苦楽園オフロード雑記帳

兵庫・京都・鳥取・岡山の自然と林道をSHERCO TY125、 TRRS XTRACKで楽しんでいます。乗れない時などはスノーシュー、クロカンスキー、たまに料理ネタも入ります。

Happy go Lucky!

ビューティフル・タンゴ❗️ 7/30  丹後

先週末は天気の読みが外れて、しかもスタートからメカトラブルが発生したりで早上がり。
バイオリズムが悪かったのか?
そんな日は無理をせずに予定変更できるのもソロの強み。


大分の若いライダーの死亡事故を巡って、『ソロで林道を走るなんて!』
なんて論調がSNSを駆け巡っていますが、それはそれぞれの責任と判断であり、一概に決めつけるのはどうかと思います。
先日亡くなった敬愛する冒険作家の野田知佑さんが聞いたら、さぞやお嘆きになることでしょう。





そしてこの週末こそは良い天気間違いなし!
そりゃ真夏だから暑いのは覚悟のうえ。
いつものようにハイドレーションを凍らせて、睡眠も十分にとって準備万端。
今回は3年ぶり2度目の京都北部、丹後地方へと車を走らせます。
僕の住んでいる兵庫県は北部で京都と隣り合わせで、家から真北に進むといつもの但馬と変わらない距離です。



ひとつ目の狙いはリサーチしていた初めての林道。
今日の本命からは少し東に位置していて、地図ではやや大きめのループになっているのが確認できています。



入り口から時計回りに進むと、程よく穏やかな路面が続いています。



バラスも細かく走りやすい!



一旦ループから外れて支線の奥へ進むと地図の通り行き止まりでしたが・・



大きく広がったロータリーのような場所から、さらに奥へと林道工事が行われていました。



さてさて、これはどこかに抜けられるようになるのでしょうか?



少し戻ってループに進みます。



良い感じです!好きだなあこんな道♫




東側のループの途中には、別の集落にも抜けられそうな支線もありました。
これはまた次回にグループで訪れて探索してみましょう。



先週とは違い、好スタートが切れてウキウキ気分♪
今日は良いことがまだ他にも待っているような予感です。



一旦トランポに積み直しての移動から、以前にも来たことがある海の見える林道。
同じような林道では広域基幹林道若狭幹線が有名で、ここはそこまで距離はありませんが景色の良さは引けを取りません。


 


路面はご覧のようなウルトラフラット!
ただ残念ながら毎年のように少しずつ舗装化が進み、この日も10/3までの舗装工事中で終点まで行くことはできませんでした。
解放されれば、ビギナーの方やアドベンチャーにお乗りの方には120%おすすめの道です。


そして引き返そうと思っていたら、頂上に向かって良さそうな道を発見‼️
ここは以前来た時にも登ってみたかった場所ですが、その時はメガソーラーの建設中で入ることができませんでした。



『夏の空』って感じでしょ🎵



おー、やっぱり素晴らしい見晴らしです!




こちらは反対方向で宮津湾が望めます。
自称絶景ハンターとしては、こんな場所に出くわすと、そりゃあもうテンションは上がりっぱなしです!



さてそこから次のターゲットはオブオフローダー(廃林道マニア)の血が騒ぎます。
いや、できればスムースに抜けてくれたらそれはそれで良いのですが・・



入り口は下見を要するほどガレ気味ですが・・



歩いて少し進むと綺麗な路面に変わりました。
入り口はガレガレでも、奥に入ると別世界のように平和ということも意外とあります。



ああ、でもここはそんな甘くはないようで、この先はやっぱりソロではためらう雰囲気。
抜けられることは間違いなさそうですが、本日のキープ2本目としておきましょう。



リエゾンの途中には青々とした稲田が広がり風になびいています。
この時期のこんな風景が大好きで、見るたびに心が洗われるようです。



先ほどの舗装工事で入れなかった林道に反対側から入ってみます。
こちらはやはり初めてのルートですが、果たして抜ける(繋がっている)ことができるのか?



途中、今年初めてのイガ栗を発見。
季節は進んでいますね。



この道からも角度を変えて宮津湾と天橋立をいろんな場所から眺められます。



路面は一部荒れていますが、それほどひどくはありません。



四ツ辻に出るとその一方では滝に続く道も・・?
ここは右の作業道を進んでいきます。



しばらく走るとこの場所に!
おおっ、ここは以前に来た時には大崩落で完全に閉ざされていた場所です。
次の画像はその時の様子。



いや〜、綺麗に補修されている!
ってことは完抜けできるってことだな!!



杉の森を抜けると・・



出ました〜!!
先ほどの工事中だったフラット林道に繋がりました。



ここが地図上では終点とされる絶景の展望所。



以前来た時にはまだ無かった東屋でランチタイム。



こんな風景を眺めながら食べるお弁当は最高です。
まあ本音を言えば香住で海鮮料理を食べに行くか、最後の最後まで悩んでいたのですが・・



来た道を戻り、分岐から別の道を進んでみるも、やはりここもソロでは厳しそう。
決して無理をせず、万が一の備えがあればソロだって十分楽しめます。



そんなかんなでウロウロしていると、鹿の角の上物を発見!
こんなにコンディションが良いのは滅多にないので、これは持って帰ることにしました。



一旦府道に戻り、ガソリン補給で宮津に立ち寄りますが、海抜ゼロはやっぱり灼熱地獄。



またまたリエゾンの途中に滝に向かう道があったので入ってみると、岩盤マニアが喜びそうな場所が。



走っているとこんな案内板が色々と目につきます。



この辺りは歴史に溢れた地域なのですね。
かつての京の都に向かっていいろいろな人の行き交いや物流もあったのでしょう。



みたび峠を登ると、突き当たりにある航空管制塔も青空に映えています。



そして晴れの日にまた来たかったこの場所に!
念願叶って素晴らしい風景が広がっています。





ここはハングライダー、パラグライダーが飛び立つ場所ですが、最近はそれらの人口が減っているのか、ほとんど使われていないようです。
この日、先客はカブにお乗りのライダーさんお一人だけだったので、こんな写真も撮れました。
お話をしてみると、なんと林道工事関係のお仕事をされているそうで、最近までKDXにもお乗りだったそうです。
日頃気になっていたことを色々と質問すると、とてもわかりやすく的確に答えてくれました。
綾部にお住まいで、君尾・泉富なども手がけておられるそうですが、他の仕事仲間もオフローダーの気持ちに理解がありながらも、盛り土にだけは登らないで欲しいとおしゃっていました。
工事している横を走るのも一言あれば状況次第で構わないとのことでしたが、目を三角にして飛ばしてバッタリ鉢合わせすれば、そりゃあ怒鳴られても仕方ありませんね。




この辺り、鬼伝説で有名な場所なので、こうしたオブジェがあちらこちらに。



この日の目的では最後のエリアにも良いダートがありました。



杉の木立が美しい!
ブナの森はもちろん良いけれど、たまには雰囲気を変えるのも良いものです。



思いがけずこんなスーパーフラットにも出会い・・



これはウルトラマンのデザインした成田亨氏の作品だそうです。



そして最後はトランポを止めた場所にも近い、あの頂上にもう一度登ります。



う〜ん、この空がもうたまりません!



先週の落胆から一転して、今日は本当に良い日だったなあ・・。
ソロツーリングを存分に楽しむことができました。



足元をみると立派な殿様バッタ。
子供の頃、夏休みにはいつも虫籠で飼っていました。



今日の土産は家の玄関に飾ります。
頭蓋骨に付いたものを飾ると魔除けになるそうですが、都会でそれをやったら変人扱いされるでしょう。


7月の熱く濃厚な1日は 7/17 但馬

この日もグループで午前中に探索少々、あとは既知のルートを繋いで爽やかに・・・
なーんて後から思えばアマい考えでいましたっけ。



集合場所にはここの常連である『あにぃさん』グループも予想通り来られていました。
カムバックから2度目の『さかなやさん』にも久々にお会いできてしばし談笑。
きっとどこかで何回か出会うでしょうと言いながら、僕たちはお先にスタートしました。


まずは名色羽尻線を南に向かいます。
天気予報は前日までコロコロ変わっていましたが、朝は雨上がりの澄んだ青空。
無風で湿度が高いのが難点ですが、それくらいは夏なんだからしょうがない。


今日の探索ターゲットは羽尻線東側ブロックの支線群です。
本線を走っているといくつかの支線はあったのですが、どれも当然ながら下りとなってかなりアヤシイ雰囲気なので、これまでは全くの手付かずでした。


最初のこの道はかなり古い林道標柱もあるのですが、大隊長は以前に入ったことがあるとのこと。
苔だらけで浮石ゴロゴロの厄介な路面です。


大隊長の記憶通りに200mほどで敢えなく行き止まりで、そこから先は箸にも棒にもかかりません。
まあこんな小さな滝ですが、ちょっと珍しいタイプだったので、これだけでも見ることができてヨカッタ。


2つ目の支線の奥もすぐにジ・エンド。
3つ目の前回来た時に脈がありそうだったルートを思い出しながら探します。


そうそう、前回来た時にこの木は山フジの花が満開できれいでしたが、今はすっかりとツルに乗っ取られています。


それにしてもここに来るまでにも、この日はすでにいくつかルートミスを犯していて、何やら先行きに不安が漂います・・。


そして今回も今まで以上に平均年齢が高く、若手がいないのでさほど大したこののないアトラクションでも体力がどんどん削られて行きます。


大隊長の今日のバイクはKTM 6DAYS で、リアはムースの新品で硬いヤツ➕ブロックの減ったタイヤ=二重苦 のために、珍しく転倒多発!


前日まで降った雨のために、こんな美しい下草の元でも湿地のような状態です。


この時ふと耳を澄ますと、数台のレーサーの排気音が聞こえてきます。
きっとあにぃさんグループが名色羽尻線を走っているのでしょう。


なんだかんだと撤退を繰り返しながらも、とうとう本命を探りあてたらしく、北に向かって伸びるルートが見つかりました !


そしてさらに進むと・・


本線と合流です!!
そうかあ・・ここは羽尻線を神鍋側から入ってすぐにある分岐なのですが、以前からちょっと気になっていながらもスルーしていた道でした。(大きな黄色い看板のある所)
こちら側から下って探れば、最初から苦もなく抜けていたでしょうが、これだけのために3時間もかかってしまいました。
ただ探索は登りルートが基本、下りでうっかりすると戻れなくなってしまうことが誰にでも起こる可能性があります。


まあ、それでも今日もまた新たな発見があって満足度は高いのですけどね。
羽尻線は本線を走るだけでもお腹イッパイになってしまうので、これまであまり深く追求していませんでしたが、まだまだこれ以外にも可能性を秘めているのかもしれません。
地理院地図にも本線すらほとんど記載が無く謎が多い道です。


この日、何度も目に留まったのはこのピンク色の放射状に開いた花。
アップで撮るのを忘れてしまい特定できませんが、これだけでどなたか分かるかな?


追記:いつも的確なお答えをいただく方から『ネムノキ』と教えていただきました。
葉が夜になると閉じるので、その名が付けられたそうです。


思っていた以上に時間が押してきてしまったので、できれば林道繋ぎで行きたかった香住までは、国道県道を使って急ぎます。
予想通りあにぃさんグループと駅の近くですれ違い、僕らはなんとか第二候補の店に入れて、これは念願の白イカ丼。
この地方名産のとびっきり美味しいこのイカはこれからが旬です!
上品な甘さと歯応えが、もうたまりませーん♫
この2年間海水浴場も閉鎖になっていましたが、今年はやっと再開して人が増えつつあります。
地元の方々にとっては朗報ですが、気をつけないと昼飯難民になる恐れも・・

みんな満腹となり、海辺の木陰でお昼寝タイム zzz
潮風が最高にキモチイイ!



えでーさん、爆睡w


午後の部のスタートはお隣の柴山駅裏にある『かに楽座・甲羅戯』の横から入る林道です。
ここは入り口からふた手に分かれていて、みのふ高原に向かってひとつは丹生地(にうじ/にゅうじ)へ、もうひとつは隼人へと抜けることができます。


他の地域はどうなのか知りませんが、但馬の林道の出入り口の集落付近には、こうした竹林が多くあります。


これまでほとんど人知れぬルートだったようですが、見つけてからはすっかりとお気に入りの道です。


そしてこの日はこれまで入ったことのなかった支線に入ってみると・・・


突然こんな山奥に!?というくらい奥まった森の中に参道の石段が現れました!!
もしかして廃神社なのかと、少し不気味になりその階段を登っていくことはしなかったのですが、帰ってから調べてみると・・・


それは多田神社という、なんとも素晴らしい本殿があるそうです!
資料によれば1786年に再建されたものだそうで、創立はそれよりもはるかに古い由緒ある神社でした。
見逃したのは大失敗!でもまた近々必ず参拝してきます。
なによりこのふたつの林道(作業道)も、やはりまだ多くの可能性を秘めているようですから。


抜けてからその先の三川東作業道群に向かう途中に、あにぃさんからLINEで『今入り口の廃校の前です』との連絡が。
僕らは途中で気になる道を調べたり・・


泥だらけだったバイクの洗車がわりに夏の恒例の渡河で遊び、あにぃさん達を追うように先に進みます。


そして途中から大隊長のご希望で、入ったことのない支線を探ってみることに。
これがラッキーともアンラッキーとも言える結末につながるとは、この時点では思いもしませんでした。


まあこの辺り、写真を撮る余裕のあるところは趣もあって良いのですが・・


それ以外では幅員が狭く、転石や倒木も多く、とても油断できない苦労させられる道です。
しかし路面には先行車のタイヤ痕が・・
あにぃさんたちもこの道を?これ抜けられるの????
と思いながら進んでいくと。


ついにあにぃさんグループに追い付いてしまいました。
倒木などを処理してくれていたおかげで、進むスピードが遅かったそうです。
以前ここを走ったことのあるというGTさんに聞くと、この道でも桑野本に抜けられるということなので、それを信じてさらに進みますが・・


えでーさん、痛恨の転倒連発!


岩でヒットしたのか、チェーンが前後のスプロケットから外れ、さらにクリップが変形。
なんとかリカバリーして進むと、また先行グループに追いつき、その先の倒木帯で苦労しています。


どうもおかしいなあと思いよくよく話を聞いてみれば、あにぃさんグループはこのルートを以前から走っていたメインのものと勘違いをしていたそうで、いつまで経っても見覚えのある、この道独特のつづら折りが現れないなあと思っていたそうで・・
間違っていたことが分かると、お気の毒にさかなやさんやとも蔵さんから『詐欺やー!』と罵倒されていたあにぃさんです。(もちろん親しみを込めて)


僕もこの日は終始ミスコース連発でしたが、誰でもそんな日がありますよねぇ。


あらためて地図でこの地点を確認をしても、この先で行き止まりの可能性が大。
時刻はすでに5時近かったので撤退を決断して来た道を引き返します。


そうそう、このつづら折りですよねー。
大隊長が後続の方々のために、コーナーのライン上にプレゼントを設置していたのはナイショです。
(結局あにぃさんたちはここを通らずじまいだったそうなので、大隊長の悪企みは未遂に終わりました)


一足先に集落の近くまで出てほっとします。
いや〜、あのまま進んだらどうなるかと思った。



それまでの狭く薄暗い作業道と比べると、広々とした三原水口林道がまるで別世界に見えてしまいます。


ここまで来れば、トランポを停めたベースまであとわずか。



最後はその近くの山頂付近での夕暮れの風景が本日のデザート。



今日も大活躍の愛車 SHERCO TY125 Classic。
現在では唯一と言ってもよい、ナンバーが取れて林道ツーリングに使えるトライアルバイクです。
気になる方はこちらまで ⤵️



同じバイクに乗るKちゃんは今日もパワー全開!



結局、雨は一滴も降られずに良い天気の1日でした!


みんな身体はボロ雑巾のような状態のはずですが、なぜか奇妙な満足感でヘラヘラしているトランス状態🎵
不思議です、家に帰ればもう次のターゲットに想いを馳せる自分がいます。


さて、次回はどんなドラマが待っているのでしょう。


To be continued・・


ところで、まるで関係のないことですが、今日家の裏山に入るとこんなキノコが生えていました。
これは霊芝(万年茸)?
これもどなたかお分かりになるでしょうか??




涙雨にけむる霧ヶ滝トレッキング 7/10 但馬

本当に悲しくやるせない週末になってしまいました。
でもじっと家に閉じこもっているとどんどん気が滅入ってしまいそうなので、以前から一度行ってみたかった滝を見るために車を走らせました。


ここは普段よく林道を走る途中に通過する、新温泉町上山高原の一部です。
兵庫県では一番西北の端にある地域で、近くには夢千夜日記で有名な湯村温泉があります。
2、3年前に駐車場も新しく整備され、広く綺麗になりました。


目的の霧ヶ滝は日本の滝百選からは漏れていますが、「但馬三名瀑(猿尾滝、天滝)」のひとつです。
美しさと秘境感に於いては引けを取らないと聞いていました。


数年前に訪れた、全国的にも珍しい洞窟内にある『シワガラの滝』もこのすぐ近くで、滝好きにとってはたまらないエリアなのです。


ハイカーさんのブログなどで見ると往復で3時間ほどとのこと。
バイクのオフロードブーツでは危険だし無理があります。


そもそもシワガラと並んでこの滝に通じる別の登山道では過去に複数の死亡事故が発生しており、しっかりとした装備は欠かせません。


入り口付近は水道の取水設備?があり、整った鉄製の歩道が続いています。

昨晩からの雨が少しまだ残っていましたが、沢の水の濁りはほとんどありません。

鉄の歩道が終わるところで、こんな奇岩がありました。
中心のところがモアイ像の顔と似ていませんか?


渓谷はとても荒々しい表情をしています。
度重なる豪雨で巨岩や巨木が重なり合い、一種異様とも言える雰囲気です。


道もすぐに険しくなってきました。
危険な区間にはロープや鎖もありますが、アンカーがグラグラで頼りない。


次々に現れてくる巨木はまるで太古の森のようです。
どれも深い雪の重みに耐えてきたのでしょう。


もはや畏敬の念を感じずにはおられません。
家から車で2時間半、駐車場から歩いて30分も経たないところに、こんな秘境があっただなんて。


ルートは次第に厳しさを増し、目印も少なく、雨に濡れているので踏み跡も定かではありません。
これは山に慣れていなければ迷ってもなんら不思議ではなく、さらに石の上は恐ろしく滑ります。


そして何度も沢を渡りながら上流へと向かうのですが・・


木製の流れ橋がいくつもあり、これがまた滑る!滑る!


広いスペースに出ましたが、以前は鬱蒼としていたのが、近年は鹿が食い荒らして雰囲気が変わってしまったそうです。


そこからさらに道を探しながら・・




古い鉄製の橋は大雨の時に壊されてしまったのでしょう。
脇の流れ橋は一応ロープがあるので安心ですが、それでも滑って怖い!


いったい何年かかかってこうなったのか?
ツルが枝に絡み付く様子に度肝を抜かされてしまいます。


これはカツラかな?



鉄製の橋はいくつもありますが、最初以外はどれも使えません。
しかし、これほどの山奥にどうやってこんな鉄の橋の資材を運び込んだのか?






木の橋の幅はこんなものですが、まだここは高さがないのでさほどの恐怖感はありません。


かつては岩魚やアマゴの宝庫だったらしいですが、今はもうその姿は無いのかも?


また開けた場所に出ました。
ここからさらにキツい登りになるようです。


ちょうど中間地点ですね。


小雨は降り続いていましたが、高い樹々に覆われているので、ほとんど身体は濡れませんが、湿度は高く体力は奪われがち。


それにしても、なんと美しい緑でしょう!






この杉は熱田の廃村に行く途中にもありましたね。
この辺りが原種の育った地域だったのか。



そしてここから先がホントに険しくて、石はツルツル、ルートもあやふや・・


左側にチェーンがあるのが分かりますか?
これもルートの一部なんです。


ここはルートではありませんが・・


ここなどは左側に普通の道があります、がしかし


ここ、真ん中の倒木の根元を跨いで先に進むなんて、パッと見ではまるで分からないでしょう?


そしてやっと!

と思いきや、ここの石がみんなグラグラでツルツル。
あと100mということが分かってなければ、もう帰ろうかと思いましたよ。


そして・・



ついに到達です!!


落差は約70m、水量はさほど多くはないので、名前の由来の通り途中で霧散してしまうために滝壺はありません。
でも本当に、本当に神秘的でその美しさに引き込まれてしまいそうでした。


しばらく角度を変えながら写真を撮っていると、一瞬それまでの鉛色の空が嘘のように変わりました!

単にラッキーだったのでしょうか?
それとも何かの暗示だったのか?


いずれにしてもこれを糧として、ささやかでも僕ができることをこれからも続けていきます。


この国は本当に美しい自然がまだたくさんあります。
そしてそれだけではなく、全てにおいて『美しい国へ』なれるよう心から願っています。




真夏の廃道探索&ピークアタック! 7/2 但馬

前回『山は夏の香りに包まれている』と書きましたが、あっという間に梅雨が終わりましたね。
嬉しい反面、これからの台風シーズンが逆にちょっと心配。


さて今回はいつもSNSで繋がっていたMondoさんをお招きしたのですが、唐突な申し入れにも関わらず、快諾してくれての初参加になりました。
この方、聞けば僕とオフロードバイクでの嗜好傾向はとても似ていて、これまでの趣味も釣りなどカブるところがあって、僕の感は当たったかなと思わずにはいられません。
ただ今回は探索メインなので、バイクがWRだと少し苦労しないかと、そこだけが心配でした。


さあ、今日の1本目は以前に1日のラストで入ってしまい、途中で力尽きた坂本林道支線です。
ここは坂本林道と千原という集落を結ぶ作業道なのですが、ずっと八田と繋がるものだと思っていたのです。
坂本林道側からはほんの少し入ったことがありましたが、あまりに雰囲気が怪しく、そのまま下りに突入するにはリスクを感じて諦めていました。


そもそもここは3年ほど前から解明してやろうと、何度も下見や情報収集をしてその機会を窺っていたのですが、今日こそはなんとか完抜けを果たそうと意気込みは充分。
なにせこのところ、それぞれの目的達成に及んでいない日が続いていましたからね。

ただ内心は前回倒木処理をある程度済ませていたので、あとはせいぜい3、4ヶ所くらいの難関が残っているくらいだろうと高を括っていたのですが・・・


それが手鋸では不可能なほど太い倒木や、どうしようもない崩落があれば逆に諦めもつくのですが、頑張ればなんとかなりそうなレベルの課題が、うまいこと50mくらいの間隔で次々に現れてきます。


しかもこの日は猛暑日で気温はどんどん上がるばかり。
本来、この辺りのオフローダーで真夏に探索をする人などあまり聞いたことがなく、みんな夏は爽やかフラットに専念するのがフツーでであり常識人のすることです。
でもね、そこに未探索の道、特に廃林道があると僕らは我慢できなくなってしまうのですよ。
なぜならば、目的を達成したときの甘い蜜の味を知ってしまったからに他ならないからなんです♫

ひとつクリアーしては休み、またじわりじわりと進んで行きますが、それにしても手強い!
こんなはずじゃなかったんだけどな〜、というのが本音で、初参加のMondoさんには申し訳ない気持ちが膨らんできました。
これじゃあまるで詐欺同然!

こうした杉の倒木であればまだ切るのは楽なんですが、中には細くてもとんでもなく硬い倒木もあって、体力はどんどん消耗していきます。


でも林道女子&山ガールのKちゃんはこの日も元気いっぱい!


Mondoさんは最初はこんな場所でWRを乗りこなすのに戸惑っているようでしたが、徐々にトラクションのかけ方も分かってきたようです。


ガタイが良く、手足が長いのはこんな時に有利ですね。


廃道探索には倒木処理のノウハウが欠かせません。
どこをどう切れば良いか、瞬時に見分ける眼も大切な要素です。
場合によっては切る必要もなく、力を合わせて移動できるかどうかも判断しなければなりません。
Kちゃんが下僕達に『ここをお切り!』と命じています?

そうこうしているうちにつづら折りをいくつかターンすると周囲も開けた雰囲気になってきて、そろそろ努力が報われたかと喜んでいました。


が、しかし・・・


な、なんと、これまでには無かった太さの倒木が道を塞いでいるではないですか!
道はその先で行き止まりの道と、坂本林道に繋がるであろう道と分岐しています。
パッと見た時は絶望感と無力感に苛まれて、しばし呆然と座り込んでしまいました。
『ここまで来てこれかよ・・そりゃあないよ〜!』と。


しかし一旦クールダウンしてからあらためて作戦会議をすると、
①倒木をなんとか向こう側に越えて、折り返してもう一回倒木を越える
②倒木の手前の斜面を一気に登る
のふた通りの案が浮かんできました。
そして選んだのは②の方で、2m弱の高さの垂直に近いステアで助走はほとんど無く、登り切るとすぐに左ターンというセクションです。


なるべくトラクションがかかるように地ならしをしてから次々に挑むメンバー達!


こんな場所では不利になるWRのMondoさんも見事にクリア!!


そして遂に、その先には見覚えのある区間が現れてきて、坂本林道と合流したその瞬間、大声で『ヤッター‼️』と叫ばずにはいられませんでした。


後でログを取っているえでーさんに確認をすると、この支線はたった2kmほどだったことが判明しました。
それに要した時間は4時間あまり!
興味のない人にとっては『な〜んだ』ってことになりますが、僕らにとっては大いなる収穫です。
これほど荒れ果てる前に走ったことのあるライダーが、もしかすればおられるかもしれません。(バイブルには記載無し)
しかしその後は僕らが完抜けできた最初のオブオフローダー(廃道オフローダー)なのは間違いなし。
道なき道を往くゲロライダーの方々には及びもつかない些細な自己満足ですが、リサーチと実行力という点ではこっそりと自慢できることかなと。


それにしてもあまりにも時間がかかってしまったために、予定していたその後のフラット林道は全てカットして、やって来たのは先週貸切になっていて入れなかった、香住では僕のお気に入りNo.1のこの店の刺身定食。
ここは他のメンバーは初めてでしたが、大いに気に入ってくれた様子です。

いつもだと海を眺めながら食後の休憩とするところですが、この日は時間が押していたので先を急ぎます。
悩んだ末に選んだのは大野林道で、これが本日唯一フラット林道となるとは・・。


ここは稜線を走る林道なので、道の左右の樹々が無ければどれほど見晴しが良いものかと、それだけがちょっと残念ですが、概ね走り易くお気に入りのひとつです。

その後は瀞川氷ノ山にも匹敵する距離ながら、ほぼ全線舗装されている道をクネクネと走り(みんな睡魔に襲われていたらしい)・・・

この日のもうひとつの目的であるピークアタックの入り口に着きました。
あらためて下見をすると最初の登りが難敵で、それを見たMondoさんとKちゃんはステイ宣言をしていました。
ところがなんとKちゃんが徒歩でその先を下見をすると、素晴らしいエスケープルートが見つかったのです!


うっひゃ〜!雰囲気最高の馬の背をなだらかに登って行きます!!


ここまで来れば、もう成功は目前。

自然林の間をさらに進めば・・


パッと開けた場所に出て・・・

やったゼィ!!
遠くは白山から大山まで、文字通り360度のパノラマが広がるピークに到達です!!

この日はやや霞んでいて、前述の山々までは見ることはできませんでしたが、それでもこんな雄大なスケールが広がる場所はそうそうありません。

その道のスペシャリスト、えでーさん&Kちゃんにとっては県内11座目の達成だそうですが、僕にとっては8座目かな?
そのうちのいくつかは、ふたりから教わったものですけどね。

標高は1100m足らず、すぐ近くの盆地である豊岡市内のこの日の気温に比べれば10度近く低く爽やかです。

体力を使い果たし、優雅に?寝そべる林道女王様。
次の日はまた登山のご予定だったそうですが、さていかがだったのでしょうか?


走った林道の本数は過去最少だったものの、1日にふたつも大きな成果が挙がったことは初めてです。
この日のことは、のちのちの良き思い出としてきっと語り続けられることでしょう。


あらためまして初参加のMondoさん、お付き合いありがとうございました。



Summer Breeze 夏の香りに包まれて 6/25 但馬

まだ梅雨は始まったばかりだというのに、この週末も天気予報は晴れ。
このところはグループでの探索でいつも汗まみれ、泥まみれになっていたので、久しぶりにソロでのんびりと走ってきました。
それにあの店の料理も食べたくなってきたことだし・・。


最初は悩んだ末に粟ケ尾林道から。
ここは大体いつも下りで走ることが多かったので、たまには登りで走ってみました。


同じ林道でも走る方向によって、イメージって変わるものなのですよね。
なんだかここは登りの方が距離が短く感じられます。


でも停まって写真を撮るのは、いつもほぼ同じ場所。


そこから妙見蘇武線を北上して、最近人気の奥神のてっぺん。


そして廃村の小城を俯瞰してから。


村に入るとやや盛りの過ぎたジキタリスですが、その数はさらに増えていました。
林道沿いにも範囲を広げて、このままだとどんどん勢力を拡大していくようですが、これってマズイなんじゃないかな。


まあ、花に罪はないのですが、生態系に与える影響が心配です。


さらに三川山山頂から・・


水口林道、そして三原水口林道を走り・・


ちょっと寄り道をしながら日本海方面へと向かいます。
それにしても山に入ると、もうすっかりと夏の香りが充満しています。
昨夜はかなりの雨が降ったようですが、湿度も低めで過ごし易い。


日本海の安木浜に到着。
ここは初めて来ましたが美しい砂浜で、こぎれいな民宿が立ち並ぶ良き雰囲気でした。

柴山港との中間にある入江から透き通った海を眺めますが・・

Googleの衛星画像で見ていたのですが、ここ、ちょっと無理をすればこの水辺にバイクで入れるんですよねぇ。
この日は子連れの先客があったので遠慮しましたが、いつかまたチャンスがあればこの海を間近に写真を撮りたいなあ。


ここで時刻は昼前、第一候補の店に行くと、なんと開店5分前にもかかわらず満席のサイン。
きっと予約客だったのでしょう、何せ客席数が少ないので仕方ありません。
仕方なく?第二候補の店に行き、ホワイトボードの今日のおすすめを見ると・・・

なんと、大トロ丼 2000円也!


こ、これって近海物でナマなんすよ!普通だったら握り一貫で1000円取られておかしくないようなネタが10切れくらい乗っています!!
もしかしたらクロマグロではなかったのかも?
それでもこれまでの人生最高の『丼』と言っても過言ではないくらい。
なんと言っても、その甘みと香りが抜群に良かったな〜♫


あ・・すみません、ちょっと調子に乗り過ぎたかもしれませんが、ここで閑話休題。


僕は暑さには強いのですが、それに加えて夏場の水分補給はこんな工夫をしていますよって話です。
今使っているエンデュリスタンのバッグにはハイドレーションの収納部分がありますが、これに以前から使っていたドイターの保冷バッグがピッタリと入ります。




保冷バッグの中にはSourceの3ℓのバッグに1.0〜1.5ℓのスポーツドリンクを入れて凍らせて、朝さらに0.5ℓくらい液体で追加します。
そうすると真夏でもまる1日、常に冷えたドリンクが飲めるのですが、これが身体を中から冷やす効果大なんです。
感覚的には一回ゴクゴク飲むと2〜3度は体温が下がる感じ。
喉がカラカラに乾いてから、いちいちヘルメットを脱いで、生暖かいドリンクを飲むのとでは大きな違いです。
特に暑さに弱い人はぜひお試しくださいね。


矢田川温泉の裏の田んぼはもう稲が風になびき始めました。


池ヶ平林道に入り、山の中を南下していきますが、思えばこの林道で他のライダーに出会ったことがありません。
ま、そもそもこの日トータルでも、三川山でハスクのライダーおひとりと出会っただけでしたが。


ちょっとバラスが多い区間があって走り難いところもありますが、適度な距離と景観も良い林道なんですよ。


そこから次の本谷林道に入る手前の公園で、睡魔に襲われてかなり真剣に昼寝しました。
誰か通りがかったら、きっと行き倒れかと思われたかもしれません。
でもそんな、いつもグループではできない気儘さも、ソロではできるのが良いところです。

繋いでお馴染み、本谷のグリーンカーペット。


ここを含めて、氷ノ山方面から日本海に通じている林道繋ぎでのルートは5本あります。
帰りに使うのはそのうちのこの1本を走るのが、比較的に穏やかで良いかなあ。
なにせ、たいていお腹いっぱいになっていることが多いですから。

昼頃に一度、風が止まり蒸し暑くなり。

午後は雲が増えてきたのですが、風が変わり気温も程よく過ごし易くなりました。
後で知ったのですが、南部ではかなり強い夕立があったようですね。

うへ山の棚田(ウエヤマ)も美しい季節を迎えています。
ただ地元自治体にひと言申したい!
あのガードレールはなんとかして!!
せっかくのこの風景をカメラで撮るには、あまりに無粋で邪魔なんですよ。
せめて木製で作り直すとか工夫をすれば、きっと訪れる人も増えますよ。

なーんて、心の中でブツブツ言いながら秋岡の廃スキー場へ。

ここは冬場にスノーシューで登りましたが、2本の老木もまだ立ち続けています。
もうこの季節でも葉をつけることもなく、じっと余生?を過ごしているようです。


ここはこれからますます深い草に覆われて、頂上まで登るのはとても難しくなります。


とちのき村を過ぎて、おじろじろキャンプ場を横目で眺めながら野間林道を登り。



瀞川氷ノ山林道に出ます。


そして最後は今や多くのライダーの人気と憧れの場所となった東鉢。

嬉しいのは今でもゴミが落ちていないし、路面も荒らされていることが見当たらないこと。
管理している方達も僕達が来ていることはご存知かと思うけれど、今の寛容さを保ってもらうためには、これからもマナーを守って、きっと次の世代に渡しましょう。

氷ノ山、この次の冬にはモンスター樹氷を見たいな。


青空が無くても、夏の雲は絵になります。

さーて、そろそろ帰りましょう。
久しぶりの土曜日ライドは、とてもお気楽で満腹でした。