いて車まで戻りました。
但馬のメジャー林道のひとつと、全く知られざる林道。
さらに極上の尾根ルートと山頂アタックの組み合わせ。
そんな贅沢なプランが実現実行できるのは、さて、いつになるのか?
乞うご期待です!!!






林道真空地帯を探る続編・まだまだ続く 6/1

今シーズン、開拓に力を入れている兵庫県豊岡市と、京都府京丹後市の県境エリア。
なかなか手強いですが、あまりあっさりと終わるよりも、それくらいの方がオモシロイ♪
前回はトラブル多発で、時間的に全てを調べるのが難しくなってしまったので、また仲間たちに集まってもらいました。
しかし直前にスケジュールなどの変更もあり、いつもの国産レーサー&トレール組は欠席で、その代わりにベテランM野さんとU田さんが初参加。
つまり僕以外はみんな輸入EDレーサーということで、ただでさえみんなに遅れをとる鈍足な僕がツアーリーダーで大丈夫なのか?
ちょっと不安を抱きつつのスタートとなりました。



前回は朝からどんよりと曇っていて、あの海沿い林道に行くにはちょっとふさわしくはなかったのですが、この日は晴れ間も多く、その先にある海鮮料理の店にも早めに到着したかったので、デポ地から近い尉ケ畑林道を1本流してからはのんびりと舗装路で移動。



30分ほどかけて海沿い林道に到着。
さあ、ここはショートですが、素晴らしい風景をのんびりと楽しんでもらいましょう。



やっぱり青空と太陽が無ければ、この場所の良さは引き立たないでしょうね。



岡山には虫明林道という、小さな半島に伸びるダートがありますが、それに比べると海水の透明度は格段に良く、リアス式海岸の雰囲気も最高です。



普段は走り出したら止まらないヒトタチも・・



ここに来たらまるで別人のよう。
それだけ魅力ある、そして貴重なダートです🎵



そこから少し東に移動すると、また別のグッドポイントがあります。
その場所は三津漁港と間人(たいざ)漁港の間にあるので、好きな人は探してみてください。



ここは本当に磯の波打ち際まで降りていくことができます。



いつも先頭を走ることの多い、テクニシャンK川さんもこの日はのんびり。



いやー、ホントに素晴らしいロケーションです。
水平線に沈む夕陽もきっと綺麗でしょうね。



走ることが飯より好き?な皆さんを、こんなプランで案内しても良いのかと、ちょっと心配していましたが、『たまにはこんなのも良いですね🎵』と言ってもらえて安心しました。



そして柴山や香住の蟹と並んで、味では引けを取らないと言われている『幻の間人ガニ』で有名な間人漁港にある、地産食堂HISAMIに11時ぴったりに到着。
前回はランチ難民になりかけたり、味でハズレを引いたりして懲りたので、今回は地元の友人の勧めに従って、この店を前日から予約をしておきました。
見た目はやや地味目なお刺身盛り合わせですが、店名にちなんだ地元産オンリーのネタはとても美味でした🎵



さあ、午後からは切り替えていきましょう!
ここは下見の時に入り口が気になっていて、帰宅してから衛星画像で全体を確認すると、なかなか面白そうだとアタリを付けた伐採跡地。
ざっと計算すると150万平方メートルくらいありそうなので、よく比較される東京ドームでは30個以上ということになります。(計算合ってますかね?)



走ってみるとぐるりと外周を囲むメインの道と、それ以外にも内側に網の目のように道が無数にあって、謎解きをしながら走るのも楽しい♪
ここは想像していたよりも遥かに価値の高い、そしてやはり非常に珍しいダートでした。
植林した幼木を保護するための害獣避けのネットが、せっかくの景色を楽しむには邪魔なところが多いのですが、よく探せばこんなビューポイントがありました。




アップで見ると久美浜の小天橋とそれに続く約8kmのロングビーチがよく見えます。
ここは天橋立にも近く、とかく間違える人も多いのですが、内海の久美浜湾と外海を隔てる細長い陸地は、実際には一番狭いところでも幅が300m(長さ約1500m)ほどあり、旅館などが立ち並んでいます。



その広大なループのダートを走ってひと汗かいたので、これまた地元で人気の高い、牧場直営の『ミルク工房そら』でひと休み。



いかにもフレッシュさが感じられるソフトクリームは、さっぱりとしていながらもミルクの香りが濃厚で、これまでに食べた中でも指折りです。
本当はもう少しうず高く盛ってあったのですが、我慢できずにうっかりと一口食べた後の画像で失礼しました。
ちょっとお値段高めみたいだけど、自家製チーズを使ったピッツァも食べられるそうなので、いつかそれも味わってみたいな。


さあ、そしてこのグループ本来のスタイルに戻って、いよいよ本日のメインイベント。
ここは昔の但馬の国と丹後の国を繋ぐ古き峠道。
日本地図を最初に完成させた、僕の尊敬するあの伊能忠敬もここを通ったとの言い伝えがある『円城寺峠』の探索です。
つまりこの峠道は少なくとも200年以上前から存在し、当時は重要な役割を背負っていた街道の一区間だったと想像できます。


追記:このブログを書き終えてから、地理院地図から閲覧できる伊能図(伊能忠敬作成の原図)を見ると、確かにこの峠が明記されていました。(当時は円城寺坂峠となっています)


拡大図

この但東や、北の丹後地方は、かつて西陣織を支える縮緬の産地だったので、もしかすると当時はこの峠を越えて京都まで運んでいたのかもしれません。




今回は不参加だったメンバーのひとりであるkoma2さんが命名した『三鋸士』のK川さん、S川さん、T橋さんの倒木や崩落などの、障害物撤去のスキルの高さと迅速性はますます磨きがかかり、あっという間に道を切り開いてくれます。



ほどほどの難易度で確実に前へと進んで行きましたが、思いがけない分岐に出合うと、なんとそこは先日に訪れた別の入り口から山頂に伸びている道ではないですか!
つまり逆Yの字状に道が繋がってしまったことになります。
地図であらためて確認すると、本来進むべき道の分岐をどこかで見落としたことに気づきました。




一旦元に戻ってその分岐を探す前に、初参加のおふたりはまだあの山頂を見たことが無かったので、先に訪れてみることに。
すると・・・・



なんと、ベテランM野さんが崖落ち!!
頂上手前で登頂の喜びを味わってもらおうと、先頭を譲ったことが裏目に出てしまったようです。
実際の原因は、倒木処理してあった太い枝の先端が葉に隠れて見えずに、体に当たってバランスを崩されたようです。



うわ〜、これはちょっと苦労するかなと思っていたサルベージですが、ここでも三鋸士の的確な判断と迅速な処理能力には驚かされるばかりで、あっという間に引き上げ完了!
落ちたM野さんに怪我は無く、バイクも全く問題無かったので、ご本人はとても恐縮されていましたが、僕にとってこれは美味しいブログネタとなりました。



そんなこともありながらも、すぐその先は絶景の山頂です。
山頂というのは案外と木立などで視界が限られている所も多いのですが、ここは海も見渡せる素晴らしい場所です。



こちらの方角の山々は、いつもの僕たちのフィールドですね。



さあ、そしていよいよ古道探索に戻りましたが、同じ道を何度も行ったり来たりしながらも、なぜか見当たりません。



数少ないハイカーさんのブログ記事を読んではいたのですが、この辺りのことはどこにも記述がありませんでした。



かつては地元の小学生が毎年レクリエーションとして登っていたということなので、もう少し明瞭かと思っていたのですが・・



結局、見つけ出した(と思われる)答えは、かつてここに丸太橋が架かっていて、その先へと繋がっていたのだろうということです。
その証拠に沢にはかなり古い石垣が残っており、橋の両側を支えていたと想像できます。
しかし橋が崩れている今、その向こうにバイクで渡るのはかなりの困難。
話し合った結果ここはまた次回、反対側の集落からのルート(途中まで調査済み)で解明を試みてみようということになりました。


またこれは帰ってから判ったことですが、それ以外にもこの近くにはお馴染みの床尾(とこのお)林道がありますが、それに絡めた新しい可能性が浮かび上がってきました。
まだまだ終わりが見えない、このエリアの楽しみは残っていますぞ🎵


5月の山陰ブルー 5/25


良い季節です!
このところ毎年梅雨前や秋の過ごしやすく快適な日が少なくなっていると言われていますが、今年は比較的この時期が長く続いているような気がします。
この日も前日は暑かったのですが、天気予報の最高気温は20度と、ちょっと信じられないくらいでした。



そこでこれもまた以前から気になっていたいくつかのルートを、ソロでじっくり探ってみたいと思います。
まずはここ、林道宮神山田線の途中から分岐している道です。



進んでいくと1kmもしないところで、沢筋から大きな土石流と倒木あり。
一見すると越えるのは困難のようですが、よく見ればどなたかが倒木処理もされていて意外と簡単そう。



しかしその先が嫌だなあ・・
このタイプは過去に痛い目に遭っているだけにトラウマです。




ただそのさらに先には綺麗な道が伸びていて、尾根を越えて稜線の向こう側へと続いているようです。
ということは、この道はどこかに繋がっているのか?
ソロで無理をしてまでこのガレを越えることはやめて、後で探索グループの皆さんに聞いてみると、やはりここは完抜け可能と知っていたそうな。
しかも昨年のコマ図ラリーでこの道を使ったとかって、悪やな〜。


宮神山田線は先日のテナシウォンのグループツーリングでもお伝えしましたが、昨年の台風直撃で、それまでのフラットから一部区間は大荒れ状態です。
いつもあまり気を留めてはいなかった支線に入ってみますが、これが結構イイ感じ🎵



入り口の様子からは想像を良い意味で裏切り、幅員も広く良好な路面のダートがずっと続いています。



まあこの先はどう考えても抜けられるような地形ではないので、完抜けの期待はしていませんでしたが、これだけの雰囲気を感じられたら文句を言うことはありません。



よくピストン行き止まりの林道なんて・・と言う人もいますが、僕は前々から書いているようにその状態や雰囲気が良ければ大歓迎です。




そんなことを思いながら走っていると・・



目の前に雌鹿が現れましたがほとんど逃げずに草を食べています。
どうもコンディションが優れない感じですが、どうすることもできないので元気になることを祈るばかり。



途中から本谷奥線で少し戻るように走ってから、その先で山田集落を抜けて県道に出てから・・



香住でいつものように昼食を摂るつもりですが、まだ時間が少し早いので川遊び。
ここも昨年の台風でガラッと変わってしまっていたのですが、すっかりと元の自然に戻ってくれました。
上流では数カ所で行われていた補修工事もほぼ終わり、水の濁りも無くなりました。



やっぱりこの場所の風景は何度来ても良いなあ🎵



そして香住でのいつもの店のひとつ『W』で注文したのは『ドギと穴子の天丼』
(ちょっとピンボケでした)


「ドギ」は正式名を『ノロゲンゲ』と言いう深海魚の一種で、ドジョウにも似た姿体です。
ドギの名前の由来は「ド」は侮蔑を表し、「ギ」は魚を表す言葉、要するに粗末な魚、どうしようもない、価値のない魚という意味らしいです。
ドギは松葉がに漁(底引き網漁)の網にかかる魚で、以前は捨てられていたそうですが、
このドギにも日の目を見る時がやって来るのです。
魚体を覆うブヨブヨでトロトロの皮には、美肌効果が期待されるコラーゲンが豊富に含まれていることがわかり、主に女性をターゲットにした食材として脚光を浴び始めるようになって、「下魚」からまぼろしの魚、「幻魚(ゲンギョ)」→ゲンゲとオシャレに魅惑的な漢字で表記されるようになり、流通量が増えたそうです。
天ぷら以外でも、吸い物、鍋の具や柳川風にしても美味しいそうですよ。



そんなドギを味わっていると、次々にお客さんが入って来て、その中にはオフローダー仲間のMさんも!
ただ今日はオフではなく、オンロードのお仲間とツーリング。
みんな復活を待ち望んでいますが、オフ解禁となったらぜひまたご一緒に。



そして食後は三田浜の海岸で。
この日は北風が強く波もあったので、海の透明度がうまく写真で表現できませんが、山陰ブルーはやっぱり魅力的です。
(『山陰ブルー』はX(旧ツイッター)でフォローしている方からのパクリです)



さて、午後イチは今日のメインイベント。
鎧と余部の中間地点から香住に戻るように山間を繋ぐ舗装林道船越線というのがあります。
ちなみに香美町には公式にはこれだけの林道があります(作業道は含まず)が、皆さんはどれだけご存じでしょう?
その船越線の支線は地理院地図にも記載されていないのですが、実は以前から存在し、僕自身は数年前から何度か訪れていました。
行く度に延伸されていたり変化があったり、願わくばその先の久斗山山頂に繋がり、さらにその西側の集落の藤尾か境まで抜けてくれたらすごいことになるぞと思っていたのです。



ここは以前に走れた地点まででも5kmくらいあります。



ところどころ木々の間から香住港や三田浜が見えます。



路面はまずまずですが、今回は伐採作業が再開されていて(土日は休みだったようです)、重機の轍があり少し走りにくいくらい。



次第に高度を稼いでいくと、稜線近くになってきます。



そして切り通し区間を抜けると・・



南側斜面を横切るように走る区間となるのですが、この辺りは最近開通したばかりです。



しかし昨年の台風の影響はここにも。



反対側から見るとこんな感じで、片側は深い谷なので、ここでバイクを降りて歩いて可能な限り奥へ進んでみます。
昨年来た時は猛烈に暑くなったので熱中症の危険を感じて引き返しました。
この日の気温は20度くらいで、場所によっては寒いくらいだったのに、ここは南斜面のせいもあり、歩き始めるとすぐに汗がドッと吹き出します。



それに足元はトライアルブーツ、さらに10kgほどある重いバッグを背負って歩くのはかなりのシンドさ。
キャメルにドリンクを入れていたので、バッグを置いて歩くことができないのは反省すべきことでした。



ゆるいアップダウンを繰り返し、道は奥へと進みます。



一旦バラスが敷かれた区間が終わり、路肩の造り方もしっかりとしたものではなくなったのでこれで終わりかと思っていて・・



ちょと一息をつき、風景を見渡せば、北西には余部の集落が見えます。



南には扇ノ山などの山々が見え、素晴らしい眺めです。



しかし、その先で最も危険な区間となりました。
歩くのにもかなりの注意が必要で、もしバイクで来るのならば相当な土木工事が必要でしょう。



恐る恐る通過すると、なんとまたバラスが敷かれた綺麗な道となり、まだまだ先に降り基調で道は続いているではありませんか!
でもこの時点でかなり体力消耗して、これをまた帰りに登り返す気力が無くなり、ここで撤退。



GPSで確認する(星印のところ)とその位置はなんと目的の久斗山山頂まであと少しでした。
画像では手前で南に折れて、道はそこで終わっているのですが、果たして現時点でもそうなのでしょうか?



とりあえずバイクまで戻ってから、その場の稜線まで登ってパシャリ!



ピストンでも十分素晴らしく魅力ある道ですが、そりゃやっぱりこれが抜けられたらどんなに素晴らしいことでしょう。
大好きな香住港往復ルートに、新たに有力な選択肢となること必至です。
帰る方向の先に海が広がって見えるのも、これまた最高の雰囲気です。



さて、一旦その妄想から離れて、今日の2番目の課題である池ヶ平林道支線と交わる、その近くの安泰寺の裏から伸びているという古道を探してみます。
これもまた、とあるハイカーさんのブログから情報を得ています。




安泰寺から登って来ると、この辺りで作業道と合流するとあるのですが・・あった!



ということは、このルートで進んで来るということで、これはバイクでは無理っぽいな。



その先はしばらく作業道と並行して稜線を進むと。



途中に『紫竹林安泰寺』と彫られた石柱が井形に組まれてありました。
なぜ、こんなふうに置いてあるのでしょう?
この安泰寺は元々は京都洛北にあった座禅道場ですが、修行僧の増加や周辺の住宅地化などによって環境が変化したため、本来の自給自足を伴った修行を行うために移転されたそうです。
一時期、ドイツ人のネルケさんが住職を務めていた時期がありマスコミにも取り上げられ、その頃は外国人の修行者が多かったようですが、最近は少しひっそりとしています。



話を戻すと、ハイカーさんが残したテープはその先で稜線の斜面を登るように表しています。
ブログによればこの先で五輪山の山頂を越え、さらに久斗山に繋がっているそうです。


しかし、このルートのソロでの探索は今回ここまでにして、池ヶ平本線に戻り、峠のお地蔵さんを過ぎると・・



小原の遍照寺からの昔の峠道としてのルート、今の林道をお地蔵さんのところから本線を横切り、稜線を越えて安泰寺に降るルートの印のテープも見つかりました。
あ〜これはバイクでは到底無理な区間です。
以前には可能性が残っていたかもしれませんが、現状は斜面崩落で歩いて越えるのも大変そうです。



そんな訳で、このルート探索はこれにて終了。
本線を下っていくと新たにこんなバリアがありましたが、道の状況は以前と全く変わっていません。



さて、ひとつ前の船越支線から久斗山山頂をかすめるように伸びていたあの林道ですが、もしも工事が完了していれば、反対の出入り口はこの辺ではないかと仮定して、以前にも来たことがある、藤尾集落奥のダートを確認します。
ここもかなり良いダートが、そこそこ長い距離で存在しているのですが・・




残念、まだこの道は行き止まりです。
もうひとつの可能性がある境集落の奥はどうだったのか、今回は未調査です。



ラストの林道は名物グリーンカーペットの本谷線です。



距離もたっぷりとあり、雄大な眺めを楽しめるこの林道は、フラット好きには最適でしょう。



ただひとつ贅沢を言えば、バイクを停めて写真を撮りたくなる場所がなぜか少ないこと。



そこで、ここはちょっと裏技・・天空の林道に見えなくもない?



最後の最後は、トランポを停めた神鍋高原でパシャリ!



そして、またパシャリ!



帰りの長い蘇武岳トンネルでは寒さに震えたものの、本当に爽やかで気持ちの良い1日でした。



今の季節は白い花が多くなってきます。
これは何かなと思い、Google先生で調べてもらうと、ノイバラと出たけれど本当かな?


ちなみに道端や特に高速道路の脇や土手の斜面などでもよく見かける黄色い花。
これはオオキンケイギクといい緊急対策外来種に指定されていて、駆除が必要な植物だそうです。
ただ、あまりに繁殖力が強く在来種を駆逐してしまうのが理由であって、ジキタリスのように毒はなく、むしろ花や葉も料理して食べられるとのこと。
いやはや分からないものですねー。