苦楽園オフロード雑記帳

兵庫・京都・鳥取・岡山の自然と林道をSHERCO TY125、 TRRS XTRACKで楽しんでいます。乗れない時などはスノーシュー、クロカンスキー、たまに料理ネタも入ります。

Happy go Lucky!

もはや道ではない・・尾根縦走と荒れ果てた生活古道 5/9

苦楽園4号

僕は16歳からバイクはオンロードばかり乗ってきて、本格的にオフロードバイクを始めたのは今から10年ほど前。

その頃はグループで走るのはあまり好きではなく、フラットで危険が少なく、尚且つ絶景を求めて兵庫、岡山、鳥取の林道を手当たり次第走ってきました。

幸いにも先人が残してくれたネット上の情報が豊かだったので、メジャーからマイナーなものまでほぼ走破できたと自負しています。

持ち前の好奇心の旺盛さから、今度はバイクの世界では全く情報が無いような廃道や生活古道に興味が向き、さらには『道』ではない山岳ルートなどを地図上から予測して、バイク界隈以外からの情報を集めるようになりました。

そうなると、もうソロで行くことは危険となって、誰か良き仲間がいないかなと思っていた時に知り合ったのが今のグループです。

みな僕よりも若いながらもオフロードバイクやアウトドアの経験豊富で体力も抜群。

しかもそれぞれ人間的に魅力がある人ばかりなので、一緒に居てとても楽しいとくればもう言うことは無し。(ちょっと褒め過ぎたかなw)


とまあ前置きが長くなりましたが、そんな仲間たちと兵庫県但馬エリアのオフロードバイクシーズンの始まりです。



昨年末から3回にわたって徒歩で調査を重ねてきた城崎温泉エリアは、円山川を挟んでその東の、京都府久美浜との県府境になります。

構想を始めたのは2年ほど前で、これまでにもいくつか成果が上がっていますが、今回のルートはさらに自信あり。

集まったのは僕を含めて8人で、レギュラーメンバー数人がリハビリ中や仕事のためDNSだったのがちょっと残念。



久美浜側に15分ほど走ってから作業道に入り、少し登ると迎接寺跡のシイという樹齢300年、胸高幹周8.03メートル樹高14メートルの巨木が途中にあります。

こんな神秘的な巨木を見ると、日本古来の八百万の神の教えを感じてしまいます。



ここから古道もあるのですが、その先の『山内廃村跡』に進むのは崩落で阻まれているので、一旦作業道に戻って終点から斜面を駆け上がります。

すると現れるのが石垣と広場がある廃村跡です。


その背後から西に向かって斜面を登って行きます。

ここからは『道』は完全になくなり森の中を進むのですが、方向感覚と倒木などの障害物をクリアするスキルが試されます。



この一帯は杉や檜が無い広葉樹の自然林(天然林)。

標高は300m程度なので、大好きなブナやミズナラはありませんが、それでも新緑が眩いばかりに輝いていました。


その先から尾根に乗るとそれが兵庫と京都の境界線。

細い尾根ならば迷うことはありませんが、時々現れる鞍部(平地)になると進路を見極めるのが難しくなります。

僕自身は何度も歩いているのである程度分かってはいますが、本ルートに入ってから先頭を任すのはナビ能力抜群で、こんなルートが大好きなK川さんやS川さん。

その見極めと判断力、突破力は、たとえ一時的に迷っても必ずリカバリーしてくれる安心感があります。



ちょうどこの尾根ルートの真ん中付近にある1番の難所。

1人で来た前回にもだいぶできる部分は処理しておきましたが、さらにみんなの協力で開通できました。



その区間を過ぎたところに、大型犬のそれ以上にデカい動物の糞が残されていました。

近くには木の幹に爪痕もありましたし、昨年末に出逢った母子熊もこの近くだったので、まず間違いなく熊のものかと。

まあ今回のように大勢でバイクで走っていれば、東北のような遭遇事故はまず起こりません。



さらに尾根を北上して、日本海方向へと進みます。



先週、半年ぶりにバイクの慣らし運転で平地を走ったのみで、こんな山岳ルートを走るのは久しぶりで、さあどうなるかと心配していました。

でもここまでヘルプを受けたのは1回のみで、なんか調子がいいな〜と思っていたんですよ。



この区間は東に久美浜、西には日本海が木々の間から見えるのですが、枝葉が邪魔をしてなかなか映えポイントで写真を撮れません。



僕のバイクは公道走行可のトライアルバイクTRRS X TRACKですが、他のみんなはKTMかハスクバーナのエンデューロレーサー(もちろんナンバーあり)。

ハイスピード区間ではあっという間に見えなくなってしまいますが、こんな障害物の多い区間では、なんとかそれほど遅れずに追い着いていけるようになりました。



初参加となったバイクショップオーナーのA長さん、前々からご一緒したかったのですが今回やっと実現できました。

レースや国内外のラリー等で鍛えられたその走りは、さすがに安定感で溢れています。


尾根コースを無事に走り切り、ほっと安堵し峠を下って行こうとすると、昨年末には無かった大量の倒木で苦労させられました。

とにかくこの前の冬の雪質はとても重かったようで、県北部全体にわたって倒木が激増しています。


さらに舗装路に出ると、なんと僕のリアタイヤ(チューブレス)がぺちゃんこになっていることに気付きましたが、見なかったことにして10分ほど走り、城崎温泉街の中にあるいつもの店に到着。



一階の鮮魚店で今日の水揚げを確認するとカサゴが美味しそうで、これを煮付けで注文しました。(調理後の出てきたものは写真を撮り忘れ)



そしてもう一品は今が旬のホタルイカの酢味噌、どちらも絶品でした🎵

ホタルイカは店に一日中付きっきりで目玉とくちばしを取っている人がいるおかげで、嫌な食感が無くワタの滋味が溢れていました。


食後にあらためてリアタイヤをチェックするも、釘などの刺さったものは発見できなく、エアを入れても原因は分からず、明確な漏れもなかったのでそのまま午後の部へと突入。



午後は集落と集落を結ぶ生活古道です。

もう長い間使われていないので荒れていて、さらに倒木が増えて50m置きくらいにこんな具合で道を塞いでいます。



どうにもこうにも太過ぎてチェーンソーでも無い限り無理なところは、道に沿って流れる沢に入ってエスケープしますが、また道に復帰するのがこれまた大変。




なかにはこんな厄介な木もあり、最初に下見で見た時は諦めかけましたが、今回は全員にノコギリの持参をお願いして人海戦術で進みます。

僕はというと午後走り出してすぐに手足が攣り始めて、情けないことにほとんど人任せ

・・。

ホントーに申し訳なく思っていたのですが、みんな文句も言わず汗だくになりながら処理してくれました、あざーす!



その先にはこんな新緑の区間や・・



こんな神秘的な天空の池もあり楽しみにしていたのですが、なにせ午前の部も思っていたより時間がかかり、しかもこの午後の区間の手強さは並大抵ではなく、時刻は4時を過ぎてきました。



ここでこのルート全体の半分ほどなので、協議の結果今回はここまでとして次回へ持ち越しとなりました。



出発点である田結(たい)漁港に戻り、心地よい潮風に当たってクールダウン。

天気は終日晴れ渡り、カラッとした最高のコンディションでした。

梅雨に入る前になんとかもう一度集まって、この続きをやり遂げたいものです。

今回のメンバーの皆さん、そして今回は参加できなかった方々もぜひよろしく!


追記:洗車してリアタイヤを再チェックするとやはり穴が開いていました。

異物は残っていなく、傷跡からすると倒木などの尖った部分が刺さっていたようです。


城崎に残る生活古道を探る 4/18

苦楽園4号


そろそろバイクに乗りたい季節ですが、あいにくと愛機の入院が電装系トラブルで長引いていて、今回もまた城崎エリアを歩いて調査してきました。

その対象の二つのルートはすぐ隣り合わせで、どちらも途中までは昨年も行ったことがあります。

しかし、そのひとつは親子クマとの遭遇とで中断。

もうひとつはM野さんのバイクのバッテリー死と、イバラ地獄に遭遇して断念。

今回はまずは上記の地図の真ん中の赤矢印ルートを、三原地区に向けて歩き始めます。



この道は入り口を崩落した大きな岩で塞がれていますが、その先途中にはまださほど古くないガードレールもあって、かつては頻繁に使われていたのではと想像できます。




進んでいくとすぐに倒木に塞がれました。

これは昨年の夏には無かったし、その後台風も来ていないので、冬場の積雪のせいなのでしょう。



さらに進むともっと厄介な倒木に行く手を阻まれます。



前回、この近くを歩いた時はもう少し標高がある稜線だったのですが、どうやらむしろ麓に近い方が積雪による被害が大きいようです。

たぶん高い場所は毎年ある程度の積雪があって耐性みたいなものがあるけれど、麓の木々はそれが無いからなのではないでしょうか?



そして今は葉を落として枯れているように見えても、ジャケツイバラの棘は本当に凶器です!

足元に絡みつくと身動きが取れなくなり、もがけばもがくほど絡みつき、油断すれば帽子も奪われます。


コイツの棘はわずかに湾曲していて、なかなか離れることができません。

バイクに乗ってスピードが出ている時に首に引っ掛かると、それはもうとても悲惨な目に遭いますし、ジャージはボロボロになってしまいます。

場所は地図Ⓐの辺りです。


倒木とイバラでなかなか前に進めませんが、いつの間にか分岐を過ぎてしまい少し引き返します。

場所は地図Ⓑの辺りです。



地図と照らし合いながら、ようやく分岐とその先の破線道を見つけました。

登っていくと素晴らしい新緑の風景が!



きつい斜面を登り、後を振り返ってパシャリ。

少し整えたら僕でもなんとか登れそうかな?



傾斜が緩み、広くなった谷筋を軽く登っていくと・・・



なんと、こんなところに大きな池がありました!

湧き水が自然と堰き止められてできているようです。

地図Ⓒの場所です。



とても神秘的です🎵

ただバイクで来ていたら、どんなに素晴らしい写真が撮れていただろうと思うと残念です。

紅葉の季節もきっと素晴らしい風景が見られるのでしょう。



現実的な話をすれば、だいたいこんな場所の池というのは、底に落ち葉などの堆積物がたっぷりと溜まっていて、まず泳いでみたいとは思いません。

それに池の主に足を引っ張られて、浮かび上がれなくなりそうですしね。



池のほとりをぐるりと道が残っています。



反対側まで行き、斜面を登ります。



小さな峠のてっぺんのような場所に出ました。

左(南側)に進めば三原地区に繋がるはずですが、地図上の判断と、昨年U山さんが入り口までは調べているのでパスします。

たぶん南側からここまでは簡単に来られるでしょう。



こんなところに索道のワイヤーを操るウインチが残されています。

その先の堀切りらしきところから、Uターンするように気比神社方向へ向かいます。



この辺りは、はっきりとした古道が残っています。



しかしまた標高が低くなっていくと倒木が増えてきます。



もうやめてくれ〜!

いったいこの日は何本の倒木を跨いだことか。

バイクで走る時は、うまくエスケープできれば良いのですが、それもままならないケースがほとんどです。

地図Ⓓの辺りです。

ここはあーやって、こーやってと、バイクでの走行ラインを考えながら下っていくと、古い石積みの堰堤が現れましたが、なんとか左から巻けそうです。



それを最後のバリケードのようにして、耕作放棄地らしき場所に出ました。

昨年反対側から調べた時には、まるで取り付くシマも無さそうに思えたのですが、ようやく謎が解けました。

さっき、そのまま南進しなかったのは、この取り付きがどうなっているのか知りたかったからなのです。



用水路の脇を進むと気比川に合流します。



その分岐にはとても古いお地蔵様があるので、きっとこの道も昔は頻繁に使われていたのでしょう。

参詣などのためにあったメジャーな古道よりも、今はもう知る人もほとんどいないような生活古道、山岳古道を探るのが面白くてたまりません。



津居山湾に川が注ぐ手前には、こんな奇岩があり祠が祀られています。

『戎岩』と呼ばれているそうで、漁師さんたちからは安全祈願の対象として大切にされているそうです。

今は穏やかな湾の奥ですが、16世紀頃まではこの辺りは荒磯で、波に侵食されてこのようになって残ったとのことです。



スタート地点の田結地区に戻り、地図の青矢印の方向に向かいます。

小川に沿って続く野芝の道が心地良い🎵



今ではしばしば見かけるコウノトリの復活プロジェクトは、まさにこの地から始まったそうです。



湿地帯を復活させ、多様な生物に溢れたこのエリアは、他に類を見ないとても素晴らしい雰囲気です。

この日も2羽のコウノトリが何か餌を食べていましたが、スマホカメラを向けた途端に飛び去ってしまいました。



さて、ちょっと緊張しながら、その奥にある熊との遭遇ポイントに向けて歩いていきます。



するとこちらも入り口から酷い有様で・・



でも見上げれば青空が広がってきて、とてもいい感じなんです。



最初の耕作放棄地に出ました。

道はその左側にあるのですが、ここも倒木が酷く、湿地のようになった耕作地跡を突っ切っていきます。

獣の足跡はたくさんありますが、鹿や猪だけのようです。



植林帯の中に道が続いています。




前回この斜面に親子熊がいました。

その時は倒竹を踏む音が聞こえたので手前で気が付きましたが、それが無かったらどうなっていたことか。

地図Ⓔです。




さらに進むと大きな石垣が幾重にもある場所に出ました。

ここは耕作地だったのか?それとも住居もあったのだろうか?

山奥ではありますが、港から3kmくらいの場所なので、それほど生活の苦労はなかったかもしれません。

地図Ⓕです。



慎重にはっきりと続く道を進みます。



するとまたさらに大きな石垣が何段も残っている場所に出ました。

地図Ⓖです。



その先は美しい新緑が広がっていたのですが、その間のわずかな区間がどうしてもバイクでは抜けられそうになく諦めました。

しかし今から思えば、もう少し丹念に探れば可能性もあったのかもしれないのですが、なぜか気持ちがプツンと切れてしまったのです。

もしかすると山神様がこの辺で止めておけと告げられたのかも。

もう500〜600mほど進めば、先週歩いた稜線に合流できたのですけどね。

地図Ⓖの場所です。


田結の港に戻り、イクリ林道でワンショット。

イクリという名は漢字で書くと「幾里」のようですが、案内板によれば1925年(大正14年)の北但大震災の時に崩落して車では通れなくなったそうです。


ということは、それ以前から存在していたとても古い林道ということになりますね。

その先には灯台や耕作地、記念碑などいろいろあるので、一度また全線を歩いてみようと思っています。




さて、僕がこの頃城崎を頻繁に訪れているのは、もちろん半分はこのため。

本日のオススメはいつもにも増して目移りがして悩んでしまうほど。

でも・・・


やっぱりコレでしょ!

前回もこのブログで書きましたが、山陰の幻の食材のひとつ『モサエビ』があったのです。

モサエビは「猛者エビ」とも書きますが、また地方によっては「白エビ」とも呼ばれ、この店でもそう表記されています。

とても傷みやすいので地元でしか流通できなく、その地元ですら生で食べられることは難しいのです。

緑色の部分は卵で、ミソまでチューチューして味わいます。

僕は甲殻類や貝類は火を通した方が旨いという持論がありましたが、いやいやこれは本当に刺身が美味しく、上品な甘みとプリップリな食感が甘エビなどの比ではありません!


そしてもう一品は『アラの塩焼き』。

紛らわしいのですが、九州で「アラ」と呼ぶのはクエの部類のことで、このアラとは別種です。

むしろ貴重さで言えばこちらの方が勝り、成魚になれば体長も1mを超え、釣り人の間では憧れの存在、こちらは幻の巨魚です。

先に一階の鮮魚売り場で発見した時は驚きましたが、二階の料理店でもメニューに載っていて小躍りしたくなるほど。

これは40cmほどのアラにしては幼魚といえるサイズですが、味はクエよりもヒラスズキに近い深みのある味で、とても美味しかったです。

縦割りの半身でしたが、これが1000円で食べられるなんてシアワセ!

この店はタナカゲンゲだったりと珍しい種類が並び、魚を釣るのも、見るのも、食べるのも大好きな僕にとってはたまらない存在です。



GW前とあって城崎は人が少なく、食事もスムーズに取れて時間が余ったので、夜久野の『あいす工房らいらっく』に寄ってジェラートで仕上げました。

この日のチョイスは「森の木の実」と「ジャンドゥーヤ」です。


ルート開拓はやや不完全燃焼な一日でしたが、食の方はもう大満足🎵

さて、あとは今度こそバイクが退院して、仲間と一緒に新しいルートを走破するばかり。

天気さえ良ければ、そのレポートはGW明けとなるでしょう。

その前でもお好きな方はどうぞこのルートを走って、モーゼの十戒のように切り開いてください!

その時はコメント欄からお気軽に伝えてください。

新ルート開拓 そして廃村跡と巨樹  3/28

苦楽園4号

読者の皆さん、お久しぶりです。

この3ヶ月全くブログを書いていませんでしたが、バイクは完全休養、でも少なくとも週イチは近所の山をメインに歩いていました。

冬場の楽しみのスノーシューは、たっぷりの積雪がありながらもなかなかタイミングが合わず、とうとう1回のみで、しかもあまり天気も雪質も良くないという残念な結果でした。





メインステージの氷ノ山や蘇武岳周辺はGW明けにならないと雪が溶けませんが、城崎周辺はもうすでにスタンバイ状態。

そこで昨年末、熊との遭遇でやり残していた新ルートの開拓のため、再び歩いて検証してきました。

冬の間に熊の傾向と対策はいろいろと学び、その心構えをして、また防御のための武器を自作。

車に立てかけてあるのがそれです。



【このスピードに熊スプレー間に合う?】クマに本当に有効な武器・対策を完全解説



今回は城崎と久美浜の間の兵庫と京都県境にある東西の古道と、尾根を繋げる南北の獣道レベルのルート調査です。

前回少しだけ下見をしておいたのですが、その時は私有地からしか入る術が無く、ちょっとグレーだなあと思っていたのですが、別な場所にそれに繋がる作業道の入り口があり、そこからエントリーしました。

入り口には広場もあって、直接トランポを乗り付けられるのも好ポイント。

作業道は幅員も広く路面も荒れが少ない部類です。



支線もいくつかあって、いわゆる路網となっているようです。



気楽に遊べるアトラクションもあったり・・



何故かこんな石畳もありました。



ただそのまま行きたい方角に抜けられることはなく、こんな赤ペグが現れればその先で終了はお約束事。



で、やっぱり行き止まり。



GPSで確認しつつ、細くなった支線や斜面を登って行くと・・




石垣があった!

そう、ここは昔に山奥の集落と寺院や神社があった場所なんです。



思っていたよりも傾斜の少ない場所で広さもあり、あちらこちらの住居の跡らしきものが見られます。



そしてそれを取り囲むように、いろんな巨樹もありました。



最盛期はどれだけの家族がここで暮らしていたのでしょう?



一番奥の広場のような空間から、その奥の古道を辿ろうと思ったのですがどうも見当たりません。

仕方なく方角を定めて、登っていけそうなルートを探っていきます。



するとどうやら稜線のようなところに到着しました。

この稜線は南北に伸びており、昨年末に北から途中まで来たところです。



まずは南に向かい大山の頂上を目指します。

といっても標高は300mクラスの低山なので傾斜は緩やかで、だからこそバイクでも走れそうだと目論んでいたのです。



両側には樹木があってスッキリとした風景は望めませんが、間からは久美浜湾や小天橋も眺められます。



大山山頂に着きました。

この先は急斜面なので引き返します。



本当は南北の稜線と、廃村から三原地区を結ぶ東西の古道がクロスする場所が地図にはあるのですが、どうしてもそれは明確には見つからず、おそらくはこんな斜面にわずかに残る踏み跡がそれのようでした。

これはバイクでは無理だなあ・・



そのクロスポイントを越えて進むとこんな尾根道が続きます。

どーです、面白そうでしょう?

もちろんハイカーさんも来るような場所ではありません。



山内ヶ嶽の山頂に着きましたが、こちらは三角点は無いようです。

ちなみにこの読み方は「さんないがたけ」で、その麓の村は河内と書いて「かっち」だそうです!

僕はこういった難読地名が大好きなんですが、ぱっと見て『読めねーよ!』と思うより、こんなありふれたようで意表を突かれると萌えてしまいます。



話を戻すと、その先には分岐があるはずで、北西に向かうと熊が現れた気比の田結地区へ向かう道。

真北に進むと、その田結と久美浜の蒲井地区を結ぶ古道の峠に出る県境のルートです。

そこは昨年にグループで行き、大いに楽しんだ(苦しんだ?)ルートです。

しかしそれを阻むように難所がありました。

青い矢印のラインで激坂を降るか、白のラインでキャンバーを横切るか?


その先は穏やか(そう)な獣道が続いています。

きっとこの風景をあの人が見たら、「極楽尾根道ー!」と言って喜んでいたことでしょう。

まだまだ一緒に走りたかった・・



そのまま前回引き返したところまで行き、このルートを完全に確認したかったのですが、この日は何やら股関節に痛みが出てきたのでここで引き返すことにしました。

まあ全てを把握するよりも、少し謎を残しておいた方が楽しくもあります。

そこでもう一度、廃村の跡をじっくりと見てみることにします。




周囲は植林ではなく自然林が残っていて、巨木、老木、巨樹がたくさんありました。



単に自然が好きなだけで、木の名前などはまるで知識を持ち合わせてはいませんが、こうした樹々を見ると本当に心が安らぎます。



下調べをした地図に載っている古道は最初見つからなく作業道を使いましたが、どうも納得いかなかったので、改めて調べてみるとやっと見つかりました。

しかしそれは途中で崩落があってバイクでは通れそうになく、やはり最初に歩いたルートの方が正解のようです。


そんなことをしながら適当に斜面を降っていたら・・・



ふと見上げると、忽然とこの巨樹が目の前に現れて、びっくりして思わず大きな声を上げてしまいました。



これこそが迎接寺跡(こうじょうじあと)のシイと呼ばれる、樹齢300年以上の巨樹です。

幹周囲は約8m、樹高約14mの学名ツブラジイです。

前に立つ僕の姿から大きさが実感できるでしょうか?



和田山の将軍杉や、糸井や兎和野の大カツラなど、但馬にはたくさんの有名巨樹があって見てきましたが、この種の巨樹は初めてで、その迫力には圧倒されます。



その名の由来は、ここにはかつて山岳信仰の迎接寺があったそうですが1959年には別な場所に移っています。



こんな自然の逞しさを目の前にすると、ちっぽけなことに一喜一憂する自分を見つめ直せと言われる気分です。

なかなか見つからずに諦めかけていたこの樹に引き逢わせてくれたのは、この樹の神様のおかげと思わずにはいられません。



さらに調べていくと、なんとそこには現在ニューヨーク・メトロポリタン美術館に常時展示されている、平安時代を代表するといわれる超国宝級の「蔵王権現像」が祀られていたそうです。



直線距離からいえば2kmも離れていない場所にできた新しい道路の脇に、離村の記念碑などがまとめられています。



神社の鳥居も地中に埋められているそうです。

離村は昭和44年に行われたそうですが、その数年前に山陰では有名な38豪雪などあり、各地で甚大は被害が発生しています。

これは僕の想像ですが、その頃から国や自治体が国民の安全やインフラの確保することが進み、こうした山奥の集落はそれを遂行維持するのが困難のために、離村、移住を促進したのではないかと思います。(代替住居は自治体が用意した)

以前から深く興味を持ってきた熱田の廃村などもやはり同時期です。

しかし住民の方々は本当にそれが最善と思い、進んで村を離れたのでしょうか?

どんなに不便で、時には危険と隣り合わせでも、きっとそれぞれのふるさとを心から愛していて、後ろ髪を引かれる想いではなかったのかと思わずにはいられません。




そんなことに思いを馳せながらも、凡人の僕の頭の中はお昼のご飯に代わっていきました。

城崎温泉の中心地にあるいつもの店に向かうと、街は大勢の観光客で賑わっていて、駐車場もいっぱいで停めるのに苦労しました。

ここはグランドメニューの他に本日のおすすめが出ていて、並んで席が開くのを待つまでにあれやこれやと嬉しい悩みで時間が過ぎます。

店に入ると美人店員さんもニッコリ挨拶してくれて鼻の下が伸びます。





本当ならば山陰でしか食べられない幻の食材「モサエビ」か「オニエビ」が食べたくて期待していたのですが、残念ながらおすすめの中にはありませんでした。




しかーし、代わりに大好きなヒラメの縁側があって、しかも800円という安さ!

これ、もしも大阪新地の寿司屋のアテで食べたら、一体いくら取られることでしょう。

もっちりとした食感で、噛めば噛むほど甘味が広がり、飲み込むのが惜しくなります。



もう一品は「キツネメバルの煮付け」1600円

メバルといってもマゾイとも呼ばれ、なかなか市場には並ぶことが少ない稀少な魚です。

こちらも特に頬肉やヒレの付け根の身が味わい深く、皮にも脂が乗って絶品でした。



お目汚し、失礼します。



一階の鮮魚販売所にはコイツが並べられていました。

生のハタハタがあったら買って帰りたかったのですが、干物しかなくやや高価だったのでそれは諦めて・・



帰る途中であちこちに寄って、但馬の美味しい食材を買って帰りました。


さて、もうしばらくすれば本格的なバイクシーズンが始まり、また今年も走り出すと思います。

しかし何やら大きな変化の年になりそうな予感もあり、このブログもいつまで続けるかは少し不透明です。

書くのを止める時はそっとフェイドアウトするつもりですが、そんなことになってもどうかご心配なく。

ノー天気で行き当たりバッタリな人生を、これからもやっていくつもりです。


熊との遭遇5回目

苦楽園4号


12月20日だというのに、但馬北部豊岡の天気予報は最高気温20度!

本来であれば周辺のスキー場開きの日だったのですが、いずれも延期となりました。

最後にもう一度バイクに乗るのもアリだなとは思いましたが、来シーズンに向けて仲間の皆んなと楽しむべく準備、リサーチのために城崎温泉の東、津居山周辺に徒歩でリサーチをしてきました。



スタートは小さな漁港、田結(たい)地区からです。

その奥には湿地帯が広がり、沢沿いの道を三原集落方向に南東に進んでいきます。



少し歩くと植林帯に入りました。

雨がポツポツ降ってきて、少し蒸し暑い4月頃のようです。



木製の橋を渡りさらに奥へと進むと、予想よりもはるかに良い雰囲気で期待感が膨らんできます。



路面は少し荒れてきましたが、これくらいの方が秘境感があってむしろ良いくらい。



谷間の奥にはいくつかの耕作放棄地があり、また頃合いの良いアトラクションも。

道は左側に伸びています。



倒木、倒竹が多くなりますが、これも右から何とかクリアできそう。



その先で前方から『バキッ!』と音がしました。

以前同じような音を神鍋の山中でも聞いたことがあり、その時は熊の気配を感じただけで姿は見えませんでした。

しかしその後いろいろ調べていると、それはやはり熊が相手を威嚇する時にわざと枝を踏んだりして鳴らすということを知りました。

これまで鹿なら何百頭と出会っていますが聞いたことはありません。(猪も然り)

目を凝らすと50mほど先の斜面に親子の熊が2頭動いていて、母熊はこちらを見つめ、小熊は少しオロオロしているようです。



何とか画像に収めましたが、これは小熊で、母熊はかなりデカかったです。

しかしこの10年で5回目の遭遇ってどうなんでしょう?

僕らが熊たちの領域に入っているので、それはある意味当然かもしれません。

ただこれまではバイクで走っている時だったので、見つけた時には向こうから逃げてくれていましたが、今回は歩きなので流石に背筋が少し寒くなりました。


写真なんか撮っているヒマがあれば、さっさと逃げろよ!って思うかもしれませんが、正直言うと個人的には熊のコロコロして短足な身体つきと、ちょっとユーモラスな動きが大好きなんです。

危害さえ加えられなければ、パンダにも劣らない魅力があると思うんですけどね。




場所はこの赤い線の先端です。



刺激をしないようにその場を離脱して、来た道を引き返しましたが、何度も後ろを振り返り、追ってこないかと警戒しました。

専門家の方曰く、熊の走るスピードは時速40kmにもなるそうで、その気になれば50mくらいあっという間に追いついてこられてしまうそうです。

ただ今回はこの田結の海岸でも夏に目撃情報があり、その専門家の方からもこのエリアはもともと多いと聞いていたので、かなり慎重に注意しながら歩いていたのが幸いしたのかもしれません。



ちなみに念の為に警察に通報しておきましたが、翌日のネットニュースに出ていました。




仕方なくプランを変更して、以前も仲間たちと来たことのある古道へと向かいます。

途中の道標には『右みなと、左山みち』とあります。

比較的新しいものかと思いますが、良いですよねこんな表示って、胸キュンです。



今年はどこも柿が大豊作でした。

植物が実(種、花粉なども)をたくさん付けるのは生存の危機を感じ取り、その自己防衛本能だというケースがあるそうですが、このところの夏の猛暑が影響したのでしょうか?



しばらくすると短いながらも険しい峠道になってきます。

前回はヘルプを受けながら何とかクリアできましたが、そもそも歩いてもかなりしんどいところです。



この峠は小さな二つの漁村を結ぶ道で、おそらく生活道だったのでしょうが、もしかすると但馬の沿岸沿いを因幡や丹後と繋げる重要な道であり、巡礼の道だったのかもしれません。

この辺りはそうした道がいくつか残されています。



難所を過ぎると空が近づいてきました。



峠のてっぺんに到着しました。

古道の峠の頂点は、たいていこうしたUの字状となっていて、それを堀切りと呼んで良いのか不明ですが、いつもなぜか萌えてしまうんですよね。

それは古道廃道マニアにとって共通の想いかもしれません。



その先には久美浜湾がチラッと見えます。

このまま降っていくと蒲井という美しい砂浜がある小さな漁村に出ます。



今年の4月に撮影



しかし今回はここから南北にある尾根筋を調べます。

最近少しずつ読図ができるようになり、これくらいだったらバイクでも走れそうだということが経験上からもだいぶ分かるようになってきました。




今の地点は田結峠で、③の矢印で南に向かってみることにします。

もしそのまま行くことができれば、①のルートや青い矢印のルートと繋ぐことができることになり、このエリアの可能性はグンと広がります。

特にピンクの矢印ルートは、所々に日本海を眺められる絶景ポイントが多くありそうです。



北側にも尾根が同じように続いていますが(④の矢印)、それはまた後で行くことに。




最初の探索ルートとの位置関係はこんな具合です。



所々に倒木はありますが、下草などは無いので歩きやすい尾根です。



左の方角には久美浜湾が時々見えます。



ここも期待感が増してきたのですが・・



この尾根は緩やかにアップダウンを繰り返して行くのですが、ずっと1本の獣道が続いていて、何かの足跡が傾斜の強い所にいくつも残されています。

しかしよく観察してもスリップさせているのでそれが何なのか特定できません。

幅(10〜15cm)から判断すればやはり・・?

悩んでいるうちにその先で大きな糞の塊を見つけて、これは間違いなく熊のものだろうと思い、そこで撤退したのですが、後から専門家の方のアドバイスではそれはタヌキではないかとのことでした。

でも先ほどの遭遇地点からもそう遠くはないので、やはり危険だったことに変わりはないかなと思っています。




あらためてもう一度地図を載せます。

田結峠に戻り④の矢印から緑の矢印のルートで蒲井に向かい、旭からピンクの矢印でぐるっと引き返すルートの確認です。




こちらの尾根も先ほどにも増してとても良い感じです。



その先には日本海も見えてきました。



いくつもの沼田場がありました。

(ぬた場とは、イノシシやシカなどの動物が、体表に付いているダニなどの寄生虫や汚れを落とすために泥を浴びるぬた打ち、を行う場所のこと)〜wikiより

あるいは『ヤチ』なんて言い方もありますね。



森を歩くと奇妙な姿の木々によく出逢います。



その先、蒲井に向かうはずのルートは読図ではわからないほどの急傾斜で、歩いてならば行けますが、バイクでは無理そうなので引き返します。

エラそうに言いましたが、やっぱりまだまだ読図のレベルも、ルートファインディングも素人ってことですかね。



その先の旭からの道もやはり同じような傾斜度なので諦めます。

しかし僕にはバイクでは無理そうでも、ダークサイドのヒトタチならば可能かもしれません。

機会があれば僕なしでも行ってみてください、このエリアは神鍋や氷ノ山周辺よりずっと雪が少ないのでシーズンは長いです。

もしどなたか行ったならば、その時はどうだったか教えてね。



もうひとつ、田結峠よりも東にある点線の谷筋(④の左)は何とか行けそうでした。

古道の途中にブルーのテープを付けてきたので見つけてください。



本当は最後に⑤の堂山を越えて田結に向かいたかったのですが、時間が押してきたので②のルートで田結に戻ります。



そこから海岸線に残っているイカリ林道で少し遊んできました。

この林道はもともと灯台手前までのピストンですが、とあるハイカーさんは④の先から海岸に降りて、海岸に沿って灯台を過ぎ林道終点と結んだと記録を残していました。

それがバイクでもできたらさぞや素晴らしいのですが・・



今日は穏やかな日本海が広がっています。



林道はさらに荒れてきて、歩くのも大変になってきます。

岬の先まで行きたかったのですが、昼食を食べたいあの店の営業時間終了が迫ってきました。



蟹の漁で賑わう津居山港を眺めながら、田結に停めた車に引き返します。



2時過ぎに『おけしょう鮮魚の海中苑』に到着しましたが、あたり一帯はものすごい人出で、店もひと組待ちでしたが5分もかからず入店。

今日のおすすめ単品の中から『アオリイカの刺身』を注文。

白イカも大好物ですが、アオリイカの味もやはり遜色ありません。

今年はこの店にとてもお世話になりましたが、私的ランキングを付けると、1位メバルの煮付け、2位あんこうの唐揚げ、3位このアオリイカの刺身になります。

店員さんにも顔を覚えてもらって嬉しくなりましたが、この店は味や値段だけでなく接客サービスも素晴らしいので大好きです。

(ちなみにどれも定食ご飯味噌汁付きで注文して千円台です)



一階の鮮魚店ではこんな珍しい魚を売っていました。

体長は60cmほどでした。

100mほど付近の海底に住むナマズのような、あるいはオオサンショウウオのような外観ですが、その味は非常に美味しいそうです。

しかしまれに蟹の底引網にかかる程度だそうで、その数は希少で、地元でしかほとんど流通していません。

頼めば2階のお店で食べさせてくれますが、その場合は料理賃が加算され、鮮魚はこの値段の2倍となるそうで・・

僕もまだ食べたことはなく、一度食べてみたいと思っていますが、流石にひとりではね。



横から撮った画像、ぼうずコンニャク市場魚介類図鑑から拝借



この季節はもうカニ!かに!蟹!と活気に溢れています。

今シーズン初セリの最高額は、柴山ゴールド一杯315万8千円でした!

脚だけで計算すれば1本30万オーバーですって、ハハハ。

(柴山とは城崎の少し東にある漁港名で、香住や間人(たいざ)などと並び、日本一とも言われるブランド蟹です)



今年最後の城崎の海鮮料理にとても満たされましたが、まだ帰るには少し早いのでもうひとつ気になっているところを車で訪れました。

狙いの通り、入り口には画像右上に道(?)が伸びていました。



地図では青の矢印で南側から峠を越えてみたいのですが、この日は出口側の矢印の先のポイントから様子を探りました。

ここは山中にかつて集落があったそうですが、集団離村して今はそれにつながる廃道が残っていて①とも繋げられるらしいのです。



その古道は久美浜湾に繋がっていたようですが、今は新しくできた道に分断され、その脇には立派な石碑がありました。

こうした離村のケースは但馬には多いのですが、たとえどんなに苦労があっても望郷の想いは強いのでしょうね。



青い矢印の方から①に向かう様子の画像で、明らかに『道』があります。

かつてはどんな人たちが、何のために、どんな思いをしながらここを通っていたのでしょうか?

そんなことを肌で感じ取り、想像を膨らませるのが愉しみになってきたお年頃です。


それでは読者の皆さん、今年も拙ブログをお読みいただきありがとうございました。

まさに波瀾万丈の一年で、本当に悲しい出来事もありました。

それでも但馬の自然や文化、歴史、人々の素晴らしさ、オフロードバイクの愉しさをお伝えできたならば幸いです。

どうぞ良き新年をお迎えください。


あわや滑落の危機!?鉢伏山トレッキング  11/30

苦楽園4号


11月18日には氷ノ山周辺に初雪が降り、そろそろ但馬にも本格的な冬が訪れてきます。

雪が積もればスノーシューのシーズン到来!

毎年最初にはココと決めている、小代のとちのき村から高丸山の往復が僕の大好きなルートです。

がしかし、以前から往復ではなくて周回ルートも取れるのは分かっていたものの、そのためにはハードな区間を歩かなければならないことも知っていました。

かなり以前にもバイクで行けるところまでは行ったこともあったのですが、今回は雪が降る前に歩いてその全貌をチェックして、ルート全体をバージョンアップしようという目論見です。



正式名称『尼崎市立美方高原自然の家・とちのき村』の入り口にはこんな案内板があります。

その敷地とハチ高原スキー場の間の森を歩くのですが、ここはきりがね親林公園という名前が付いてたとは初めて知りました。



上の画像の地図とは南北が逆になって分かりにくいかもしれませんが、今回はブルーの矢印の直登(シャクナゲ)ルートで登り鉢伏山で折り返し、グリーンの矢印の展望ルートで周って下山する計画です。



スタート地点はとちのき村の中にあるキャンプ場の横、シャクナゲ公園からです。

ここは本当に素晴らしいキャンプ場なのですが、利用者が少なくていつも閑散としています。

それだけではなく立派な宿泊施設、ホール、体育館、グランドなど、いったいどれだけの費用を投じたのかと思うくらいスケールが大きいのですが、その割に人が少なくひっそりとしているんです。

合宿でトレーニングに励んだりするにもぴったりだと思うんですけどね。



それはともかく、以前にも確認していたこの登山口から登り始めます。

情報では登り始めが非常に急斜面で、しかもまるで手入れがされていなく荒れ放題とか。



広葉樹はほとんど葉を落としていますが、こんな風景も風情があります。



歩き始めは木段があったのですが、それもすぐ見失ってしまい小さな谷筋を登っていきます。

この頃はまだ良かったのですが、徐々に傾斜が増し両手両足で岩や木の枝や根に掴まりながらなんとか高度を上げていきます。

しかし次第に木もまばらになり、その頼みの綱も無いところに差し掛かり、これはヤバいぞと戻ろうかとしていたら、足が滑り片手で根っこを掴み足がバタバタ。

しかもそれはこの前脱臼しかけた右腕で、もう一度肩が外れるか、手を離して滑り落ちるか・・・という大ピンチでしたがなんとか踏みとどまりました、ふう・・。

まあ仮に手を離しても大怪我をするような場所ではなかったのですが、パンツは泥だらけ、アンダーウエアは嫌な汗でびっしょりです。



その後何度も方向を変えながら、その先に見えている小尾根になんとか出ると・・

『あれっ、道があるやん!』

どうやら途中からミスルートをしてショートカットしていたようです。



この画像は左から登ってくる道を写したもの、どこで間違えたんだろう?



これは今回のログですが、黒丸で囲んだところがその問題の区間です。



とにかくホッとしてそのまま登山道をゆったりと登っていきます。

ブナの森に入ってようで、珍しく絡み合い、まるでダンスをしているような木がありました。



曇っていると寒々しい風景にもなりますが、晴れていると光が隅々まで差し込んでくる、これはこれで美しい風景で好きです。



しばらく歩くとT字路となって展望ルートと合流して、そこには倒れた道標がありましたが、雪が積もったら分からなくなってしまうだろうな。(ログにはポイントを打っておきました)



そして次の難関はこの藪漕ぎです。

あるハイカーさんが書かれていましたが、こんな時期ならまだしも、ススキの勢いの強い季節だったら歩くことは極めて困難でしょう。

地図を読み、GPSと睨めっこをしながら迷わないよう慎重に進んでいきます。



すると見覚えのある東屋が現れました!

良かった〜、これを一つの目印にしていたので間違いではなかったことになります。

しかしまあ、ここまで荒れているとは・・。



でもまだ安心し切れるものではなく、その先もまた藪漕ぎでした・・

途中で『ガサッ』と藪の中から音がしたので一瞬ビビり、すぐさま爆竹を鳴らしましたが、どうやらそれは鳥だったようです。



しばらくするとその区間も過ぎ、右手に高丸山が見えてきました。



12月20日のスキー場オープンに向けてリフトの準備は済んでいるようです。

先々週には10cmほど積もったそうですが、その後また暖かくなったのでゲレンデの雪は完全に溶けています。



左手の先には目指す鉢伏山が見えています。



南西の方角には氷ノ山。



氷ノ山をアップで見ると山頂付近の一部には雪が残っています。

今日はこちらのエリアではトータルでたった3人しか他のハイカーさんと出合いませんでしたが、氷ノ山はたくさんの人だったのでしょうか?

それとも皆さん熊を恐れて山行きを躊躇しているのかな?




高丸山と鉢伏山の中間にある1114ピークには、もう使われなくなったリフトが残っています。

赤錆びたそれはまるでオブジェのように存在感があります。



ピークと鞍部の繰り返しで、何度も木段を登り降りしますが、これが歩幅が合わないと厄介なんですよね。



鉢伏山が近づいてきました。



右下にはハチ高原スキー場のゲレンデが広がっています。



さあ、最後の登りに差し掛かります。



やっと避難小屋の屋根が見えてきました!



到着で〜す🎵

確か6、7年くらい前になると思いますが、以前は氷ノ山林道からアプローチして、ゲレンデをバイクで登ってくることも黙認されていたのですが、禁止になってからは久しぶりの山頂です。



ここはまさに但馬の自然360度パノラマの絶景が広がっています。

こちらは北東の瀞川山の風景ですが・・

↓



このブログを読んでくれている兵庫や近県のオフローダーの皆さんは、たぶん一度は走ったことのある瀞川氷ノ山林道の一部が俯瞰できます。

こうしてみるといかに素晴らしいフィールドかということがよく分かりますね。

これだけのロングダートは本当に貴重な存在なので、いつまでも今以上舗装化などされることなく存続して欲しいものです。

(以前にもお話ししましたが、地元の観光協会の重鎮の方は明確に舗装化反対を打ち出されていて、オフローダーも大歓迎だそうです)



西に見える稜線上の天空の道は小代越から氷ノ越に繋がる絶景です。

初めてこの風景を目にした時に、もしいつかここを走ることができたらどんなに素晴らしいだろうかと思ったものでした。



真北に目をやると和牛の故郷、小代地区と仏の尾(山)。

こちらの山肌はまだかなり紅葉が残っています。

ここからは分かりませんが、やはりここにも全長約12kmの仏ノ尾林道があり、この時期の紅葉はとても美しいのです。



北西は扇ノ山や大山の方角になります。

この日は少し黄砂が残っていたせいか、大山の山頂は見えませんでした。



以前はたしかこのゲレンデをバイクで登っていたはずです。

一度山頂に小学生たちが大勢いる前で転けてしまい、大恥をかいたことがありましたっけ。

今はバイクも四駆も乗入禁止ですから、これを読んでチャレンジしようなんて決して思わないでくださいね。

こちらはハチ北スキー場管轄になると思いますが、もしも許可が降りてヒルクライムレースを開催できたら、グリーンシーズンの活性化にも繋がる大イベントに化ける可能性もあると思うのですが・・ハードルは高いかな?

ちなみにハチ北名物の北壁は最大斜度35°平均25°だそうです。



そんなことをふと思いながら、セルフでパシャリ!



もう一枚、リフト乗り場の先端でパシャリ!

足元は板張りで、抜けないかとヒヤヒヤもんでした。



この日は平地で予想気温が20度と暖かく、山頂でも風裏ならばポカポカでした。

サクッとお弁当を食べて下山します。



高丸山の北にあるダブルトラックの道も大好きなひとつです。



ここもお馴染みのもうひとつの東屋。

やはり以前はこれほどススキが多くなかったのですが、枯れていてもなお、ものすごい密度で小屋を取り囲んでいます。



その先の道もまた、踏み跡さえとても分かりにくくなっていました。

このまま自然に還っていくのでしょうか?



道標はどれもみんな倒れてしまっています。

どこの管轄か知りませんが、ちゃんと整備をし直してPRしたら人気が出ると思うのになあ。



逆にある意味、今のままのひっそりとしている方が私的には良いのですが、但馬の発展を願うと、これだけの良きコンテンツがあるのに埋もれてしまっていると言わざるを得ません。



この時期、草が枯れるとバイクで走れる場所もたくさん増えます。

そして雪が降ってスノーシューやクロスカントリースキーならば、はるかにもっと自由に楽しめます。



水気があり、日当たりが良いとまだまだ緑も豊富です。



この展望ルートもルートファインディングに苦労しながら進むと、以前にも調べたことがある、林道との出合い手前に差し掛かりました。

ここはたくさんの腰の曲がった細い木が道を塞いでいます。




そしてやっと本線と合流しました。

矢印の方から来たのですが、本線側から見たらその分岐点だなんて絶対に分かりませんよね。




この林道は数え切れないくらい走ったりしていますが、無雪期に歩くのは初めてです。

右下には出発点のとちのき村が見えていて、雪が降るとストレートに向かって行けそうなのですが、その間には沢があり、さらにその向こうには有名な八反滝があるので要注意です。

過去には同時複数人の遭難死亡事故もあったり、近年ではバックカントリーで身動きが取れなくなったりの遭難救助事例も増えているそうです。


尾


尾根の西側にシフトした林道には沢山の落ち葉が降り積もっていました。

午後の陽差しを浴びながら、フワフワの路面を歩くのは至福の時です。



地元の六甲山系を歩くのも楽しいですが、同じ低山でもやっぱり但馬の山の雰囲気の良さは別格で、それは広葉樹の多さの違いもその理由のひとつなのでしょう。



ここはマウンテンバイクでも走ってみたくなるバンクもあったりするので、好きな人にはたまらないでしょうね。



高丸山林道と熱田集落へ繋がる峠の三叉路に出ました。

熱田は前回このブログに書いた黒毛和牛の原点であり、僕が思うに兵庫県内で最も山奥の秘境にあった村です。




現在はここからずっと降ったところに流れる矢田川沿いにある、国道482号線出合橋から行くことができますが、かなり昔はこの麓の秋岡という集落からこの道でも行き来をしていたようです。



分岐から先は道幅も広くなり素晴らしいフラットダートです。

おそらく熱田に電気を送るようになった時に、この道を整備したのではないかと思います。

そのためこんな山奥なのに、途中から電柱が立ち並んでいます。

今回歩いて初めて分かりましたが、この道からさらに2本ほど支線があったので、また来シーズンには調べてみようと思います。



道が細くなり、急に下る手前に首なし地蔵があります。

最初に見た時にはゾッとしましたが、全国各地にこういったお地蔵様は多くあり、その原因のひとつは明治の頃にできた神仏集合の廃止「神仏分離令」から派生した「廃仏毀釈」による破壊活動のせいだと云われています。

またもうひとつは博打を打つ際にお地蔵様の首を持っていると運が向く、などという悪い噂が広がっていたなんて説もあります。



その先はシングルトラックとなってつづら折が続き、村に出る近くでは道も消えて急斜面を下らなければならないそうです。

一度この区間も歩いてみたかったのですが、今日はもうエナジー枯渇寸前なので次に回します。



逆方向に戻ってとちのき村方面に下ります。



途中の分岐から右折して敷地に入ります。



いつも歩き終わりの頃にはもう少しこの自然に包まれていたいと願うものですが、こんな美しい日の終わりには一層その気持ちが高まります。



キャンプ場に戻りました。



ナナカマドの並木もすっかり葉を落が散り、その実もそろそろ落ちる頃です。

スタートしてからハラハラドキドキの連続で、一時は撤退も頭を過ぎりましたが、ほぼプラン通りこなせたので大きな満足感に包まれました。

よく整備された登山道を歩くのも安心で良いですが、こうして自分自身のルートファインディング能力を磨きながら道なき道を進むのは、バイクもトレッキングも共通する僕の楽しみです。



帰る途中で西村農園の園長さんにコーヒー豆をプレゼントするために寄りました。

この前雑談をいろいろしていた時にそれが好物のひとつだと知り、僕がいつも愛飲しているナルダン珈琲豆を味わって欲しかったのです。



入り口には番犬の黒柴クロくんが出迎えてくれました。

この子は本当に可愛くてフレンドリーなんですが、害獣に対しては猛烈に吠えて追い払ってくれるそうです。



雪の多いエリアでの農作業はこの時期「畑じまい」と呼ばれる仕事が多々あり、ビニールハウスのビニールを外したり、いろんな準備をしなければならないそうでお忙しそうでした。

それでも畑に残った大根や蕪をその場でズボズボ抜いてくださり、こんなに沢山今日も分けてもらって感謝しかありません。

今年はいろいろありましたが、その中でも特に良かったことは、素晴らしい無農薬自然農法を行なっている西村さんと友人関係を築けたことはその筆頭です。(僕が勝手に友人と思っているのかもしれませんが)




そして和田山の道の駅では、先日販売解禁になったばかりの岩津ねぎを購入。

全国いろいろなブランドねぎがありますが、これは白根から青葉まで柔らかく香り豊かなことが特徴です。



そしてさらに羽渕精肉店ですき焼き用肉100g/440円を300g買って、翌日は久しぶりにすき焼にしました。

この日バイク仲間のkoma2さんも雲海に浮かぶ竹田城跡を見に来ていたそうで、帰りに偶然同じものを買って食べたそうで、その味にとても感激していました。

そうでしょうそうでしょう、本当に香りと口溶けが最高で、この値段が信じられませんよね!


今回の最後はクロくんの画像で。