苦楽園オフロード雑記帳

兵庫・京都・鳥取・岡山の自然と林道をSHERCO TY125、 TRRS XTRACKで楽しんでいます。乗れない時などはスノーシュー、クロカンスキー、たまに料理ネタも入ります。

Happy go Lucky!

思い続ければいつか叶う夢の世界へ 6/7

ゴールデンウイークが明けてから、本来なら一年のうちベストなバイクシーズンにもかかわらず、土日週末は雨というパターンが続いていました。

おかげで楽しみにしていたグループツーリングもひとつキャンセルとなってしまいましたが、それ以外も家でダラダラしていたわけではなく、相変わらず県北部の但馬通いを続けていたのです。



そのうちのひとつは前回解明できたと思っていた、城崎周辺の新ルートのさらなる拡大開拓も。



これは350km以上も離れた浜松から、弾丸日帰りで走りに来てくれた良き友に向けて、スペシャルルート設定と確認のために歩いて調べておきました。




ここは既存の林道の途中から尾根に取り付き、その先にあるふたつの作業道からまた尾根の獣道で繋ぐ素晴らしいルートが完成して、当日一緒に走るととても喜んでもらえました。

ただ諸事情でこの日は画像をほとんど残しておらずブログにはできません。

また別な機会で行った際は皆さんにも公開します。



そしてもうひとつは一昨年からチャレンジしていた古道の調査。

昨年も同じエリアを歩いて調査していたのですが、その時のルートはバイクではあまりにも難易度が高く諦めていました。

ところが新たな情報をキャッチして、それとは別のルートならばバイクでも行けるのではないかと確信に近いものが浮かんできたのです。





どうしてそこまでこだわるのかというと、まず『古道』というそのものの魅力です。

有名なところでは熊野古道のように巡礼のためだったり、あるいは地方の特産品の流通の道だったりするわけですが、それ以外にも現代の道ができる前の、村と村を繋ぐ生活道が但馬には多く残っています。

そのほとんどは、よくまあこんな険しいところを歩いて越えていたなあと思うことがしばしばで、昔の人の生活ぶりや苦労を想像すると頭が下がります。

さらに細かく調べていけば、これまで知らなかった色々なことが浮かび上がってきて、知的好奇心も刺激を受けます。

そんな昔の様子を想像しながら歩いたり、あるいはバイクで走ったりするのが本当に楽しいのです。


そしてもうひとつの魅力は、地形図から走れそうなルートを自分で判断しプランを立て、現地に行けば微かな古道の跡を追い、方向を見極めて走ることです。

ラリーは主催者からマップを受け読み取り、それに従って走るのでしょうが、これは全て自分たちで始め、切り開き、そして完結するものです。

何かのきっかけで調べ始め、時間をかけて周到に準備し、何度も失敗の回数を重ねて走破できれば、それは経験したものだけが知る至高の悦びなのです。



さて、そして約1ヶ月ぶりにいつものメンバーが集まりました。

この日のプランはいつもの神鍋高原のデポ地から、どちらも入り口まで5分で行けるふたつの古道のチャレンジです。

どちらを先にするか迷いましたが、より難易度の高い『小城越(こじょうこえ)』からで、しかもK川さんの提案で下りルートではなく、さらに困難が予想される登りルートと決定。

これは稲葉(いなんば)地区と今は廃村となった小城を結ぶ道です。


小城についてのレポートです

https://www.town.mikata-kami.lg.jp/www/contents/1400630800550/files/2014kojyoutsuioku.pdf


注:少し離れたところに同じような地名で『小代越(おじろこえ)』と言う場所が鉢伏山と氷ノ山の中間にありますが、それとはまるで別の場所です。



そうとなると、取り付きの渡渉からのガレ登りというスタートです。

鳥取のY本さんはトライアルIBの腕なので余裕のライディングでしたが、僕は朝イチどうも身体に力が入らずボロボロのスタートで、この先一体どうなることかと不安な出足でした。

ヘルプを受けながらわずか数10メートル進んだだけで、この日の体力の8割を使い果たした気分・・



それでもやはりその森に抱かれると、僕だけでなく誰しもがその美しさにテンションが上がります🎵

杉や檜の植林帯とは別世界の広葉樹の新緑の素晴らしさは、この國に残された大いなる自然遺産です。



いくつかの小さなピークを繋ぎ、鞍部(谷間の平らな区間)と尾根を過ぎていきます。

斜度があるところは明確に道の跡があるのですが、鞍部になるとそれは消えてしまい、先日自分で付けておいたマーキングが役立ちます。

(ご注意ください、慣れない人が踏み込むと、ここはまず間違いなく迷います!)



ひとりで歩いてきた時も感激しウットリとしたこの尾根区間には、他のみんなも感嘆の声を上げていました。

オフロードライダーでもそんなことには無頓着の人もたまにいますが、やっぱり価値観が同じということが大切なのです。





『こんなに雰囲気が良いのなら、お昼の食べ物と飲み物を持ってくるんだったね』なんて言ってくれる人もあり、そうだよな、それも良かったなあと思いながら腰を上げてさらに進むと、以前2度目のチャレンジで来ながらも、渋々引き返したポイントまでやって来ました。



その時はまだ情報不足で、今回来た道を逆に下るとどうなるか分からず諦めていたのです。

でもここからこの先の北側はすでに往復で走っていたので安心してゴールに向かいます。



そして遂に足掛け3年、歩きでのリサーチ2度とバイクでのチャレンジ3度目にして、ようやく全線突破できました🎵



距離にすれば5km弱というところですが、費やした時間は3時間近く・・

体力的には本当に疲れましたが、とても濃密で素晴らしい時間でした。



嬉しさを噛み締めながら、昼食には『蘇武岳の里・豆腐店』でのお惣菜で腹ごしらえ。

揚げがんも、おからのコロッケ、ゆば、白あえに豆ご飯というヘルシーな組み合わせ。

見た目はとても地味ですが地元では人気の店で、田んぼの真ん中にある立地環境にも関わらずお客さんが絶えません。



そして午後からは太田地区から大岡山に抜ける古道に挑みます。

ここは本来は床瀬そばで有名な椒(はじかみ)地区に繋がる古道なのですが、途中からその道を外れて尾根を登ると、昨年開拓した大岡山周回路に抜けられることが、やはり先月の徒歩調査で分かったのです。

以前にバイクで来た時はこちら側からも、また反対側からも途中から道が不明瞭になって撤退していたのですが、今回はそれを繋ぐのが目的です。



こちらは午前のエリアと違い針葉樹が多くなり、大袈裟に言えばモノクロームに近いような雰囲気。

これが広葉樹だと総天然フルカラーといった感じになりますが、この時期の杉や檜の香りは大好きです。



それでも所々には広葉樹もあり、峠の頂上には日本海から吹いてくる涼しい風が通り過ぎていきます。



この日は三日ほど前から雨が降っておらず、トラクションはしっかりとかかるので以前よりも楽に周回路と合流できました。



その周回路にはいくつかのセクションが待ち構えていて、そのひとつはこの崩落区間。



もうひとつは複雑に倒木が絡まったこのセクション。

直前の整備の後にアンダーガードをつけ忘れたと言うT橋さんがちょっと苦労していました。



そんなこともありながら、その周回路の支線奥から、今は閉鎖された森林公園に下るルート(ここも事前に徒歩調査済み)をみんなで確認して、次回来た時のためにあれこれ道を整えてこの日は終了。

本当は実際にここを下るつもりでしたが、K川さんは難ルートはあくまで登りでクリアしてナンボという考えのようで、チャレンジは次回に持ち越しです。

この時すでに夕方5時に近づきつつ、僕の体力も底をつき始めていたのでラッキーだったとも言えます。


最後は周回路に戻り、旧大岡寺参道を河江地区に下り、超フラットの頃垣林道を走ってデポ地に戻りました。

1日での行動半径はおよそ20kmほど、林道・作業道はたったの計4本ですが、限りなく濃密で最高に楽しい1日でした🎵


Y本さんはお昼から別行動で画像無しですが、ここであらためて本日のメンバー紹介。


この夏もアジアクロスカントリーラリーに挑むスピードスターS川さん。


実質的リーダー、ハスク450を操りどこでも臆することなく突き進むK川さん。

ナビゲーション能力もピカイチで助けてもらっています。


バイクだけでなく、ウインタースポーツでも相棒役になってくれるT橋さんは気遣いのヒト。

独特の話術にはみんな引き込まれます。


アスリートで3000m級の山へもしばしば登るというM野さんは、いつも献身的なヘルプでお世話になっています。


久しぶりの参加のU田さんは穏やかな性格でムードメーカー。

長身で足の長さがウラヤマシイ!


フラット林道絶景ポイント巡りはソロで走るのが好きですが、この日のようなルートではチームワークが欠かせません。

同じ価値観を持ち、感動を共有できることがより楽しさを増してくれます。

皆さん、お付き合い本当にありがとうございました。



そんな仲間に恵まれて、今回も僕自身の小さな夢を叶えることができました。

僕は年齢からもこの先そう長いこと一緒に走れることは叶わないかもしれませんが、これらの開拓したルートを引き継いでもらい楽しんでくれたら大満足です。


様々な歴史と文化、豊かな自然に包まれて、誰にも邪魔されずバイクと過ごす時間が持てるって、本当に贅沢なことですよね🎵


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