台風直撃!どうなっている但馬? 8/19
8月15日に兵庫県のど真ん中を縦断した台風7号。
報道によれば、県内で最も被害が出たのは一番北、日本海に面した香住周辺でした。
そこは前回8月5日にも訪れている、そもそも但馬の中では僕が一番訪れていると言っても良いほどのお気に入りの場所です。
台風から4日後の状況は一体どうなっているのか、不安を覚えながらも北に向かいました。
デポ地はいつもの神鍋高原。
台風一過の爽やかな風を期待してたことを嘲笑うように朝からとても蒸し蒸ししています。
まずはそこから一番近い通称万場(神鍋蘇武林道)へ。
リフト最上部まで登る間、肩透かしを食らうように全く被害は見受けられません。
その前がカラカラだったせいか、よくできる大きな水たまりも無し。
そこから蘇武線を少し走り奥神鍋のてっぺんに。
ここから見る景色もいつもと全く同じです。
粟ケ尾林道を降っていくと、やや路面が荒れ気味ですが倒木や崩落もほぼ皆無。
ところがその途中からフロントホイールからの違和感を感じて、止まって確認するとスローパンクの様子。
下り切ってから涼しくて作業のしやすい場所を探してチェックするも、釘などの異物は刺さっていることも無し。
おかしいなあと思いながらも、携行している新品チューブに交換。後から調べるとどうやらバルブコアに問題があったらしく、それならばコアだけ変えて済んだかも・・・。
再度チェックするとチューブ内側の溶着部に亀裂がありました。
原因は経年劣化かと思われますが、こんなことは初めてです。
予定では用野和佐父林道から本谷奥林道〜宮神山田林道と繋ぐつもりでしたが、修理に時間を取られてしまったので、県道4号から宮神山田林道へ直接入ります。
4号線の射添地区付近は道路に川の水が溢れた様子でまだ泥が残っています。
その宮神山田林道に進むと、ところどころの斜面や道を横切る枯れ沢から土石流の跡が。
しかしこの林道は途中まで人家があるので修復は迅速に行われたのでしょう。
それにしてももっと山深い、例えば中辻肥前畑林道などではよく見られるようなこんな光景を、この辺りで見るのは初めてです。
それもそのはずでしょう、ニュースでは80歳を過ぎたご老人が、生まれた時からこの地で暮らしているが、今回のような豪雨は初めてだと証言していたくらいですから。
しかし人家のある場所を過ぎてから、稜線と並行に伸びるフラット区間はそれ以前と全く変わらぬ平和な状態です。
中間にある支線の入り口に着くと、このところずっとあった工事車両が無くなっていたので久しぶりに入ってみます。
すると以前よりも作業道が奥へと伸びており、以前よりもパッと開けた絶景ポイントができています🎵
この辺りは皆伐したために植樹されて、その幼木を鹿などから守るために袋が被されているのがちょっと不気味かも。
知らない人が入ってきたら逃げ出すかもね。
ここから見える風景は左に氷ノ山、正面に扇ノ山です。
遠目に見えるスキー場のゲレンデらしきものはどこだろう?
但馬牧場公園だったら見える角度が違うはずなのですが。
本線に戻って山田集落方面に向かって降り始めると、予想通りにアトラクションが次々と現れ始めました。
ここは難易度D、右側から楽勝です。
ここは沢から流れ出てきた土砂が積もっています。
割と浅く、そこそこ締まっていたのでやはり難なく通過の難易度C.
そのつもりで次に現れたアトラクションに下見もせずに突っ込んだら、前後のホイールがズブズブ半分ほど、まるで底なし沼かと思うくらい埋まって身動きが取れなくなりました。
よく残雪の季節にもありがちなことですが、雪と違って泥は粘りがあるので、はまった自分の足を抜くのもひと苦労です。
こんな時は真後ろに引いてもほぼ無駄で、バイクを寝かせながら手前にフロントを引っ張り向きを変えるのが正解です。
ここの難易度はスペシャルA!
オフロードブーツはしっかりとバックルでホールドされているので大丈夫でしたが、普通の長靴だったら靴だけ残ってしまったでしょう。
それでも思いっきり『フンヌッ!』と力をこめなければ身動きもできません。
こんなことは2018年の台風21号の後、小代の仏ノ尾林道出口で味わって以来です。
軽いシェルコTY125だったから一人でも脱出できましたが、重いトレールバイクだったら無理だったかもしれません。
この林道はここから先が山田集落に向かって峠を下っていきますが、おそらくこれと同じか、これ以上のアトラクションがあると予想されたのでここで引き返します。
このままでは昼食を摂るのに店に入ることもできないので、いつもの矢田川の河原に行ってみると、手前側に普段は無いもうひとつの流れができていました。
とりあえずブーツのまま川に入りジャブジャブ洗って泥を落とします。
こんなこともあろうかと、今日は防水ソックスを履いてきたので助かりました。
普段は目にすることがない何かの稚魚が足元をたくさん泳いでいます。
激流の中でよく生き残ったものですが、やはりどこからか流されてきたのでしょう。
この近くの田中畜産さんがXでポスト(この言い方にまだ慣れない)されていましたが、洪水の後に残された水たまりから、たくさんの小魚が網で簡単にすくえたそうです。
昼食はいつもの店「W」で新メニューの甘エビ丼♪
とっても美味しく、僕の生涯でこんなたくさんのエビを一度に食べたのは初めてですが、プリン体が・・尿酸値が・・ちと心配でした。
それにしてもコロナ明けで初めての盆休み終盤で、飲食や宿泊業の方々は忙しくなることを期待されていたでしょうが、それを裏切られて本当に気のお毒です。
この日も普段だったら開店同時に次々に訪れるはずのお客さんも、僕以外では地元の常連さんおひとりだけでした。
洪水被害修復などのボランティアはできませんが、ほんのわずかでもお金を落として役に立てたらと思います。
このブログをご覧の方で行動範囲内にお住みの方ならば、ぜひ香住に足を運んで美しい風景と美味しい海の幸を楽しんでください。
矢田川の河口に面した香住浜は打ち上げられた木クズが目立ちますが、ニュースで見たそれよりも遥かに少なく安心しました。
しかし西側にある小さな入江には、ニュース画像そのものの海面を埋め尽くす流木が。
地形と潮流の関係でこうなってしまうのでしょうが、エンジンに吸い込んでしまうために漁に出られない漁船も多いそうで、早急な現状回復が求められています。
海水浴客には人気の三田浜もやはりこの程度でしたが、いつもは賑わっているはずのビーチも数組のお客さんがいる程度でした。
三田浜から鎧(よろい)に抜けるショート林道。
ここを通るとよくカメラを持った方と出会うのですが、一体何を撮られているのでしょう?
風景?それとも鳥か蝶でも??謎です。
それにしても、たとえショートでも海の見える林道は良いですよね🎵
僕の定点撮影ポイント「鎧漁港」。
まるで絵葉書か映画に出てくるようなこの風景(実際に極道の妻たちなどのロケ地としても有名)が大好きです!
釣り人視線で見ると透明度が高過ぎるうえに藻場や岩場が少ないので、あまり魚はいないだろうなと思うのですが、シーカヤックにでも乗って一度楽しんでみたいなあ。
さて今日の探索ネタリサーチとして、もっとも期待を膨らましていた船越峠の途中にある作業道です。
ここは昨年も来ましたが、その時は延伸工事中だったので途中で引き返しました。
しかし先日とあるハイカーさんの記録を見ていると、近くにある久斗山に向かう途中の稜線に新しい林道ができていたとあったのです。
久斗山周辺は以前から精査を重ねていたのですが、その手がかりはなく諦めかけていましたが、もしそれが本当ならばこの作業道が伸びているとしか考えられないと思ったのです。
さらにまた別のハイカーさんの発信から、この近くに鳥取へと繋がる旧街道が山中にあるとも!
これは多少苦労しても攻めるしかありません。
で、普段ソロではあまりやらないこともやり・・
峠を登って行くと右手には日本海が広がっています。
ただ前回ほど空気が乾いていないどころか、湿気がものすごくて水平線がぼやけています。
この道の序盤2/3くらいはかなり古そうなのですが、その先1/3はまだ新しく造られた区間になっていきます。
道を横切るような沢がほとんど無いので、台風の被害はこの程度。
前回工事中だったのはこのポイントでした。
それがずっと遥かその先まで伸びているではありませんか!
しかーし、法面も路肩も補強していない区間になると問題発生!
バイクを置いて歩いて先を確かめると、まだまだ続いているようでした。
もしかすると見える範囲のすぐ先でジ・エンドとなるのは林道あるあるです。
最後まで確かめてみたかったのですが、この日の蒸し暑さは尋常でなく少し頭がクラクラしそうになり、こりゃヤバイぞと思って引き返しました。
以前庭いじりをしている時に2度ほどヤバかったことがありますが、アレは気がついた時には膝が折れてストンと尻もちをつくくらい突然やってきます。
特にこんな日のように蒸し暑いと、汗が乾く気化熱で冷やされることもないので非常に危険です。
再び船越峠に戻り香住港を眺めます。
BIGが当たったら、この風景が見える場所に別荘を建てようっと♪
さてあらためて台風被害の状況ですが、梨畑の様子も大丈夫だったようです。
ニュースでも報道された矢田川温泉付近の水田もご覧の通り何事もなく稲穂が実り垂れ始めています!
この写真にあるように左が矢田川、右の集落で床上浸水があったのですが、どうしてその間の水田が被害をほとんど受けなかったのかこれも謎です。
でもとにかく農家の方達の努力が失われず、本当に良かった。
普段ならば夏はこの通り、大きな中洲ができるくらいの水量が、先日は一気にそれを覆い隠して溢れていたなんて信じられないほどの静けさを取り戻しています。
それでも大野集落近くで河原を走ってみると、大きな木にはたくさんの流木が引っかかり、その荒れ具合を物語っています。
さてここからは県道4号線西側の林道の様子です。
池ヶ平林道は全く以前と変わりない平和な様子。
中間付近にあるかもしれない安泰寺に繋がる道を探して支線に入りましたが、それらしきルートは見当たらず。
唯一→のところに赤テープがあり、その手掛かりかと思いましたが、さてここからどうやって?
さらに鳥取に繋がる旧街道とは何処に?
これはもう安泰寺のご住職に伺うしかないかなあ・・
池ヶ平林道本線に戻ると鹿の頭蓋骨が道の真ん中に鎮座していたので、轢かれないように路肩に動かしておきました。
それにしてもこの付近はこれまでに何度も鹿の死体が見受けられるのです。
この日も頭蓋骨のそばには、まだ新しい鹿の毛皮の一部らしきものが落ちていました。
カラスや他の猛禽類の仕業か、それともこの付近には熊が多いのか、それも謎のひとつです。
本線を過ぎて安泰寺側も探ってみましたがやはり手掛かりは無し。
安泰寺は檀家を持たない自給自足の禅寺で、修行されている一般の方(海外からも多い)が畑仕事をされていましたがご住職の姿は無く、わざわざお呼び立てするのも申し訳ないのでそのまま立ち去りました。
久斗山集落を過ぎ本谷林道に入るとすぐにこの倒木ありでしたが、これはこのまま通過可能。
グリーンカーペットは暑さが続いたせいなのか色褪せていますが、路面自体は荒れていません。
宮神山田林道で遭遇したような泥濘ゾーンも3ヶ所ほどありましたが、これも路肩側から通ることができました。
この程度ならば、春先の雪解け後の方がよほど酷いくらいです。
今回は元々廃道だった三川東などは危険と判断して走っていません。
これをお読みになった方の中には、そんな台風後の危険な状態でソロ林道などとんでもないとお思いになるかもしれませんが、確かにそれはある意味その通りです。
ただ僕はこの地域の林道には熟知しており、もしもの場合林道ならば10km歩いてでも帰れる最低限の体力と判断力は持ち合わせているつもりです。
もちろん過信は禁物ですが、どんなスポーツでもリスクはありますから、大切なのはリスクマネージメントではないでしょうか。
とにもかくにも、心配していたほどの大きな被害は今のところは無くひと安心しました。
あの泥地獄ももう少し乾けばきっと容易に通過できるでしょう。
今年はもうこれ以上台風が来ないと良いのですが、なんたってまだ8月中旬ですから台風シーズンあと2ヶ月あまり、穏やかな日々になることを祈ります。