苦楽園オフロード雑記帳

兵庫・京都・鳥取・岡山の自然と林道をSHERCO TY125、 TRRS XTRACKで楽しんでいます。乗れない時などはスノーシュー、クロカンスキー、たまに料理ネタも入ります。

Happy go Lucky!

幻の林鉄跡を遂に発見!そして魅惑の稜線を歩く2DAYS 6/3・4

僕は廃村、廃校、廃坑など古く歴史ある遺構などが大好きで、しかもそれが山奥の林道の先にあったりするとシビレるほど感動してしまいます。
但馬には有名な明延鉱山、生野銀山や神子畑選鋼場などありますが、あまりにも観光地化されたところには興味が湧きません。
なので過去に熱田の廃村廃校を自分で見つけた時には、無我夢中になって資料を調べ直してブログ記事にしたものでした。


しかし以前からバイブルにも載っている、別なある遺構を見つけることはどうしてもできないまま時が過ぎていました。


そうこうしているうちに、最近トレーニングも兼ねて興味が増してきたトレッキングその方面のSNSを見ていると、ある記事に出会いました。
それにはしっかりとその存在が記されていて、林道との合流点も示されていたのです。
その記事に沿って麓からトレッキングルートを辿れば発見は容易なようですが、ここはオフローダーの意地で林道側から見つけてやるぞと意気込んでいました。


そしてここは兵庫と鳥取の県境にある古い林道。
趣があって大好きな林道のひとつですが、区間によっては毎年少しずつ荒れてきています。


南側から進むとしばらくしてからロックセクションが現れます。



難易度はさほどではありませんが、このポイントは遠景が見渡せる場所だけに少し惜しい感があります。


注意すべきは崩れている岩が鋭利な断面になっているので、最悪バーストの可能性があることです。


それを過ぎるとマディーな区間が現れます。
このエリアは元々水捌けが悪く、通年ヌチャヌチャした場所が数カ所あります。
さほど深くはないですが、万が一コケたりして泥だらけになったりするとかなり悲惨なことになります。


昨年は倒木が多くて手こずりましたが、今年は致命的なものはありませんでした。

ここも左から簡単にクリアできます。
ただ細い倒木や枝が垂れ下がっているケースが他にも多いので、走りながら身を屈めてかわすのは結構厄介でした。


崩落もこの程度です。
ここも左から抜けられました。


そんなアトラクションを挟んで、この林道には見どころもイッパイなんです!


特に南側の区間はブナなどの紅葉樹が多く、美しい自然林が広がっています。


道のすぐ脇にもこんなブナの大樹がいくつも・・♫


こんな道をどうして速く走り抜けられるでしょうか?
木漏れ日を浴びながら、トコトコ走る気持ちの良さは格別です。
そのせいかヤマドリやリス、それにウサギの姿を見ることもできました♪



さあ、そうするうちに今日のメインターゲットである林鉄(森林鉄道)跡と交差するポイントに近づいてきました。
4年ほど前から何度も何度も探しても見つからず、なかば諦めてきたその遺構を今日こそは見つけたい!


できるならばあくまで現場では自分の眼と感性を重んじたかったのですが、今回はスマホアプリを駆使して、ついにその本命らしき入り口を見つけました。
なんと、今まで幾度となく素通りしていたこの場所だったのか・・。
それまではもう少し先にある大きな分岐の奥であろうと、すっかり勘違いで思い込んでいました。

森林鉄道は明治の終わり頃から1970年代にかけて、全国で盛んだった林業の主役であり近代産業史の1ページを飾ると言っても過言ではないでしょう。
この沢川森林鉄道は昭和26年頃に開設されて全長は8.6km、昭和41年に廃止となったらしく割と短命です。
 今日までその後少なくとも50年以上は、ほとんど忘れかけられていたことになりますね。


さらに興味のある方はこちらをご覧ください。


歴史ロマンに胸を躍らせてその中に入ってみると・・・


なんとすぐに、呆気なくそれは見つかり、思わず大きな声で『あったぁー!!』と叫んでしまいました。


しかしその先、数百メートル進んだところで・・


この作業道が沢で寸断されています。
よく観察すればなんとかなりそうで、確率的には90%大丈夫そうなのですが、10%のリスクを考えてここは自重しました。
なんといってもこの日は平日だし、こんなところに走りに来たりする他の人は皆無で、ヘルプやレスキューは全く期待できません。
仕方なく、いやそれもまたじっくりと観察できるので良いのですが、そこから先は歩き始めます。



するとあるわあるわ、外された古いレールがそこらじゅうに散らばっています。


レールを外された道はこうして見ると素晴らしい作業道群として残っています。


俗に言うナローゲージ規格だったのでしょう、一般的なレールに比べると細く華奢です。


枕木は当然朽ちてしまったのでしょうか?


ハイカーさんのブログによると、このさらに先の方にはまだ道に敷かれたレールも沢山あるそうで、石垣や橋も残っているそうです。


こちらはSNSより、とあるハイカーさん撮影画像を拝借
鉄道としてはすごいヘアピンのアールですね!

しかしこれ以上オフロードブーツで歩くのは大変だし、雰囲気的に熊の気配もありありで、
かといって熊避けの鈴も付けていないので、大声でイーグルスのDesperadoを歌いながら引き返しました。


麓の集落手前からは索道で木材を降ろしたらしく、その区間は道は無く激坂のようなので完抜けは期待できませんが、他に支線もあってたっぷりと楽しめることは間違いないでしょう。


とにかく秘境感は最高の素晴らしい作業道が広がる空間がそこにはありました!
次回はメンバーを揃えて完全解明したいと考えています。
意地は貫いたので、秋の紅葉シーズンに麓からじっくりと歩いて探るのも良いかな。


本線に戻って北側の出入り口を目指して走ります。
この区間は幅員もたっぷりとあり、フラットで明るい素晴らしいダートが続いています。


全体がこんなコンディションだったら良いのになあ・・とも思えますが、これはこれで変化があるからこそ楽しいのかもしれません。


出入り口まであと1kmほどのところから、ちょっと外れて森の中のルートを探索。


う〜む、これはまた素晴らしい♪
また新たな可能性も見えてきた気がします。


北側まで突き当たってから、今日はそのまま来た道を戻ります。
なぜなら今日はこの後、トランポでの移動を考えていたからなのです。


さて、その次はというと・・・



これは先日探索した時に、時間も体力も尽きてしまってやり残した若杉エリア。
僕自身も以前からギモンだったのですが、メンバーのえでーさんも強い興味を示していました。
ただ僕としては一体どこからアプローチをすれば良いのか判断できなかったのですが、えでーさんが大胆な仮説を立ててくれたのです。


本当ならばえでーさんの説を尊重するために一緒に来たかったのですが、どうしてもたまらずに抜け駆けで偵察です、ハイあくまで斥候偵察ですよ。
すると入ってビックリ!奥の方では伐採作業が行われているらしく、幅員たっぷりのスーパーフラットが延びているではないですか!


バラス少なめほぼ土質ドライで轍も皆無!!


氷ノ山の南側の勇姿もすぐそこに見えています。


4kmほど入ったところで分岐があり、その先片方で伐採と作業道造りが行われていました。
もう片方の支線ではやや幅員が狭まりますが、こちらも先日のような倒木や崩落はありません。


いやいや、これならば仮説上あの林道と繋がって完抜けできる可能性はとても高くなってきました。
昔の記事を見直してみると、繋がるかもしれない林道の先はこんな具合でした。

この時はまだ未熟な面も多くてビビって引き返しましたが、今こうして見ると、このままの状態であったなら楽勝で越せそうです。
そのまま独りで手柄を得るのは本意ではないので、ここもまた後日のお楽しみに♫
こんな発見はみんなと共有した方が楽しいもんですが、えでーさん&Kちゃんコンビは待ってくれているでしょうか?


引き返して、またもう一度トランポにバイクを積み直しますが、それにしても眺めも素晴らしい林道です。


そしてずっと南下して、この日の最後は千町ヶ峰の稜線に出るルートに挑みます。


こちらは完全にえでーさんとKちゃんコンビの努力による発見。
僕にピッタリな絶景ポイントがあると教えてくれたので、そのチャンスを伺っていました。
『挑む』と言ってもそれほどハードではなく、ややガレた区間と稜線に出る直前の倒木帯さえ抜ければ・・



イェ〜イ! 本当だ、これは素晴らしい!!


この辺りは熟知しているつもりだったのですが、さすがに宍粟のスペシャリストの名コンビ。
なんでも先日は、あのマンガ谷から引原に抜けるルートも開発したそうですから、今度またそちらも教えてもらおうと思っています。


なかなかタイトなスケジュールの1日だったけれど、ここも来て良かったな〜♫


実は下山する時に迷いかけましたけどね・・・


でもそれも無事にクリアして、トランポに積む前にちょうど良い川があったので、泥落としも兼ねてリバーライド。
このところやや不完全燃焼の日が続いていましたが、この日は目的をほぼ全て達成して大満足 ♫



そして翌日はかねてからリクエストをしていた、宍粟にある県内で2番目に高い三室山登山です。
メンバーはKちゃんとそのお師匠さんである八木さん。
そしてKちゃんの親友まっちゃんとその息子さんの5人です。


いつもの六甲山系や丹波山系とは雰囲気がまるで違い、その魅力にグイグイと惹きこまれてしまいます。
アプローチは無理でしょうが、途中にはオフロードバイクにもピッタリな、ヨダレが溢れてきそうな区間やエリアもあって、Kちゃんと『ここもイケルね ♪』と話しながら登ります。

斜度はそれほどキツくはなく順調に進んでいましたが、頂上手前では急坂もありクサリ場をよじ登ることも。

そして噂に聞く360°パノラマの頂上とは・・


県内No.2とはいえ、それほど大した標高ではありませんが、この日は天気に恵まれて瀬戸内海や大山まで見渡せました!
これ以上になると暑過ぎる気温と日差の強さでしたが、それも爽やかな梅雨直前の空気を心から味わうことができました。

ここで昼食を摂った後は大通峠に向けて稜線を歩いて行きます。
実はここ、ハイカーさんの記事を見てぜひ歩いてみたいと思っていた場所なんです。
林道の場合は本来の役割で木材を運び出すためだからか、山腹を稜線のすぐ下を平行に延びていることが多いのです。
いつもバイクで走りながら、稜線を走れたならば良いのになあ・・と思っていたのですが、登山道の場合はこんな素晴らしいルートが珍しくはないのですよね。


遠目から眺めていると草原かと思っていたエリアは笹やシダの広がる空間でした。
それでも気持ちの良さはなんら変わりません。


これ何の木だったかな?
宍粟50名山のガイドでもある、ベテラン八木さんから教えてもらいながら歩きますが、なかなか覚えられないボケ頭です。


う〜ん、それにしてもサイコー🎵


稜線から降る区間に入っても、これまたブナ林の雰囲気は素晴らしくてウットリとしてしまいます。


一旦舗装林道と交差してから、また近道となる古道を使って駐車場まで降りました。
昔の商人や参拝などに、多くの人たちが通っていたのであろうこの道もとても趣がありました。


そんな二日間、梅雨前に取った有休を含めてとても有意義で楽しい日々でした。
最後は脚もヒクヒクするほど疲れていましたが、バイクもトレッキングもすぐまた行きたいくらい。
梅雨よ、平日だけ降ってくれ!(平日休みの人、ゴメンナサイ)
お願いだから週末は晴れてー!!


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