美しきブナの森に眠る古道 7/16
天候不順や諸事情で3週間ぶりのブログとなりました。
これを書いているのは17日の海の日ですが、事実上梅雨はすっかりと明けましたね。
猛暑がやってきているにも関わらず、いつもの兵庫県北部神鍋高原をベースとしてグループで探索という暴挙?を敢行してきました!
集まってくれたのは前回の探索と同じ強者の面々。
前回は急なお仕事で参加できなかったあにぃさんも来てくれました。
なにせ皆さん速いので、鈍足の僕は付いていくのは必死ですが、なんと言っても探索能力に於いてこれ以上の実力派はそうそういません。
さらにこの日は隣県の鳥取からスペシャルゲストもお呼びしています。
駐車場の脇にあるイチョウの木をふと見上げると、そこにはたわわに生った銀杏がありました。
やっと真夏に突入したなと思っていたら、自然界はしっかりと秋に向けての準備をしています。
蘇武トンネルを抜けてから1本目の林道に入り最初の休憩。
すでに気温は30度を超えているようなので、こまめな休憩を心がけます。
2本目の用野和佐父林道を抜けると・・
本日のスペシャルゲスト、鳥取のトライアルライダーY本さんとここで合流。
なにせナンバー付きとはいえ、純粋なトライアル車での参加なので航続距離が極端に短いために部分的参加です。
そこからほど近く、廃道を入ったところからK川さん提案の新規ルート探索。
実はここ、僕も来たことはありましたがすぐに諦めていた場所でした。
すっかりと崩れた廃屋とは対照的に、まだ状態の良いYAMAHA DT125が眠っていました。
十分レストア対象として使えそうですが、所有者の方を探すのは至難の業でしょう、惜しいですね。
さあいよいよ真夏の探索の始まりです!
K川さんの仮説は、今は並行して伸びている県道ができる以前に、この辺りから少し北にある耕作地(現在は放棄地)を結んでいた道ではないかというものです。
最初はやはり耕作放棄地らしき場所で平坦でしたが、次第に沢沿いの細いキャンバー(傾斜地)の道?になってきました。
こういった古い沢沿いの道はこれまでもいくつか経験がありますが、急な登り下りに負けず劣らず苦労させられることが多いです。
細い道幅に加えて崩落や倒木が多く、下手すりゃ滑落します。
木々も雪の重みのせいか、こんなふうに横に伸びているので、油断するとヘルメットを強打します。
結局このルートは予想通りに繋げることができずに、途中で引き返すことになりました。
その際にあにぃさんが痛恨のライン読み違いで斜面途中でストップ。
そのまま上がることは諦めて、一旦下まで降りてのヒルクライム。
ベテランでもわずかなミスでドツボに嵌ります。
ルート脱出前にひと休みしている時に見上げれば、広葉樹が空を覆って心地よい風が吹き抜けていました。
なんだかんだ、ほんの1kmくらいの距離でしたが、ここで往復2時間くらい費やしています。
午前中にもう1ヶ所走るつもりでしたが、予定変更して香住に向かいます。
本谷奥林道から・・
宮上山田林道を抜けて行ったのですが、この写真のあたりはいつもと変わらずフルフラットでも、峠の途中では数日前の豪雨のおかげでかなり路面は荒れていました。
この日は総勢7名だったので、いつもの店に入るのは難しいかなと思っていましたが、ラッキーにもすぐに座れて、僕は白イカ丼を注文🎵
この時期ならではの、上品な甘さで歯応えの良いその味はやはり絶品です。
ガソリンと水分補給を済ませ、本当だったら途中の川で泳ぎたいくらいでしたがそこは我慢。
三川林道(舗装)に登り直し、石碑のある広場近くからブナの森の中に眠る古道を探します。
ここは行けたとしても目的ポイントからピストンで戻らなければならないと思っていたのですが、前日に改めてリサーチをしているとあるハイカーさんのブログを見つけて、それによると抜けられる可能性も高まってきたのです。
今日お誘いしたY本さんはこのルートを途中まで走ったことがあるそうなので、その話をしたら大いに乗り気です🎶
植林された杉や檜の森と違い、ブナやコナラの森は本当に爽やかです。
かつては炭や薪の材料として里山に近い山では伐採され尽くして禿山となり、戦後の材木不足を補うために杉や檜が植栽されたということですが、少しずつ元の自然に戻す活動も行われていると聞きます。
それとは違い、この辺りは深い山々に囲まれているので、古代から変わらぬ美しさを保っているのでしょう。
冬になれば深い雪に覆われる過酷な環境で生き延びてきた木は、往々にしてこんな姿で残っています。
古道探索はそんな中で少しずつ奥へと進みます。
頼りになるのは、少しずつ集めた資料とGPS、そして変化を見逃さない観察眼。
その点、このメンバーは皆それぞれのスキルと経験が豊富で、しかも楽しく心強いことったら🎵
先ほどは自発的崖落ちで小さなミスをしたあにぃさんは、ここでは名誉挽回とばかりに皆んなが見落としたルートを発見!
ただしそのルートを進むには、急斜面に残されたつづら折りの道を下らなければなりません。
一旦下って、もし戻らなければならなくなった時のため、試走を買って出た大隊長はまもなく古希を迎えるそうですがお元気そのもの!
特にこの日に乗っていた所有車の中でも最もパワフルなKTMの2ストモデルに、新品のゲコタ(ハイグリップタイプ)タイヤを履かせたのがその理由のようです。
トライアルライダーならではのテクニックで、Y本さんも楽しそう🎵
課題は残したものの収穫も十分にあり、また今後が楽しみになりました。
森を抜けると真夏の空。
標高は700〜800mくらいあるので、風さえ吹けば心地良いくらいです。
さらに少し移動してから森遊びは続きます。
このエリアはブナ、橅、山毛欅。
こんな絵画のような美しい森に酔いしれます。
以前ならば、真夏は爽やかなフラットダートを繋ぐことがメインでしたが、いつの間にかこんな遊び方がすっかりと気に入ってしまいました。
体力はもちろん使いますが、こんな贅沢な遊びはなかなかありません。
楽しくタフで心強いいメンバーに恵まれてます。
皆さんありがとうございました🎵