僕たちにとっての贅沢な時間とは 3/22
三寒四温とは言いますが、この前の最後の寒波にはいささか閉口し、もう勘弁してよと言いたくなりました。
でもそのおかげでもうワンチャンス、今シーズンこれこそ最後のスノーシューが楽しめたのですから、やっぱり人間万事塞翁が馬、禍福は糾える縄の如しですねぇ。
その行き先は兵庫県の一番端にある新温泉町の上山高原。
鳥取との県境に位置して、山奥の海上(うみがみ)という集落の奥からのスタートです。
ところで・・
標高350〜400メートルの山あいに位置する海上。まず驚くのは、なんと言ってもその地名です。
「どうして山の中なのに海上なの?」と、訪れる人は誰もが疑問に思うそうです。謎を解くカギは、古くから残る村の伝承にありました。
―湖の言い伝え
その昔、海上の北西に位置する牛ヶ峰山が崩れて小又川がせき止められ、この地が湖のようになったそうです。村の人は湖に浮かぶ児嶋に家を建て、村を湖の上と名付けましたが、いつしかこの土地は「海上」と呼ばれるようになりました。その後、山崩れでできた湖の水は土手を破り、流れ出たと言われます。そのことを裏付けるかのように、周辺には児嶋、湊など水に因んだ地名が多く残っています。
また氏神である児嶋神社にも、湖があったことを示す言い伝えが残っています。神社は石の丘に建っており、かつてこの石は牛ヶ峰山から落ちてきたものとされています。海上側の山頂には大きくえぐられたような跡があり、山すその石と神社の石は同種の物であるそうです。
〜みんなで創るワクワク但馬〜より
新温泉町も他に地域と同じように高齢化と過疎化が大きな課題となっているそうですが、自治体も移住定住のいろいろな対策や補助を行っていてとても魅力を感じます。
特にこの海上地区は美しい棚田と、伝統ある但馬牛の繁殖肥育が行われている場所です。
閉鎖的な雰囲気はあまり感じられず、フレンドリーな住民の方達と接すると僕もいつかは・・
昨年は雪が少なかったのでその先のシワガラの滝駐車場まで除雪がされていたのですが、今年は芝桜公園の手前から舗装林道を歩き始めます。
この日のパートナーはT橋さんですが、先日購入したBCクロカンスキーを履いてスタートです。
つづら折の峠道でショートカットできるところは雪の覆われた棚田や斜面を歩きます。
もっと積雪が多く、一部は道が斜面と一体化しているかと思いましたが、心配していたほどではありませんでした。
ところどころでは路面から雪が消えているところも。
高度を上げていくと、スタートした地点や海上集落が遠くに小さく見えます。
約3kmほど歩き、旧草原界というポイントから本線を外れて枯れ沢沿いの小道を進みます。
ここは雪が無ければシングルトラックの道がありますが、今は細い支尾根となっていて、T橋さんはワカンに履き替えて進みます。
ブナや松の木が茂る僕の大好きな空間です🎵
短い区間ですが、それを過ぎれば広大な雪原が現れてきます。
ここは知る人ぞ知るススキの名所で、またイヌワシの生息地域でもあり、夏場は但馬牛の放牧地にもなります。
この日の天気予報は南部では20度近く、この北部でもかなり汗をかくくらいで雲ひとつ無いピーカンです!
雪原に映る木立のシルエットが好きなんですよね。
一本松も絵になります。
昨年も気になっていたのですが、この木の枝についているのは木に寄生する植物『ヤドリギ』なのでしょうか?
振り返れば雄大な景色が広がっています。
今日ここまで駐車した場所でおひとりのハイカーさんと出会った以外、先行者のトレースはあっても誰にも会いません。
こんな風景を僕たちだけで独占できる、なんて贅沢なことでしょう。
さらに西に進み高度を緩やかに上げて行くと・・
その先に見える小高い丘のような場所が上山(標高946m)です。
スノーシューではハイペースで登るT橋さんも、まだBCクロカンに慣れてないのでいつもよりペースは遅め。
林道開設の記念碑を過ぎればゴールはすぐそこ。
古いほうのトイレは雪に埋まって使用不可。
でも大丈夫、この先に立派で清潔な避難小屋と水洗トイレ完備です。
さあ、最後の斜面を登れば・・
上山山頂に到着です🎵
お互いにインスタ風に写真を撮り合いました。
手作り木製の展望台もほとんど雪に埋まっています。
東には牧場公園から南に伸びるロング林道・中辻肥前畑線が見えています。
その方向に見える山々はこんな感じ。
北の方角には浜坂に続く池ノ尾線(舗装林道)が見えます。
そんな景色を眺めながらの青空レストランがどれだけ満たされることか。
心地よい風に吹かれていると昼寝をしたくなってしまいます。
さあ、ここからはT橋さんのお楽しみがスタート。
ゲレンデを滑るアルペンスキーではベテランですが、このBCクロカンでどれだけ斜面を滑れるのか?
実は僕も以前に細板の歩くスキーを始めたのですが、どうしても馴染めなくて断念しました。
でも今のこうしたフィールドにマッチする?ブルーモリスのスノーハイクというスキー板の存在を知り、またチャレンジしたくなってきたのです。
ですから板の性格は多少違いますが、どれだけ楽しめるのか興味津々なのです。
こんな風雪紋をシュカブラと呼ぶそうですが、こんなキャンバスに自由自在にシュプールを描いてみたいな🎵
T橋さん、ブログネタを提供してくれてアザース!
ゲレンデのように混雑も、余計なアナウンスや BGMも無い静寂の中を、スキーが滑る音だけが響きます。
この景色も今度こそ今年最後の見納めかな。
旧草原界を戻り、林道に降ります。
林道はところどころでキャンバー(斜面)ができていて、下りのトラバース(横断)は怖そうだなと言っていたT橋さんですが、コツを掴んで難なくクリアできたのはさすがでした。
グリーンシーズンには通れない道も歩けて新鮮でした。
結局この日に出会った他のハイカーさんは3人だけ。
スノーシューやBCクロカンのフィールドをお探しの方、ぜひおすすめですよ。
その後は前々から強くプッシュしていた浜坂の七釜温泉ゆ〜らく館に寄って汗を流し、疲れを取りました。
ここはこじんまりとしていますが、但馬では村岡温泉とここだけが源泉掛け流しの、いわゆるスーパー銭湯(日帰り温泉)。
入った時はほぼ貸切で、清潔で気分最高の露天風呂は、大の温泉好きのT橋さんからもお墨付きを頂戴しました。
さらに山陰道に乗って香住港に移動して夕陽を眺め・・
ラストはいつもの店での夕食は、久しぶりのノドグロ塩焼きがやっぱり絶品!
天気も景色もサイコーで自然を存分に楽しみ、ゆったりを湯に浸かり、美味しい夕食を味わう、なんて満たされて幸せなことでしょう。
人それぞれ休日の楽しみ方があるでしょうが、僕はこんな過ごし方にこのうえ無い悦びと満足を感じます🎵
さて北但馬のバイク完全開幕はまだ少し先ですが、そろそろ来週あたりから雪の無い走れそうなところでスタートしようかな。








































