ザ・キングオブ廃林道 黒見向山線を制する伝説の一日 1/15 北播
ちょっと大袈裟なタイトルにしちゃいました♪
でもこれは僕自身にとっては5年越しの願いであり夢でした。
当時はまだオフロードバイクに転向して間もない頃、この付近をひとりローラー作戦でしらみ潰しに林道、作業道を調べていた時に、偶然ある方に出会ったのです。
この時にお話を聞いたYama Kzuさんは地元に住む日系ブラジル人で奥様は日本人。
それ以来お付き合いはSNSを通じて続いています。
普段はCRF450でMXを楽しまれているそうですが、その彼から聞いた廃林道はトレール車では到底無理で、トライアル車ならばなんとか行けますよとのことでした。(ご自身もトライアル車で数回走ったことあり)
そしてその証言と前後してネット検索をすると、現れたのは我が同志であるgonzoさんのこの記事でした。
実際にその時を含めて、僕自身でも麓側、山頂側の両サイドから少し入ったことがありましたが、いやいやとても手に負えるものではなく諦めていました。
そして月日が経ち、頭の片隅にはいつかやってやろうと思いながら、僕自身の経験を積み、徐々に探索好きの仲間が増え、そして最強のウェポンであるTRS XTRACKを手に入れて実行の時だと判断しました。
その前哨戦であり、準備のひとつが前回1月8日のトレッキングリサーチだったのです。
そして当日、天気予報はかろうじて曇りでしたが、この近辺はとかくしぐれやすいエリア、霧雨がシトシト降っています。
麓の入り口は2013年の12月に開通した清水坂トンネル・小春ロードの氷上側の入り口付近。
なんでも『小春ロード』の名は氷上町から多可町に嫁いだある女性の名前から取ったそうです。
おそらく以前はこの林道は現役で、二つの町を結ぶ生活道路として機能していたのでしょう。
入り口付近は僅かに舗装路面も残っていますが、奥に進むにつれ徐々に荒れ始めてきます。
今回も新しいフォグランプのカバーが落ちていたので、時折バイクで入って来る人もあるのでしょう。
入り口から1kmほどのところで最初の、そして最大の難所が現れます。
もしも反対側の山頂側から苦労してここに辿り着いたとしたら、大きな落胆と絶望感に襲われるのは間違いありません。
今回は全員シャベル持参を義務付けしました!
広いところでも50cmほどしか幅がないルートを均して広げ、できるだけ安全(?)に通過できるようにする作戦です。
全長はだいたい30mほどで、出入り口がそれぞれ登り下りがあるフライパンの断面のような状態で、さらに途中でカーブしています。
中心には枯れ沢があり、コンクリート製の路肩と土管があったようですが、おそらく集中豪雨の際にその強度を超える水量で崩壊してしまったのでしょう。
ひとつの救いは、よくよく観察すると50mくらい下に先ほど走ってきた道が見えており、万が一落ちてもその斜面を強引に引き摺り下ろせばどうにか復帰可能だということ。
まあその場合、バイクも生身も無傷では済みませんけどね。
この日の気温は3月下旬並み、湿度も高く土木作業をしているとみんな汗でびっしょりになりました。
でもなんとか苦労をして道を整えて、さーてアタック開始です。
ここで問題が、いつもならば進んで一番手で突撃する大隊長煮過さんもやや及び腰。
かと言って最後の方はまた路面が荒れて苦労することも考えられます。
そこでKちゃんの提案で、順番はじゃんけんで勝った順に選択できる新ルール。
それにてまずトップバッターはまこっちゃんから。
後からえでーさんがサポートします。
終始『怖え〜!!』と声を上げながらも、想像していたよりもスムーズにクリア!
登り切って安堵の声に変わりました。
成功の前例を目にして、これでみんなも自信がついたか?
2番手はじゃんけんで最初に勝ち、その権利を得たKちゃん。
一番底であり中心のところのアールが小さく、また道幅も狭いので切り返しが難しい。
そこをどうにか通過して、最後の登りもなんとかイケるかと思いきや・・
おっとヤバかった!
リアが谷底へ流れかけましたが、補強の丸太で止まってなんとかクリア!
3番手はえでーさん。
無類の探索好きですが、どうもこの頃『やらかし症候群』との思い込みがあるらしく、以前のような勢いが陰り気味。
一番難しい切り返しは慎重に、あまり壁側に寄ってもステップが引っかかってバランスを崩します。
中間点まではヘルプを受けながらも、その先は見事にクリアできました。
4番手は長老&大ベテランであり、グループ随一のテクニシャンでもある大隊長煮過さん。
いつもならば制止を振り切るように突進する大隊長も、事前にこの道の状態を写した動画を見ると、『実際に見て無理そうだったら引き返す勇気も』な〜んてお言葉を発していました。(煮過さんを知る方々がこれを聞いたら、まず信じられないと思います)
当日は最もしっかりとしたシャベルを新調して持参。(持ち物最小限派なので、これもビックリ!)
この日は率先してルート整備に汗を流しておられました。
最後はじゃんけんに惨敗した僕の番。
みんな上手く走ってくれていたので、心配していたほど路面の悪化は無く・・・
さらにXTRCKの走破性のおかげもあって問題なくクリア!!
だいたいこんなシチュエーションでは最強のバイクに乗っているのですから、トレール車に乗っている他のメンバーよりモタモタしていたらみっともない。
それでも我慢できずに、思わず大声で『ヤッタァー!!!』と叫んでしまいました🎵
喜び、安堵、達成感そして疲労を感じながら、みんなでパシャリ!
さ〜て、さらに先に進んで行くゼィ!
この先しばらくはゆったりと登りながらロックセクションが続きます。
落石はどれも角が尖っていて乗り越えるのは容易ではありません。
谷を挟んで反対側に見えるはずの兵庫50名山『竜ケ岳』は霧で全く見えません。
落ち葉に隠れた岩の存在は厄介です、ラインの的確な読みが必要になります。
その読みを誤り、転倒してしまったKちゃんの動きがなんだかおかしい。
盛んにスロットルを回してもリアが空転するだけで前に進みません。
おかしいなと思って前を見ると、転倒した時にフロントフェンダーが割れて外れてしまい、フォークにつけられていたアシストベルトがタイヤに引っかかってブレーキがかかった状態でした。
その頃からどうしても非力なため残りの電池が切れかかって、転倒の連続という負の連鎖。
『もう少しだからガンバレ!』と声をかけて励ましますが、それは先ほどの難関をクリアした直後に予約した昼食の店の予約時間に遅れないためでもありました。
もうちょっとスムーズにことが運ぶと思っていたのですが、歩きとバイクでは感覚が違い、実際に走ってみるとまだまだ手強い区間が続きましたね。
僕は晴れ男を自認していて、青空をバックにした写真を撮るのが何より好きですが、こんなガスがかかった廃道を走るのは、それはそれで雰囲気があり冒険心をくすぐります。
そしてようやくフラット区間に出ればもう安心!
ここから先は前回トレッキングで発見したように、関西電力が整備してくれていています。
やりました〜🎵、5年間想い続けた彼女にとうとうイエスをもらえた気分・・ちょっと違うかな!?
予約時間に間に合って、贔屓の店『鳥富』でお茶で乾杯をして焼き鳥定食にかぶり付きます。
今日の僕の追加は手羽先の塩、みんなは定番の骨つきもも焼きでした。
満足と満腹を感じながら、午後の部はこれまた同じくらい長いことソロでは抜けられず保留にしていた『裏千ヶ峰線』
この名称は僕が勝手につけたものですが、本線と深い谷を挟んで平行に走り、頂上付近で合流します。
入り口はヘルシービラ加美やソーラー基地のあるところで、以前から何度かソロでチャレンジするも倒木や崩落で断念していた作業道です。
今回走ってみると、これまでよりも遥かに倒木が少なくなり、崩落も一部ありましたがさほど気になりませんでした。
尤もそれは霧で深い谷底が見えずに、恐怖心が薄れていたからなのかもしれません。
このルートは今回の隠しダマのひとつでしたが、あまりにあっさりとクリアできてしまったのでその価値や喜びはもうひとつ?
でも他のメンバーは本線は何度も走りながら、ここの存在は知らなかったのでしてやったりでした。
復路は反対側の本線をダイナミックに下ります。
遠くの先に、前と後で走るメンバーが見えるでしょうか?
一旦県道8号線に出てから、これはグループとしては2度目の『お寺周回ルート』
多可町は但馬に次ぐ僕の第二のホームグラウンドです。
この辺りで本格的なオフローダーにはあまり会いませんが、冬場でも積雪が少なく貴重なプレイグラウンドでもあります。
その林道・作業道のデータは誰にも引けを取らない自信アリなんです!
そしてさらにもうひとつの隠しダマは箸荷(はせがい)と観音寺にそれぞれある、ふたつの作業道を横断して結ぶチャレンジ。
箸荷側から進むと道は行き止まりになるのですが、そこから30mほど下を見ると観音寺側の別の作業道が見えるのです。
それぞれの長さは大したことはないのですが、ふたつを合わせることができればそこそこのものになり、完抜けルートもまたできることになります。
そしてその場所に行ってみると、その間に新しく作業道が開設されて結ぶのは容易になっていました!
これも嬉しいような、ちょっと拍子抜けのような・・ビミョーな気持ちに。
とにかく最近のウッドショックに伴う伐採はものすごい勢いで広がっています。
中には風景が台無しになったり、通れた林道が一時的に通行止めになったりもしていますが、マクロに見れば我々オフローダーにとっては良い面も多く感じます。
ここも以前は結構荒れていましたが、重機が入りフラットになっていました。
そして結果的に未踏林道(作業道)の3本を同日に完抜けできるという偉業を達成🎵
しかも但馬より近い、自宅から下道で2時間約80kmのエリアでできたことには大満足です。
トラブルはKちゃんがフロントフェンダーを破損したために泥だらけになったことくらいで、誰も崖落ちせず怪我も無く、本当に楽しい一日を過ごすことができました。
これもメンバーみんなのおかげです。
ただあまりにも泥だらけになったので、まこっちゃんの提案で渡渉しながらナチュラル洗車。
まこっちゃんはさらに一生懸命洗っていました。
今回しみじみと感じましたが、林道(作業道)というものは生き物だということ。
一旦台風や大雪で完全に死んだと思っていたその道が、いつの間にか生き返っていることがこれまでにもいくつもあります。
糸白見、カンカケ、志倉道谷、などがそれにあたり、そんな意味ではゾンビのようだとも言えますね。
さらに前述のように今も新設が進んでいる道も数多くあり、楽しみも多く残されています。
(中には舗装化が進む道もありますが)
より多くの方がこの世界でそれぞれの楽しみを見出してくれることを願って止みませんが、今回のような探索は決してソロでは行わず、経験値を積み上げてから仲間と供に計画性を持って臨みましょう。
まずは身近の小さな冒険から全てが始まります♫
オフロードバイクの世界、これからもご一緒に楽しみましょうね。
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