恒例TOM'Sツーリングと但馬牛
このログは今回のルートを事前に歩いて調査した時のものです。
例年秋から冬にかけて、兵庫県の中部以北では晴れて放射冷却のあった朝に、各地で濃霧が広がります。
霧海に浮かぶ竹田城の風景はとても有名ですが、それに比べると霧の発生頻度が低い円山川河口の日和山海岸の川あらしは『日本三大川あらし』として知られています。
この画像は豊岡市観光公式サイトからのものです。
もしかしたら今日見られるかも・・という期待もあったのですが、到着したのは8時頃だったのでちょっと遅かったようです。
集合場所にはTOM'S社長の吉川さんと、はるばるこのために浜松から片道400km近く日帰り参加の内山さん。
お二人はテナシウォン TWJ200L 、僕はいつものTRS X-TRACKのトライアル車トリオです。
ご存知の方も多いでしょうが、吉川さんはかつては第一線でご活躍されていたトップライダーのおひとり。
内山さんはそれほどコンペ志向ではないそうですが、地元ではバリバリ走っておられるので山走りはお手のもの。
テナシウォン輸入元の近藤社長にもお声をかけたのですが、残念ながらお仕事で参加ならずでしたが次回はぜひ!
駐車場から最初の林道までは15分ほどですが、リエゾン途中は冷えました。
景色の良いところまで登れば雲海を見下ろせるかなと思ったのですが、それは高度が足りず自らが霧の中。
まあ、それはそれで幻想的でしたケド。
お遊びポイントを見つけると、トライアルライダーとしての血が騒ぐ吉川さん。
70代半ばでお店の経営(整備、修理もこなし)、ライダーとして自らの競技出場、自社の大会開催や全日本のオフィシャルとしての参加など、どこにそんなにパワーがあるのと?いつも驚かされるばかりです。
この日は朝からダジャレの連発で、「笑ったら負けだ!」と思いながらもプッと吹き出してしまいます。
冷えていた体も陽が降り注ぎ、アトラクションをこなしていくとすぐに汗ばんできます。
テナシウォン2台も細かいTOM'Sスペシャルチューンが施され、この日は絶好調のようです。
森の中に降り注ぐ陽射しの美しさに思わず見惚れてしまいます。
お二人はグイグイ進んでいきますが、僕は最初にコケた時に右肩を亜脱臼・・
最初は釣りに行った時に足を滑らせて、2度目はロードバイク(自転車)で落車した時にやってしまい、それ以来もずっと脱臼癖が続いています。
そのせいもあってこの日はより臆病になって、ヘルプや代走まで頼んでしまいました。
どーもスミマセン!
昼食までは少し時間が余ったので、まだ走ったことの無いルートにも行ってみました。
ここは予想以上に良い雰囲気なのですが、とにかく倒木倒竹の連続で・・
少し先の様子も歩いて探りましたが、到底3人では太刀打ちができそうになく、次回までに整えておくようにと命令が下されました。
ダークサイドの皆さん、ぜひご協力をお願いします。
城崎駅前のおけしょう海中苑に開店ちょうどくらいに着くと、なんと入り口前には長蛇の列。
これは待たなければ無理かなと覚悟を決めましたが、ここは客あしらいが素晴らしく、なんとか一回転目に滑り込みセーフ。
吉川さんと内山さんはそれぞれ海鮮丼メイン、僕は旬のマガレイ(アカガレイ)の煮付け。
ここの煮付けは絶対におすすめです。
海鮮は腹八分目に抑えてもらって、2軒隣の上田畜産で但馬牛の握り、炙りとローストビーフを味わってもらいました。
上田畜産は繁殖から精肉販売まで一貫して行う名門牧場ですが、どちらが好みかと聞くと、お二人の意見は割れて引き分けでした。
但馬牛は脂身の融点が低く、サシが多くても口当たりが良く、また香り豊かです。
ちなみにこちらはどちらも一皿1200円で一貫600円というお値段ですが、高いと思うか安いと思うかはアナタ次第。
さて、ここでちょっとウンチク話ですが、興味のない方はスルーしちゃってください。
まず『但馬牛』とは「たじまうし」と「たじまぎゅう」と二つの読み方がありますが、前者は生きている牛のことであり、後者は精肉になったものを指します。
そしてその歴史は西暦1800年ごろに端を発します。
兵庫県北部の香美町小代区に生まれた前田周助という人が、もともと存在した地元の牛の血統を整理して優秀な牛を生み出しました。
しかし明治に入り彼の死後、食用としての牛肉の需要が高まり、それに目がくらんだ人たちがより大型化して生産効率を上げようと外国種との交配が進み、その結果肉質や性格の低下と純血の喪失の危機が訪れたのです。
そこに現れたのが田尻松蔵という人物ですが、幻となりかけた但馬牛の血を統く4匹の牛を、僕の大好きで現在は廃村となっている小代のさらに山奥深い熱田という集落に発見しました。
https://web.pref.hyogo.lg.jp/ks20/documents/05shiryou05-2.pdf
その中から多額の借金までして「ふく江」という牛を購入し大切に育て、そのふく江が昭和14年に4番目に産んだ仔牛こそ、現在の国内黒毛和牛99.9%のルーツとなる『田尻号』だったのです。
そう、神戸ビーフも松坂牛も、近江牛も飛騨牛も米沢牛もほぼ全てがこの血統で繋がっているのです。
田尻号は種雄牛として12年間で全国に1500頭の仔牛を残していますが、現在のような人工授精の技術が無い中で、その優れた繁殖力は群を抜き、顕彰碑も建てられています。
(ちなみに田尻さんのお墓もとても立派なものです)
そんな但馬牛を食べてみたいと思うアナタ、この上田畜産の他におすすめするのはこちらの焼肉店『鼓々』。
お値段は他と変わらないくらいのリーズナブルな設定でいただけます。
さて、話が大きく逸れてしまいました。
午後からは僕たちが開発した中でも最もバリエーションに富み、アトラクション豊富で難易度もそれなりのロングルートを楽しみます。
いろんなルートも取れるのですが、今回は前回このメンバーで走った時とは逆回りで走りました。
特に吉川さんはここがお気に入りで、内山さんもピョンピョン飛んでいくのですが、夏に走った時よりも倒木倒竹が増えて、踏破力に劣る僕はヒーヒー言わされてしまいました。
この夏から秋にかけて台風も大雨もなかったはずなのに、なぜあんなに荒れてしまったのか?(こういうのが好きな人には魅力アップ!?)
よく天橋立と間違えられる小天橋は山に隠れて見えませんが、澄んだ青空の下に久美浜湾が広がっています。
ここがこのルートならではの尾根モジャモジャ区間。
何度来ても迷いそうになり、今回もあわやミスを犯しそうになりました。
その西側の作業道との出入り口では、大きな木に塞がれてしまっています。
僕は手を借りてよっこらしょと持ち上げてクリアしましたが、お二人は迂回路からステアを降ります。
前回の時はやや体調に問題があったという吉川さん、今日は終始好調でした。
(この後、道に倒れかけたネットの支柱にハンドルを引っ掛け、突然転倒をしていたのはナイショです)
いつも思うんですが、もし内山さんが近くに住んでいたら、毎回でもお誘いしたくなるくらい楽しいし、何かと頼りになる人物です。
円山川の向こう、来日岳に沈む夕陽が綺麗でした。
僕の肩はこの記事を書いている翌日も痛みは残っていますが、まあそれは慣れっこなので大丈夫なんですが、足腰はボロボロで筋肉痛だらけ。
まあそれも、城崎温泉の外湯である御所の湯で癒しておいたので、これくらいで済んだのかもしれません。
また来年の春に再会を誓いましたが、そのためにもトレーニングをしておかなければ!