苦楽園オフロード雑記帳

兵庫・京都・鳥取・岡山の自然と林道をSHERCO TY125、 TRRS XTRACKで楽しんでいます。乗れない時などはスノーシュー、クロカンスキー、たまに料理ネタも入ります。

Happy go Lucky!

真夏の廃道探索&ピークアタック! 7/2 但馬

前回『山は夏の香りに包まれている』と書きましたが、あっという間に梅雨が終わりましたね。
嬉しい反面、これからの台風シーズンが逆にちょっと心配。


さて今回はいつもSNSで繋がっていたMondoさんをお招きしたのですが、唐突な申し入れにも関わらず、快諾してくれての初参加になりました。
この方、聞けば僕とオフロードバイクでの嗜好傾向はとても似ていて、これまでの趣味も釣りなどカブるところがあって、僕の感は当たったかなと思わずにはいられません。
ただ今回は探索メインなので、バイクがWRだと少し苦労しないかと、そこだけが心配でした。


さあ、今日の1本目は以前に1日のラストで入ってしまい、途中で力尽きた坂本林道支線です。
ここは坂本林道と千原という集落を結ぶ作業道なのですが、ずっと八田と繋がるものだと思っていたのです。
坂本林道側からはほんの少し入ったことがありましたが、あまりに雰囲気が怪しく、そのまま下りに突入するにはリスクを感じて諦めていました。


そもそもここは3年ほど前から解明してやろうと、何度も下見や情報収集をしてその機会を窺っていたのですが、今日こそはなんとか完抜けを果たそうと意気込みは充分。
なにせこのところ、それぞれの目的達成に及んでいない日が続いていましたからね。

ただ内心は前回倒木処理をある程度済ませていたので、あとはせいぜい3、4ヶ所くらいの難関が残っているくらいだろうと高を括っていたのですが・・・


それが手鋸では不可能なほど太い倒木や、どうしようもない崩落があれば逆に諦めもつくのですが、頑張ればなんとかなりそうなレベルの課題が、うまいこと50mくらいの間隔で次々に現れてきます。


しかもこの日は猛暑日で気温はどんどん上がるばかり。
本来、この辺りのオフローダーで真夏に探索をする人などあまり聞いたことがなく、みんな夏は爽やかフラットに専念するのがフツーでであり常識人のすることです。
でもね、そこに未探索の道、特に廃林道があると僕らは我慢できなくなってしまうのですよ。
なぜならば、目的を達成したときの甘い蜜の味を知ってしまったからに他ならないからなんです♫

ひとつクリアーしては休み、またじわりじわりと進んで行きますが、それにしても手強い!
こんなはずじゃなかったんだけどな〜、というのが本音で、初参加のMondoさんには申し訳ない気持ちが膨らんできました。
これじゃあまるで詐欺同然!

こうした杉の倒木であればまだ切るのは楽なんですが、中には細くてもとんでもなく硬い倒木もあって、体力はどんどん消耗していきます。


でも林道女子&山ガールのKちゃんはこの日も元気いっぱい!


Mondoさんは最初はこんな場所でWRを乗りこなすのに戸惑っているようでしたが、徐々にトラクションのかけ方も分かってきたようです。


ガタイが良く、手足が長いのはこんな時に有利ですね。


廃道探索には倒木処理のノウハウが欠かせません。
どこをどう切れば良いか、瞬時に見分ける眼も大切な要素です。
場合によっては切る必要もなく、力を合わせて移動できるかどうかも判断しなければなりません。
Kちゃんが下僕達に『ここをお切り!』と命じています?

そうこうしているうちにつづら折りをいくつかターンすると周囲も開けた雰囲気になってきて、そろそろ努力が報われたかと喜んでいました。


が、しかし・・・


な、なんと、これまでには無かった太さの倒木が道を塞いでいるではないですか!
道はその先で行き止まりの道と、坂本林道に繋がるであろう道と分岐しています。
パッと見た時は絶望感と無力感に苛まれて、しばし呆然と座り込んでしまいました。
『ここまで来てこれかよ・・そりゃあないよ〜!』と。


しかし一旦クールダウンしてからあらためて作戦会議をすると、
①倒木をなんとか向こう側に越えて、折り返してもう一回倒木を越える
②倒木の手前の斜面を一気に登る
のふた通りの案が浮かんできました。
そして選んだのは②の方で、2m弱の高さの垂直に近いステアで助走はほとんど無く、登り切るとすぐに左ターンというセクションです。


なるべくトラクションがかかるように地ならしをしてから次々に挑むメンバー達!


こんな場所では不利になるWRのMondoさんも見事にクリア!!


そして遂に、その先には見覚えのある区間が現れてきて、坂本林道と合流したその瞬間、大声で『ヤッター‼️』と叫ばずにはいられませんでした。


後でログを取っているえでーさんに確認をすると、この支線はたった2kmほどだったことが判明しました。
それに要した時間は4時間あまり!
興味のない人にとっては『な〜んだ』ってことになりますが、僕らにとっては大いなる収穫です。
これほど荒れ果てる前に走ったことのあるライダーが、もしかすればおられるかもしれません。(バイブルには記載無し)
しかしその後は僕らが完抜けできた最初のオブオフローダー(廃道オフローダー)なのは間違いなし。
道なき道を往くゲロライダーの方々には及びもつかない些細な自己満足ですが、リサーチと実行力という点ではこっそりと自慢できることかなと。


それにしてもあまりにも時間がかかってしまったために、予定していたその後のフラット林道は全てカットして、やって来たのは先週貸切になっていて入れなかった、香住では僕のお気に入りNo.1のこの店の刺身定食。
ここは他のメンバーは初めてでしたが、大いに気に入ってくれた様子です。

いつもだと海を眺めながら食後の休憩とするところですが、この日は時間が押していたので先を急ぎます。
悩んだ末に選んだのは大野林道で、これが本日唯一フラット林道となるとは・・。


ここは稜線を走る林道なので、道の左右の樹々が無ければどれほど見晴しが良いものかと、それだけがちょっと残念ですが、概ね走り易くお気に入りのひとつです。

その後は瀞川氷ノ山にも匹敵する距離ながら、ほぼ全線舗装されている道をクネクネと走り(みんな睡魔に襲われていたらしい)・・・

この日のもうひとつの目的であるピークアタックの入り口に着きました。
あらためて下見をすると最初の登りが難敵で、それを見たMondoさんとKちゃんはステイ宣言をしていました。
ところがなんとKちゃんが徒歩でその先を下見をすると、素晴らしいエスケープルートが見つかったのです!


うっひゃ〜!雰囲気最高の馬の背をなだらかに登って行きます!!


ここまで来れば、もう成功は目前。

自然林の間をさらに進めば・・


パッと開けた場所に出て・・・

やったゼィ!!
遠くは白山から大山まで、文字通り360度のパノラマが広がるピークに到達です!!

この日はやや霞んでいて、前述の山々までは見ることはできませんでしたが、それでもこんな雄大なスケールが広がる場所はそうそうありません。

その道のスペシャリスト、えでーさん&Kちゃんにとっては県内11座目の達成だそうですが、僕にとっては8座目かな?
そのうちのいくつかは、ふたりから教わったものですけどね。

標高は1100m足らず、すぐ近くの盆地である豊岡市内のこの日の気温に比べれば10度近く低く爽やかです。

体力を使い果たし、優雅に?寝そべる林道女王様。
次の日はまた登山のご予定だったそうですが、さていかがだったのでしょうか?


走った林道の本数は過去最少だったものの、1日にふたつも大きな成果が挙がったことは初めてです。
この日のことは、のちのちの良き思い出としてきっと語り続けられることでしょう。


あらためまして初参加のMondoさん、お付き合いありがとうございました。



Summer Breeze 夏の香りに包まれて 6/25 但馬

まだ梅雨は始まったばかりだというのに、この週末も天気予報は晴れ。
このところはグループでの探索でいつも汗まみれ、泥まみれになっていたので、久しぶりにソロでのんびりと走ってきました。
それにあの店の料理も食べたくなってきたことだし・・。


最初は悩んだ末に粟ケ尾林道から。
ここは大体いつも下りで走ることが多かったので、たまには登りで走ってみました。


同じ林道でも走る方向によって、イメージって変わるものなのですよね。
なんだかここは登りの方が距離が短く感じられます。


でも停まって写真を撮るのは、いつもほぼ同じ場所。


そこから妙見蘇武線を北上して、最近人気の奥神のてっぺん。


そして廃村の小城を俯瞰してから。


村に入るとやや盛りの過ぎたジキタリスですが、その数はさらに増えていました。
林道沿いにも範囲を広げて、このままだとどんどん勢力を拡大していくようですが、これってマズイなんじゃないかな。


まあ、花に罪はないのですが、生態系に与える影響が心配です。


さらに三川山山頂から・・


水口林道、そして三原水口林道を走り・・


ちょっと寄り道をしながら日本海方面へと向かいます。
それにしても山に入ると、もうすっかりと夏の香りが充満しています。
昨夜はかなりの雨が降ったようですが、湿度も低めで過ごし易い。


日本海の安木浜に到着。
ここは初めて来ましたが美しい砂浜で、こぎれいな民宿が立ち並ぶ良き雰囲気でした。

柴山港との中間にある入江から透き通った海を眺めますが・・

Googleの衛星画像で見ていたのですが、ここ、ちょっと無理をすればこの水辺にバイクで入れるんですよねぇ。
この日は子連れの先客があったので遠慮しましたが、いつかまたチャンスがあればこの海を間近に写真を撮りたいなあ。


ここで時刻は昼前、第一候補の店に行くと、なんと開店5分前にもかかわらず満席のサイン。
きっと予約客だったのでしょう、何せ客席数が少ないので仕方ありません。
仕方なく?第二候補の店に行き、ホワイトボードの今日のおすすめを見ると・・・

なんと、大トロ丼 2000円也!


こ、これって近海物でナマなんすよ!普通だったら握り一貫で1000円取られておかしくないようなネタが10切れくらい乗っています!!
もしかしたらクロマグロではなかったのかも?
それでもこれまでの人生最高の『丼』と言っても過言ではないくらい。
なんと言っても、その甘みと香りが抜群に良かったな〜♫


あ・・すみません、ちょっと調子に乗り過ぎたかもしれませんが、ここで閑話休題。


僕は暑さには強いのですが、それに加えて夏場の水分補給はこんな工夫をしていますよって話です。
今使っているエンデュリスタンのバッグにはハイドレーションの収納部分がありますが、これに以前から使っていたドイターの保冷バッグがピッタリと入ります。




保冷バッグの中にはSourceの3ℓのバッグに1.0〜1.5ℓのスポーツドリンクを入れて凍らせて、朝さらに0.5ℓくらい液体で追加します。
そうすると真夏でもまる1日、常に冷えたドリンクが飲めるのですが、これが身体を中から冷やす効果大なんです。
感覚的には一回ゴクゴク飲むと2〜3度は体温が下がる感じ。
喉がカラカラに乾いてから、いちいちヘルメットを脱いで、生暖かいドリンクを飲むのとでは大きな違いです。
特に暑さに弱い人はぜひお試しくださいね。


矢田川温泉の裏の田んぼはもう稲が風になびき始めました。


池ヶ平林道に入り、山の中を南下していきますが、思えばこの林道で他のライダーに出会ったことがありません。
ま、そもそもこの日トータルでも、三川山でハスクのライダーおひとりと出会っただけでしたが。


ちょっとバラスが多い区間があって走り難いところもありますが、適度な距離と景観も良い林道なんですよ。


そこから次の本谷林道に入る手前の公園で、睡魔に襲われてかなり真剣に昼寝しました。
誰か通りがかったら、きっと行き倒れかと思われたかもしれません。
でもそんな、いつもグループではできない気儘さも、ソロではできるのが良いところです。

繋いでお馴染み、本谷のグリーンカーペット。


ここを含めて、氷ノ山方面から日本海に通じている林道繋ぎでのルートは5本あります。
帰りに使うのはそのうちのこの1本を走るのが、比較的に穏やかで良いかなあ。
なにせ、たいていお腹いっぱいになっていることが多いですから。

昼頃に一度、風が止まり蒸し暑くなり。

午後は雲が増えてきたのですが、風が変わり気温も程よく過ごし易くなりました。
後で知ったのですが、南部ではかなり強い夕立があったようですね。

うへ山の棚田(ウエヤマ)も美しい季節を迎えています。
ただ地元自治体にひと言申したい!
あのガードレールはなんとかして!!
せっかくのこの風景をカメラで撮るには、あまりに無粋で邪魔なんですよ。
せめて木製で作り直すとか工夫をすれば、きっと訪れる人も増えますよ。

なーんて、心の中でブツブツ言いながら秋岡の廃スキー場へ。

ここは冬場にスノーシューで登りましたが、2本の老木もまだ立ち続けています。
もうこの季節でも葉をつけることもなく、じっと余生?を過ごしているようです。


ここはこれからますます深い草に覆われて、頂上まで登るのはとても難しくなります。


とちのき村を過ぎて、おじろじろキャンプ場を横目で眺めながら野間林道を登り。



瀞川氷ノ山林道に出ます。


そして最後は今や多くのライダーの人気と憧れの場所となった東鉢。

嬉しいのは今でもゴミが落ちていないし、路面も荒らされていることが見当たらないこと。
管理している方達も僕達が来ていることはご存知かと思うけれど、今の寛容さを保ってもらうためには、これからもマナーを守って、きっと次の世代に渡しましょう。

氷ノ山、この次の冬にはモンスター樹氷を見たいな。


青空が無くても、夏の雲は絵になります。

さーて、そろそろ帰りましょう。
久しぶりの土曜日ライドは、とてもお気楽で満腹でした。


美しきブナの森を抜ける道、そして猫山 6/19(後編) 因幡

〜前編からの続き


午前中は3時間ほどかけてじっくりと森林鉄道跡を探索し、体力をかなり削られながらも十分に満足できる成果を挙げることができました。
林道に戻ってから昼食を済ませて、そこからほんの少し北上したところから広留野林道に抜ける道を探索します。(赤の矢印のルート)

ここは前回来た時にふと目に止まった入り口ですが、その時は迷いそうな予感がして持ち越していました。
普段からGoogleマップや地理員地図でどこか新しいルートはないかと暇さえあれば探していますが、なんと言っても大切なのは現地での自分の眼と感です。
データを集め分析し調べるのはその次の段階で、まずは常にアンテナを張って入り口らしきものを見つけたり、地形を眺めてヒントを得ることが大切だと思います。


さあ、森の中へと入ってみます。


しばらくは平坦の素晴らしいブナの森!


樹間もゆったりと広く走り易く、木漏れ日がジツに美しい♪


あまりの気持ち良さにお昼寝ですか?
いえいえ、写真を撮ろうと停めた時にパタリと転けてしまいました。
シェルコTY125のサイドスタンドは安定性に欠けるので、こんなことは一日に何度もあります。

その先は事前調査の通りに沢に向かって急勾配で下っていて、沢の向こうとは立派な橋で結ばれていました。
しかし、もしその橋を渡った先で崩落や倒木で行けなかった場合、こちらに戻るのは不可能に近いほどの傾斜だったので、ここは一旦引き返します。


扇ノ山林道に出てから南下してすぐ、おそらく入ったことがなければ99.9%見逃してしまうようなアヤシイ入り口から広留野林道に進みます。
ここは僕がこれまで経験した林道の中でダントツで潤い度の高い、言い換えればグッチャグチャな林道です!


しばし走ると来見野川支流を渡ります。
前回、数年前に来た時よりも淵がえぐれて、やや難易度が増していました。


すでに梅雨に入っていたとは言え、まだ本格的には降ってはいなかったので、その先の道はここではマシな部類のコンディションでした。

途中ふと大隊長の姿が消えて、どこに行ってしまったんだろうと思っていると、『面白い場所を見つけた!』というので行ってみれば・・ホントだ!!

これ、地元に近い宝塚にも何ヵ所かあるのですが、おそらく偽灰岩と呼ばれるものが風化してできた地質なのではないかと思われます。
禿山で樹木が育たずに雨で侵食されてこんな風景を生み出すようです。


そしてさらに進むと、やっぱりありました!
先ほどの森の道の延長で、この道と合流するポイントです。


切るのには堅そうな倒木が道を塞いでいましたが、これはもちろん撤去して・・


どこからかゴーゴーと滝の水音が聞こえてきます。
沢に向かって降って行くと・・・


ありました〜♫
先ほど引き返した地点にあった木の橋が現れました。

以前この下流へ訪れた時は、もっとダイナミックな渓相でしたが、逆にこの上流の方が緩やかな流れです。


橋を渡り、その先の激坂に大隊長がチャレンジしますが・・

何度も繰り返したものの、あえなく撃沈⤵︎
このルートの完抜けは確認できましたが、あくまでそれは一方通行でなければ難しいようです。

水面に映えるヤブデマリ=藪手毬(ですよね?LT先生)


そして午後のベストショット。
決してガイドブックには載っていない、こんな風景を撮ることが生き甲斐です。
オブ・オフローダーならでは・・ですかね?

満足感に包まれて(大隊長はやや不満だったかも)広留野林道に戻り走ります。
この辺りは澄んだ水が流れていたので走りながら泥を落とせる自然の洗車場。
しかし、やっぱりこの道は半分川のようなものですね。

林道が終わるとパーっと明るく開けた大根畑が広がっています。
ここは高原の気候を利用して、端境期の夏に「広留野大根」として京阪神に出荷するブランド品だそうです。

ここには大好きは杉ケ沢高原にも似たススキ野原が広がっていました。
今年の秋はきっと来てみよう。


そこからこの日の最後の目的地に向かう途中、もし完成していればショートカットできる嶽山林道に入ってみましたが、残念ながらこちらはまだ工事中でした。


そして37号線で峠を越えて、やってきました猫山林道。
随分といろいろな林道を走ってきましたが、入り口にこんな親切な案内板があるのは珍しい。
以前来た時にはこの図にあるように抜けられなかったのですが、改めて今回Googleマップの衛星画像で確認すると、以前よりもはっきりと道が延びて反対側まで繋がっているように見えたのです。

こちらはバイブルの地図ですが、この赤い矢印の感じで完抜けを目指します。


進んでいくと、前回来た時とはまるで違う別世界が広がっていました!!

まだ新しい、細かいバラスで整えられたスーパーフラットな路面です♫

あまりにもフラット過ぎ、またところどころコンクリート舗装もあって、中級者以上には物足りないかもしれません。
他のメンバーは初めて来たので感慨は乏しいでしょうが、唯一以前の様子を知る僕にとってはコーフンする状況です。


そして予想通りそれは西側に繋がっていました!
鳥取にお住まいのフラット好きなオフローダーの皆さん、もしご存じなければぜひ一度走ってみてください。
お友達でオフを始めてみようかな?なんて思っている人がいれば、強引にでもここへ連れて来ると虜になること間違いないでしょう。


上津黒の舗装路に一旦出てから、少し北に走り支線①に入ります。
ここは前回来た時には入らなかったのですが・・

先ほどの山志谷工区とはうって変わり、こちらはしっとりとした落ち着きがある、僕の大好きな雰囲気の林道でした。

事前に調べた時にはピストンだったのですが、走っているうちにこれは抜けられるのでは・・?と感じ始めていました。


途中何ヵ所も見晴らしの良いポイントもあり、期待はどんどん膨らんでいたのですが・・


残念ながらその期待は裏切られて行き止まりとなり、この日の探索はこれにて終了。


最後の最後で思うようにはなりませんでしたが、それまでに成果は溢れんばかり。
これをブログにどうまとめようか?なーんて走りながらニヤニヤして考えていたので、誰かに見られたらアブナイ奴だと思われたかもしれません。


梅雨入りしたタイミングでありながら終日青空にも恵まれて、本当にジュージツした1日となりました🎵


続・沢川森林鉄道跡探訪記 6/19 (前編) 因幡

今回のブログはあくまで自分自身の備忘録として書きます。
それは長年思い描いていたひとつの夢が叶った記念として、この良き日の思い出をこれからずっと残して置きたいからです。
林道を走るブログを期待している方にとっては退屈なものになるかもしれません。  


使われなくなった道、廃道のことを英語ではobsolete roadというそうです。
その廃道を好んで探索する人はオブローダー(ob-roader)と呼ばれるそうなので、廃林道を好む僕はオブ・オフローダーといったところでしょうか?


また一口に廃道と言っても、細分化をすれば道路でも古道、酷道、未成道などがあり、それ以外には廃線や廃隧道(トンネル)があって、それぞれディープなマニアもおられるようです。


林道探索をしていると意外な場所で意外なものを見つけることがよくあります。
例えば今はもう絶対に誰も通らないだろうといった小さな峠の頂上にお地蔵さんがあったり。
それは何を意味しているのか?いろんな想像が湧いてきて、往時の様子を勝手にいろいろ思い描いたりします。

林道内ではそれ以外にも、山奥の斜面に突然古い石垣が現れたりすることも多々あります。
あるいはまるで山城でも存在していたような不自然な空間や、小さな坑道にもたまに出逢います。 


でもなんと言っても僕がイチバン心踊るのは、かつて日本中で活躍した森林鉄道の跡です。
今、自分がこうして山で過ごすことが多くなり、山での仕事の大変さも少しだけ理解できるようになると、その先人たちの苦労の程は如何ほどだったのかと思わずにはいられません。
またその反面、山々が活気に溢れ輝いていた頃はどんなだったのだろうかと。


もっとも当時のそうした林業従事者の収入は相当高かったそうで、しばらく山中に篭って仕事に励み、報酬を手にして休暇に下山すると、近くの街で派手に芸者遊びにうつつを抜かしていたそうですから、それも微笑ましいことです。
そもそもこの辺りにしても、地方の小さな街に芸者置屋があっただなんて、今からは想像もつきません。


さて前回はソロで発見の足掛かりを付けた、兵庫と鳥取の県境にある沢川森林鉄道の探索第二弾をいつものメンバーを誘って行ってきました。
煮過大隊長はこのところしばらく事情でご一緒できませんでしたが、今回は久しぶりの参加です。



クリックしてね ⤵️



ネットで検索をすれば、数人のハイカーさんが麓の諸鹿からは歩いて全容をレポートされていますが、我らがバイブルもバイクでは入ったような画像は全くありません。


前回はこの崩落地点でバイクを置いて、その先は歩いて探索をしました。

今回は久しぶりにバイクに乗れる喜びからか、大隊長自らが先頭を切ります。


行きの下りはそれほど難易度は高くはありません。


このルートはハイカーさんからのレポートを見ても、麓の終点と集落の間は傾斜が急で索道で切った材木を運んでいたそうで、完抜けできるとは99%考えていなかったので、帰りの事もイメージしておかなければなりません。
そうなると、ここを逆に登るためにはこの丸太2本とヌタチュルの路面が難関です。


とりあえずひとつ目の関門はクリアして奥へと進みます。
すると・・・

「あったぁ〜!」
前回は道路の端に退けられたレールしか発見できませんでしたが、こうしたV字の地形の区間だと、そのまましっかりと敷かれたまま残っています。


しかしこのスケールだと貨車の幅は、せいぜい2mも無かったのではないでしょうか。

こちらは数年前に訪れたことのある、この近くの波賀の森林鉄道の画像です。
おそらく同じような機関車や貨車が使われていたことでしょう。


区間によってはV字の底に水が溜まり、イモリたちの楽園となっていました。
平和で過ごしていたであろうに、バイクで荒らしてごめんね。

それを過ぎると道幅の広い区間になってもレールは当時のまま、しっかりと残っています。

ただ長い年月が過ぎたせいか、枕木は風化してしまったようで見当たりません。
レールの間を走っていれば楽ですが、レールを跨がなければならないと、当然ながらひどく滑ります。


目を細めて瞑想すると、時空を超えて機関車が森の奥から現れてくるような気がします。



ふと横を見れば、そこには美しいエメラルドグリーンのトンボが木の葉に止まっていました。


さらに奥へと進んで行くと・・・・


ありました!
この森林鉄道の見どころのひとつである石垣のカーブです。

 線路の間には大きな木がしっかりと根を張っています。

バイブルの画像にもありますが、10数年前からほとんど変わってはいないようです。

ここは下が石垣の為か、枕木もしっかりと残っています。
さらに奥に進めば、より急カーブのポイントもあるそうですが、そちらは橋になって下が空間なため、上に乗ることは危険な状態でもあるそうです。


軌道は緩やかにアップダウンを繰り返しながらも麓へと続いています。


ハイカーさんの記事によると作業道と交わったりする箇所もあるそうですが、それはまるで見当たりませんでした。


そこから先は線路上に生えたり、横から覆うように木が伸びているので、バイクで進むのには支障があります。

邪魔になるのは切れば良いという訳でもなく、これからもこの遺構を観に来る人たちのためにも、この状態を荒らしてしまうようなことは慎むべきだと思い、この辺りで撤退することに決めました。


今度はふと足元に目をやれば、そこには観たことのない植物が・・
グーグル先生によれば『ギンリョウソウ=銀竜草:別名ユウレイタケ』というものらしいのですが、さてそれで正解なのでしょうか?

引き返す時もくれぐれも慎重に・・
もしもこれを読んで行ってみようと思っても、最低3人以上のグループでないと危険です。


僕は次回(未定ですが)は麓の集落から歩いて全貌を探ることにします。
その時は必ず熊除けの鈴が要るでしょうね。

途中の広場まで戻ると、明るい日差しがふんだんに降り注いでいました。

かつてはここも切り出した木材を集積していた場所かもしれません。



そこから作業道の支線もあったので探ってみましたが・・

残念ながら、こちらはすぐに行き止まりでした。
でも目的はほぼ達成できて大満足です!


この日はこれが午前の部、さらに午後には全く別のふたつの大きな成果が・・!?


その続きは後編で・・・




圧巻の完抜けルート! Developed by Eddie&K 6/12 但馬

今年の梅雨入りは遅いですね!
まあ昨年が早すぎたので、その反動かもしれません。
『自然はプラスマイナスを繰り返しイーブンになる』は僕の持論です。
ともあれ、まるで秋風のような爽やかな1日の朝でした。


この日もいつもの探索メンバーでふたつのルートの新規探索と復活した人気林道、ひとつの発見済み極秘?ルートに案内されて行ってきました。


今日のリーダー役えでーさんから集合場所に指定されたのは音水湖畔の公園、ここは気持ちが良い場所です。



まず最初に探索したのは天滝の南側にある佐治見川林道。
中距離のフラットピストンとして知られており、僕も何度か来た事がありますが、えでーさんがこの西側にある若杉の不動滝の奥と繋がっているのではないかとの仮説を立てたのです。
先週僕ひとりでその不動滝から途中まで入ってみたのですが、想像以上に奥まで道が伸びており、これはもしかすれば・・と思っていました。

この道は入り口から終点までず〜っと渓流沿いに緩やかに登る道です。



長い間伐採なども行われた様子も無く、路面は極めてフラット。


今も釣り人(現在は休止中ですが)のサガとして、こんな美しい渓流があれば魚影を探してしまいます。

杉やヒノキの落ち葉が積もった道もいいもんですね。


がしかし、それも地図上の終点まで。
そこから先はアトラクションの連続です。

沢ガレ、倒木、ザレなどなどをクリアしつつ・・


ワクワクしながら進んでいくと、無情にも呆気なく、スッパリと行き止まり!
その先は急斜面の崖でどうしようもありません。

地図にある破線道はどうやらココ?のようで、これも歯が立ちません。


仕方なくここは撤退。

こんな場合も想定して、帰りのガレ場ルートも十分に頭に入れておかないとエライ目に遭いますよ。
勢いだけでエイヤっと進んでしまうと後で泣きを見ます。


外来種『ジキタリス』がそろそろ咲き始めていました。
鹿も食べない毒花だそうなので、どんどん繁殖エリアが広がっているのが気にかかります。
この花にはどうも違和感があって、日本の里山には不釣り合いの植物に感じるのは僕だけではないはずです。

足元にはちょっと変わった色のコガネムシ(カナブン?)。
これは外来種ではないはず・・。

そこから少しワープして、先週走った不動滝の奥の林道。

ここにこれまで一度も入ったことがなかったなんて、すごくもったいなかったなと感じています。


メインの道は新しく、極めてフラットで絶景ポイントもアリ。


しかしこちらも先週より少し先に進んだところでジ・エンド・・


途中2本あった支線を探ってみると、こちらの方がかなり古い様子でしっとりとした良き雰囲気です。

良いな〜この道🎵
いったいいつごろ作られたのか?
そしてどれくらい長い間、誰も訪れていないのでしょう?そんな道が大好きです。




これがどこかに抜けていれば、そりゃあもう大発見なのですが・・

ここも奥に進むにつれてイロイロと。


仕方なくこのふたつの林道が結ばれているかもしれない、ということは諦めざるを得ませんでした。

しかし新旧の道が奥へと伸びる楽しいゾーンです!
それが分かっただけでも収穫と言えるでしょう。


次は若杉峠を越えて、久しぶりに『志倉道谷林道』(別名:樅木沼谷)へ入ります。
ここは2018年台風21号(だったと記憶しています)で大きな被害を受け、道は大きく崩落して復旧は難しいのでは?と言われていたところです。


ここがその崩落を修復した場所。

ここもまた美しい渓流沿いに約12km伸びる人気の林道なので、開通を待ち侘びていた人もかなり多いようです。
周辺の林道を組み合わせるにも、ここをメインとするのが良いでしょう。
僕も久しぶりに走りましたが、とても楽しく一気に駆け抜けたので画像は少なめです。


さて、そしてこの日のふたつ目の新規探索は、志倉道谷と阿舎利を結ぶ(かもしれない)ルート探索です。
途中の分岐にはこんな案内板もありました。
かつてはこの山道を越えて学校に通う子供達もいたそうです。

ここもまた、途中までは目を疑うような絶品フラットでした。


えでーさんのリサーチ力はいつも感心するのですが、このところそれがさらに際立っているようです。


とあるハイカーさんのブログにもあったという、藤無山の見える絶景ポイント。


ここも悪くない、いやそれどころか期待値が右肩上がりの素晴らしい道だったのですが・・


途中で大崩落?それとも途中で道を造るのをやめたのか、その先は消滅してしまいました。

う〜ん、今日は上手くいきませんね。
いやでもこれまで何度も言ってきたように、全く新たに知られていない林道/作業道をこの時代に見つけるのは容易なことではありません。


でも次の、そしてこの日最後の林道は、えでーさん&Kちゃんが自信たっぷりドヤ顔で『見つけたよ!』とアピールしてきた、阿舎利から別れたその奥にある万ヶ谷〜引原のスーパールートです!


ここも来るのは何年振りでしょう?
まだCRFに乗り始め、オフロードにどっぷりと浸かる前に一人で来て迷いかけましたっけ。


このエリアの画像はほとんどありません。
なにせ発見者のえでーさんですらミスコースをしてしまうほど、とにかく複雑なゾーンです。


そして最後の大きな難関は、この斜面を登り、木立の中を出口に向かうことです。

それで終わりかと思ったら、まだオマケがありました・

ビビったなあ・・でも完抜け達成です!
これは本当にスゴイ!!脱帽です!!
ふたりのリサーチ力と実行力にはいつも感心させられていましたが、このルートを見つけ出したことは文化勲章受賞レベル?でしょう。


このルートは文章や口頭ではとてもとても説明はできません。
慣れない方がむやみに入ると、それこそ迷って出られなくなり遭難してもおかしくないレベルです。
僕自信ソロでもう一度行けと言われても、やっぱり迷ってしまいそうな、そんなルートではありますが、楽しさのレベルは超弩級!!
よほどの手練れでない限りは真似をしようとは思わないでくださいネ。


さていつもタイトル画像は自分で撮ったものを使うのですが、今回のこのラストの写真はとても気に入ったので使ってみます。
Kちゃん、ありがとね!


帰路の途中の水田の稲もすでにだいぶ育ってきました。
日本の農地は本当に美しいですね。