苦楽園オフロード雑記帳

兵庫・京都・鳥取・岡山の自然と林道をSHERCO TY125、 TRRS XTRACKで楽しんでいます。乗れない時などはスノーシュー、クロカンスキー、たまに料理ネタも入ります。

Happy go Lucky!

真夏の廃道探索&ピークアタック! 7/2 但馬

前回『山は夏の香りに包まれている』と書きましたが、あっという間に梅雨が終わりましたね。
嬉しい反面、これからの台風シーズンが逆にちょっと心配。


さて今回はいつもSNSで繋がっていたMondoさんをお招きしたのですが、唐突な申し入れにも関わらず、快諾してくれての初参加になりました。
この方、聞けば僕とオフロードバイクでの嗜好傾向はとても似ていて、これまでの趣味も釣りなどカブるところがあって、僕の感は当たったかなと思わずにはいられません。
ただ今回は探索メインなので、バイクがWRだと少し苦労しないかと、そこだけが心配でした。


さあ、今日の1本目は以前に1日のラストで入ってしまい、途中で力尽きた坂本林道支線です。
ここは坂本林道と千原という集落を結ぶ作業道なのですが、ずっと八田と繋がるものだと思っていたのです。
坂本林道側からはほんの少し入ったことがありましたが、あまりに雰囲気が怪しく、そのまま下りに突入するにはリスクを感じて諦めていました。


そもそもここは3年ほど前から解明してやろうと、何度も下見や情報収集をしてその機会を窺っていたのですが、今日こそはなんとか完抜けを果たそうと意気込みは充分。
なにせこのところ、それぞれの目的達成に及んでいない日が続いていましたからね。

ただ内心は前回倒木処理をある程度済ませていたので、あとはせいぜい3、4ヶ所くらいの難関が残っているくらいだろうと高を括っていたのですが・・・


それが手鋸では不可能なほど太い倒木や、どうしようもない崩落があれば逆に諦めもつくのですが、頑張ればなんとかなりそうなレベルの課題が、うまいこと50mくらいの間隔で次々に現れてきます。


しかもこの日は猛暑日で気温はどんどん上がるばかり。
本来、この辺りのオフローダーで真夏に探索をする人などあまり聞いたことがなく、みんな夏は爽やかフラットに専念するのがフツーでであり常識人のすることです。
でもね、そこに未探索の道、特に廃林道があると僕らは我慢できなくなってしまうのですよ。
なぜならば、目的を達成したときの甘い蜜の味を知ってしまったからに他ならないからなんです♫

ひとつクリアーしては休み、またじわりじわりと進んで行きますが、それにしても手強い!
こんなはずじゃなかったんだけどな〜、というのが本音で、初参加のMondoさんには申し訳ない気持ちが膨らんできました。
これじゃあまるで詐欺同然!

こうした杉の倒木であればまだ切るのは楽なんですが、中には細くてもとんでもなく硬い倒木もあって、体力はどんどん消耗していきます。


でも林道女子&山ガールのKちゃんはこの日も元気いっぱい!


Mondoさんは最初はこんな場所でWRを乗りこなすのに戸惑っているようでしたが、徐々にトラクションのかけ方も分かってきたようです。


ガタイが良く、手足が長いのはこんな時に有利ですね。


廃道探索には倒木処理のノウハウが欠かせません。
どこをどう切れば良いか、瞬時に見分ける眼も大切な要素です。
場合によっては切る必要もなく、力を合わせて移動できるかどうかも判断しなければなりません。
Kちゃんが下僕達に『ここをお切り!』と命じています?

そうこうしているうちにつづら折りをいくつかターンすると周囲も開けた雰囲気になってきて、そろそろ努力が報われたかと喜んでいました。


が、しかし・・・


な、なんと、これまでには無かった太さの倒木が道を塞いでいるではないですか!
道はその先で行き止まりの道と、坂本林道に繋がるであろう道と分岐しています。
パッと見た時は絶望感と無力感に苛まれて、しばし呆然と座り込んでしまいました。
『ここまで来てこれかよ・・そりゃあないよ〜!』と。


しかし一旦クールダウンしてからあらためて作戦会議をすると、
①倒木をなんとか向こう側に越えて、折り返してもう一回倒木を越える
②倒木の手前の斜面を一気に登る
のふた通りの案が浮かんできました。
そして選んだのは②の方で、2m弱の高さの垂直に近いステアで助走はほとんど無く、登り切るとすぐに左ターンというセクションです。


なるべくトラクションがかかるように地ならしをしてから次々に挑むメンバー達!


こんな場所では不利になるWRのMondoさんも見事にクリア!!


そして遂に、その先には見覚えのある区間が現れてきて、坂本林道と合流したその瞬間、大声で『ヤッター‼️』と叫ばずにはいられませんでした。


後でログを取っているえでーさんに確認をすると、この支線はたった2kmほどだったことが判明しました。
それに要した時間は4時間あまり!
興味のない人にとっては『な〜んだ』ってことになりますが、僕らにとっては大いなる収穫です。
これほど荒れ果てる前に走ったことのあるライダーが、もしかすればおられるかもしれません。(バイブルには記載無し)
しかしその後は僕らが完抜けできた最初のオブオフローダー(廃道オフローダー)なのは間違いなし。
道なき道を往くゲロライダーの方々には及びもつかない些細な自己満足ですが、リサーチと実行力という点ではこっそりと自慢できることかなと。


それにしてもあまりにも時間がかかってしまったために、予定していたその後のフラット林道は全てカットして、やって来たのは先週貸切になっていて入れなかった、香住では僕のお気に入りNo.1のこの店の刺身定食。
ここは他のメンバーは初めてでしたが、大いに気に入ってくれた様子です。

いつもだと海を眺めながら食後の休憩とするところですが、この日は時間が押していたので先を急ぎます。
悩んだ末に選んだのは大野林道で、これが本日唯一フラット林道となるとは・・。


ここは稜線を走る林道なので、道の左右の樹々が無ければどれほど見晴しが良いものかと、それだけがちょっと残念ですが、概ね走り易くお気に入りのひとつです。

その後は瀞川氷ノ山にも匹敵する距離ながら、ほぼ全線舗装されている道をクネクネと走り(みんな睡魔に襲われていたらしい)・・・

この日のもうひとつの目的であるピークアタックの入り口に着きました。
あらためて下見をすると最初の登りが難敵で、それを見たMondoさんとKちゃんはステイ宣言をしていました。
ところがなんとKちゃんが徒歩でその先を下見をすると、素晴らしいエスケープルートが見つかったのです!


うっひゃ〜!雰囲気最高の馬の背をなだらかに登って行きます!!


ここまで来れば、もう成功は目前。

自然林の間をさらに進めば・・


パッと開けた場所に出て・・・

やったゼィ!!
遠くは白山から大山まで、文字通り360度のパノラマが広がるピークに到達です!!

この日はやや霞んでいて、前述の山々までは見ることはできませんでしたが、それでもこんな雄大なスケールが広がる場所はそうそうありません。

その道のスペシャリスト、えでーさん&Kちゃんにとっては県内11座目の達成だそうですが、僕にとっては8座目かな?
そのうちのいくつかは、ふたりから教わったものですけどね。

標高は1100m足らず、すぐ近くの盆地である豊岡市内のこの日の気温に比べれば10度近く低く爽やかです。

体力を使い果たし、優雅に?寝そべる林道女王様。
次の日はまた登山のご予定だったそうですが、さていかがだったのでしょうか?


走った林道の本数は過去最少だったものの、1日にふたつも大きな成果が挙がったことは初めてです。
この日のことは、のちのちの良き思い出としてきっと語り続けられることでしょう。


あらためまして初参加のMondoさん、お付き合いありがとうございました。



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