苦楽園オフロード雑記帳

兵庫・京都・鳥取・岡山の自然と林道をSHERCO TY125、 TRRS XTRACKで楽しんでいます。乗れない時などはスノーシュー、クロカンスキー、たまに料理ネタも入ります。

Happy go Lucky!

時を越え、蘇るもうひとつの伝説 9/21 宍粟

兵庫県西部を南北に貫き鳥取に至る国道29号線は、その周囲に有名林道が多数あります。
そして今年、新線である前地カンカケ線がついに全線開通し、また長い期間崩落によって閉ざされていた糸白見線が復旧し(現在は再び工事のため途中まで)、その恩恵に大いに預かりました。
そこで話題に上っていたのが最後の大物である今回の林道。
ここはおそらくこの近辺では最も古い部類で、30年以上のキャリアを持つベテランの話によれば、鳥取を経て岡山まで林道繋ぎで走れるゴールデンルートの一部だったそうです。
このエリアでは最も好きな林道でこれまでも何度も訪れていましたが、その雰囲気には他にない良さが存分に溢れ、いつか全線走り抜けることを夢見ていました。
しかし反面、たぶんこのまま廃れていくのだろうな・・・と心の底では思っていたのです。


ところが!
グループのメンバーのひとりである、斥候部隊長「えでーさん」から、開通しているとのビッグニュースが飛び込んできたではありませんか!!
連休のその前日は広島から走りに来られた「たらさん」とご一緒していたのですが、残念ながらBETAのマシントラブルで前半を終えたところでDNF。


たらさんのブログはこちらです ⬇️
https://yamaha-on-and-off.hatenablog.com/entry/2020/09/20/203745


天気も良いし、こりゃもうフラストレーションを吹き払うためにも行くっきゃありません。


ところで大変不本意ではありますが、諸般の事情でこの林道の名は伏せておきます。
そして未だ平日に走ることは避けるべきともしておきます。
(また四輪では100%無理であることを付け加えます)

東側からアプローチする途中の舗装路は一部路肩崩壊していましたが、すっかりときれいに補修され、こんな素敵な木製ガードレールが設置されていました。
粋ですよね、どうせ間伐材は余っているのだろうから、せめて林道内ではこれにして欲しいですね。


さあ、それでは行きましょう!

まず前半は言葉にならないほど美しい広葉樹林帯が続き、その緑のトンネルをくぐり抜けます。
そして法面は荒々しい岩盤に苔が綾なす贅沢な空間です。

少し走ると一旦伐採地に出るので視界が広がります。
丸裸にせずに、こうして数本あるいは一本だけ残すのは何か意味があるのでしょうか?

それを過ぎると分岐点が現れ、左が本線、右が支線です。

バイブルによれば支線の先には景色の良い場所があるとの記述があったのですが、以前に行った時には流木の堆積で行く手を阻まれていました。
さて、今はどうなっているのやら・・・

あ”〜、これは3年前とまるで変わっていません。
行く手はこの写真左の先で、手前右から回れそうですが間に沢があって2mくらいの落差があります。

でもよくよく見ると、この2カ所を切ればなんとかなりそうだったので、30cmほどある木を切ってやるゼイ、とバッグの中をゴソゴソすると・・・あれ、ノコギリが無い。
そっかぁ、BETAのサドルバッグに入れたままだったか?
・・・と思い諦めたのですが、帰宅してからよく見るとバッグの隠しポケットにあるじゃないですか。
そう、この前ここに入れ直していたのをコロッと忘れるほどボケが進行しているようです、大丈夫かオレ?

気を取り直して本線に戻りましょう。


どうです、この雰囲気・・・山々の遠景はありませんが、こんな晴れた日は木洩れ陽と葉の緑、そして空の青の繰りなす絶妙なハーモニーです。

こんな時はやっぱりソロに限ります。

あまりに撮りたいシチュエーションが多すぎて・・・

自然の美しさに酔いしれ、走っては停まり写真を撮ることを繰り返し、一向に前に進めません。

千鳥足にはなりませんが、めまいがしそうになる程楽しむと、ようやくルートの中間地点である峠の頂上に到着です。

この辺りから斜面は真砂土に変わります。

この道の持つ古道のような雰囲気はいったいどこから来るのでしょう?
これは僕の仮説なのですが、この奥にある集落は昔から『たたら(製鉄)』が盛んで、その製品を運び出すために使われていたのではないかと?
しかし、そうであればあるはずのお地蔵様がどこにも見当たりませんが・・。

一旦ここで休憩をします。


樹々が景色を楽しむのを邪魔をしてしまっていますが、少し斜面を登るとそれが可能です。
右手に見えるのは後山でしょうか?

一服して、さあ後半は下り基調です。

この区間は何ヶ所かガレがありますが、中級者以上ならば問題はないでしょう。

視界の開けた所も増えてきて、美しい山並みが望めます。

これは竹呂山かな?

この大きな変化もこの道の魅力のひとつ。
もちろんいつも強調していますが、視界には何も人工物が入りません、これがいいんです。

ガレその2は橋が崩れたようですが、前回よりはなだらかになっていました。

ガレその3
これも岩の間のラインを外さなければ無問題。

ガレと絶景の交互に繰り出されるパンチで、もうワタシはパンチドランカー。

ヘベレケ状態で〜す♫

終盤はガレも無くなり幅員も広くなります。

標高は下がりながらも見所はたっぷり。

そういえば今年はまだ栗を食べてなかったなあ。

最後の区間(西側)は約2kmほど綺麗に整地されたスーパーフラットが続きます。
以前の崩落は目を覆うほどでしたが、見事に修復されていました。
担当者、作業員のみなさんありがとう。

集落に出たところがこちら。
気がつくと、入ってから休憩を挟みながらも2時間もいたことになります。
速い人ならば30分もかからず駆け抜けていけるところでしょう。
この日は林道入り口すぐのところから8時スタートだったので、まだ時間は充分に残っていますが、気分的にはもう満腹状態。
いやー良かったなあ・・前半は期待通り、後半の未踏区間は想像を遥かに上回る良さでした。
特筆すべきは、某大物ライダーが糸白見では不満を述べておられたようなウエット区間がほとんど無いことです。


「大」を三つ付けたいくらいの満足を得られたので、普通ならここでブログも終わらせても良さそうですが、この先は付録だと思ってください。


ところでこの写真の場所でスマホをいじっているとカモフラジャケットを着た白いMD30?が前を通って行きましたが、あの方はお知り合いではなかったのかな?


その後、大通中江線から沖ノ山に周ろうかと思っていたのですが、途中工事で抜けられずに加地川沿いの道を下ると、例の箇所のゴロタ石が綺麗にされています。

2019/05 撮影


こりゃあまた、この奥の林道を探ってみなければなりませんが、今日のところはオアズケです。
えでーさん、ここは先回りしちゃダメよ!
もし行っても黙っていてね。

他にもこの先の目的地に着くまで、林道レーダーを頼りに未踏林道(作業道)を探索します。

3本探ると、いずれも完抜けの気配もあるくらい深く、そのうちの2本が繋がっていました。
廃道寸前の道も、新しく荒々しい削りたての道も、どちらも楽しさがあります。
100回チャレンジしてもその内で1回の成功や発見があるとは限りませんが、この楽しさは爽やかフラット、絶景ポイント巡りと比較しても劣りません。
そしてこんな時はシェルコ が最高の相棒です。

本日第二の目的地、スギのふる里公園に到着。

ここもススキが綺麗ですね。

実はこの周辺の伐採地が気になっていたのです。

サッカー場がゆうに二面は取れるほどの広い空間は木材の集積地なのでしょうか?

前日は多かった鹿の姿はこの日は少なく、唯一この小鹿が逃げずに被写体になってくれました。

思った以上に奥が深く、いったいどこまで続いているのだろうと思うほどですが、残念ながら作業中で途中でUターン。
そういえば世間は連休中ですが、曜日ではこの日は月曜でしたね。

帰り道が混むことも予想されていたのですが、もう1本だけ行ってみたくなりました。
春先にチャレンジ成功していた東山ですが、その時は霧で景色が全く見えなかったのです。
ここのアプローチの林道はショートではありますが意外に良く、初めてきた時には驚かされました。

春先に来た時は、ここには真夏には絶対に来るべきではないな・・・と思っていたのですが、登りルートはやっぱりすごい藪漕ぎです。

遠くに見えるのは峰山か、はたまた段ヶ峰か?

ここのグリーンカーペットは水気が多くてチュルチュル!

タイミング悪く、この日の中で最も雲が広がりましたが、思っていた通りの絶景ポイントです。

ちなみにお願いと提案ですが、間違っても登山道は走らないようにお願いしますね。
ここは麓のフォレストステーションからのハイカーさんがとても多いので、展望台にはバイクで近寄らない、害獣ネットの手前からは歩いて行きましょう。
どうせ展望台までバイクで行っても、やぐらに登らないと展望は臨めません。

この4連休は天気もまずまず、人出も凄かったですね。
危惧はしていたのですが、帰路は大渋滞になっていました。
仕方なくお高い通行料を払って最後の手段である芦有道路を使って帰宅。
元を取る?ために地元民のくせに展望台に寄って夕焼けの風景をパシャリ!

良い一日だったなあ・・・これで人生も思い残すことは何も無い?
遠征したいところは多々ありますが、これでひとまずテリトリー内は完全制覇したと言っても過言ではないでしょう。


舗装されてしまったところはもう取り戻すことはできませんが、こうして旧い林道が復活したり、新しい林道が開通したり、つくづく良い環境だなと思います。
オフロードを初めてみたいけれど、もう林道って無いんじゃないの?って思っている方がもしもこのブログを見たら、そうではないということを覚えておいてください。
あなたの近くにも、こんな素敵な空間が広がっているかもしれませんよ。


×

非ログインユーザーとして返信する