林道真空地帯・クライマックス編 6/15
今シーズン、あらためてその良さを見直し、走れて楽しめる場所を探し求め続けている兵庫北東の但東と、京都北西部京丹後エリア。
先週は歩いて下見をした区間を、今回はグループで走ってきました。
下見で得られた情報をベースに、今シーズン前半の最大の楽しみとなって、この日が来るのが待ち遠しくて仕方がありませんでした。
今回は以前から接点はあったものの、なかなかご一緒できることが無かったダマさん。
さらにT橋さんと海外ラリーで知り合ったK村さんが、わざわざ山口県から5時間をかけて参加してくれました。
ありがたいことに僕の企画のツーリングに、この道の大ベテランや普段はレースやラリー主体に走っておられる方が興味を持ってくださり、その内容に喜んでもらえると、僕自身やってきたことに間違いは無かったのかなあ、なーんてちょっと嬉しくなります。
もうすぐ梅雨に入ろうかという貴重な晴れの日。
前日は周辺の地域で35度にも達したとのことでしたが、思っていたよりは過ごしやすい朝になり、総勢9人で、さあスタートです!
まずは前回とは反対側の唐川地区から、あの日本地図を最初に作った伊能忠敬も歩いたという、但馬と京丹後を結ぶ古道・円城寺峠の踏破を試みます。(伊能図と呼ばれる原図にこの峠の名も記載されています)
かつては人の往き来だけでなく、生活物資や特産品も運ばれていたと想像できる古道ですが、沢沿いの道の宿命で、誰も通らなくなると台風などによる風水害で荒れ放題となってしまい、ここも例外ではありません。
平坦区間は車も走れるくらいの幅員で穏やかに進めますが・・
その道幅は次第に狭くなってきます。
3箇所ほどの倒木を処理してひと休み。
先頭のK川さん、S川さん、T橋さんトリオは、今日もサクサクと素早い作業をこなしルートを切り開いてくれるのでとても助かります。
さらに話には聞いていたものの、遠方から参加のK村さんの突破力はハンパではありません。
マシンのパワー➕マンパワー➕テクニックでガンガン進む!
しかし残念ながら結果としては、あともう少しというところで道が消滅し、峠の頂上には到達することができませんでした。
赤い矢印がバイクで進んだ到達地点で、GPSでは峠まで直線距離で残り200mくらいのところでした。
しかし100m進むのに1時間くらいかかるような場所でもあり、リスクも考えて撤退です。
その戻ろうとした時にアクシデント発生です!
先頭からUターンしてきたS川さんが崖落ち寸前となる転倒の際に、置いてあったダマさんのヘルメットを後輪でヒットしてしまい、谷に転げ落ちて沢にチャッポン!
幸いそのままどんぶらこっこと流されずには済み、回収できてやれやれでした。
それにしても昔の人の健脚ぶりにはいつも感嘆させられるような険しい道です。
どうしてこんなルートを選んだのかと不思議に思うことがしばしばありますが、最短距離を優先するということだったとしか考えられないほどです。
でもそんな往時の様子を思い描きながら、現代の馬で走る楽しさは、味わったことのない人には酔狂としか映らないでしょうね。
林道真空地帯は飲食店真空地帯でもあって、店があれば地元の人も集中します。
今回もまた昼飯難民になりそうでしたが、とある蕎麦屋に滑り込みセーフ。
近くには出石そばで有名な出石町もあって、そこまで行けば皿そばの店が立ち並んでいますが、この店は定食に必ず付いているイワシの甘露煮が美味でした。
午後からの1本目はガラッと変わって、メジャー林道のひとつ床尾林道です。
林道真空地帯と言っても、この林道だけは古くから存在して、知る人も多いでしょう。
梅雨前の乾きで俗に言うカチパンのコンディションで、最後尾を走っていると土煙で堪らず(そもそも遅いし)、途中で止まってパシャリ。
何も説明はしていなかったですが、その先の景色の良い広場で他のみんなは待っていてくれました。
さらにその先のダート終点である峠の頂上では、鳥取のトライアルライダーTORUさんと待ち合わせ。
この画像も、この後の縦撮りの画像もTORUさん撮影です。
先週のブログでは隠していましたが、この床尾林道にある石碑が正解でした。
今回も何かとトラブルやハプニングは付きもので、この林道の途中からダマさんのバイクにパンク発生。
パンク修理には各自それぞれの流派があるようで、外野からなんやかんやとツッコミが入ります。
パッチを貼り終わり、最終チェックでパンクの神様の囁きを聞くのがGEKIさんの流儀だそうです。
修理も無事に終わり、午後の2本目は床尾林道舗装区間を糸井の大カツラまで降り、その反対側にある作業道に入ります。
目的はその最深部から尾根に登り、その尾根筋を鉄鈷山に向かって縦走することが午後の最大のテーマでした。
ここは数年前に走ったことがありますが、全長5kmほどのループです。
その時には無かった倒木や崩落ができていて、ここはその倒木が数本重なり厄介なアトラクションとなっています。
乗ったままでは越えるのは無理と判断して、数人がかりでクリアします。
しかしホント、みなさん献身的にヘルプしてくれるおかげで、最年長の僕は写真班として楽をさせてもらっています。
もうこのメンバー無しでの探索アタックツーリングなど考えられません。
とあるハイカーさんのブログによれば、この作業道最深部のこの場所から、斜面を登って尾根に出られたとのことでしたが、斜度は許容範囲でも、路面状況は悪く、しかも伐採した木がたくさん放置してありバイクでは登れません。
K村さんだけは行けそうだという判断でしたが、それでも全員が行けなければ意味がないという大人の意見でここも残念ながら諦めました。
K村さん、外見はやんちゃっぽい(失礼!)ところもありながらも、中身はイイヒトだー。
と言うわけで来た道を引き返すのですが・・
その先にはどうしても避けられないあのセクションを、今度は登らなければなりません。
みんなは人力で越えましたが、TORUさんは流石にトライアル IBの技を発揮して見事にクリア!(画像なしで本当にゴメンナサイ)
K村さんもそれに続き、やはり自力で越えましたが、そこで転倒して5点。
それでも僕なんぞ、チャレンジしてみようかなどという気にはならないような難易度なので、越えるだけでも拍手喝采です。
さて、その後は一旦先ほどの石碑がある場所に戻り、いわゆる極楽尾根道を走って鉄鈷山に向かいます。
東側の伐採地と天然林の間の細尾根ルートで登頂開始🎵
路面状況は程良く、見た目ほどは難しくはありませんでした。
ここはなんとか僕も含めて全員が登頂成功!
この辺りはかつて鉱山として栄え、近くには鋳物師という集落もあります。
この山の頂上には、その上で剣を叩いて鍛えたという平たい巨岩もあって、この山の由来『かなとこ』となったそうです。
気を付けなければならないのは鹿避けネットが破けて散乱しているので、それを踏むとタイヤで巻き上げてしまい絡みつきます。
そういう僕もTORUさんもそのトラップにハマりました。
今回は路面コンディションが良くラッキーでしたが、これがもしウエットだったら難しくなっていたでしょう。
この日これまでアンラッキーもありましたが、これで帳消しとしよう。
さあ、登ったら降らなければならないのはこれまた自然の摂理。
先ほどの床尾林道と、この前発見した林道(このブログでは勝手に天谷峠林道とします)は南北に並行に伸びており、その林道に繋ぐにはふたつのルートがあることが下見で解りました。
ここはそのひとつでM野さん、K川さん、T橋さんが谷間を降って行きます。
こんなビビるような状況の中で、T橋さんの楽しそうな笑い声が響き渡るって、どんな脳内なんでしょうか?
僕も含めた残りのメンバーは、もうひとつのルートで降ります。
そのなかで懸念していた区間はさらに斜度が強いのですが、距離が短いのでバイクを降りてなんとかなりました。
僕がこちらを選んだ理由には、この景色をカメラで撮るのもそのひとつ。
林道との接続も無事?に成功して・・
徒歩では行けなかったその林道を奥まで走ってみましたが、やはりここは悪い予想が当たり行き止まりでした。
鉄鈷山の麓を過ぎた地点でスパッと終わっています。
集合場所で車を停めてある場所は、この林道出入口のすぐそば。
景色も良く走って楽しい天谷峠林道は、ピストンであっても価値の高いものでした。
冒頭にも書きましたが、普通ならばこんな体力的にもハードな趣味を持ち、そんな世界での気の合う仲間は減ってくるのが当たり前の年頃のワタシですが、このオフロードバイクとブログを始めてからは、紆余曲折を経ていながらも、ここに来て本当に仲間に恵まれていることを実感しています。
正直なところあと何年できるか、いやもしかすればあと何回こんなことができるか分かりませんが、ひとつ確実に言えることは『オフロードバイクは本当に楽しい🎵』っていうことです。
さーて少しひと息ついたら、次はどんなプランで行こうかな。